命を吹き込む♫
先週末、友達に誘ってもらい浅草花劇場で開催された〈バンドネオン奏者の小松亮太さんのプレミアライブツアー2022〜蛇腹楽器奏者の祭典〜〉に行ってきました
蛇腹楽器と言えばアコーディオンがパッと思い付きますがバンドネオンはドイツ人のバンドさんが開発しアルゼンチンのタンゴの演奏で使われるようになった楽器で
アコーディオンに似ていますが全く違うということは2019年に初めて足を運んだライブで小松さんが念を押していたので知っていましたが
今回、共演していたアコーディオン奏者の桑山哲也さんが操るのは〈ボタン式〉で佐藤芳明さんのアコーディオンは〈鍵盤式〉。
しかも佐藤さんの鍵盤式アコーディオンはフランス製で桑山さんのボタン式はベルギーの楽器と発祥の地は別。
しかもベルギーのボタン式を日本で演奏できるのは桑山さんだけだそうでアコーディオン含めた蛇腹楽器の奥の深さに感心しきり
蛇腹界を牽引する3人は同世代でそれぞれ自分の楽器へのこだわりや音を出す仕組みなどのトークは止まらず
お互いに楽器を交換しての演奏もありましたがかなり独創的な音色になっていて他の蛇腹を扱うことの難しさやひとつひとつの楽器が全く違うことが伝わりました。
小松さんから2人は巨匠と紹介されていましたがジブリ映画やNHKの朝ドラなど私達が身近で聴いているアコーディオンは全て佐藤さんの演奏だと思って間違いないとのこと
そんな佐藤さんは実は楽屋では1番雄弁だそうですが小松さんと桑山さんがおしゃべりなのでステージ上では口数が少なくニヒルな感じに見えてとても素敵でした
出せない音は無いというぐらいの蛇腹の豊かな音源を自由自在に操る3人の演奏はパワフルでスリリングそして何より楽しそうに音楽で会話しているようで本当に素晴らしかった
今回、客席までバンドネオンを押し引きする音が聴こえてきましたがまるで楽器が呼吸しているみたいで不思議。命を吹き込まれた〈魔法の箱〉に魅了されたプレミアライブでした。
長く続くコロナ禍で大きな影響を受けた音楽界。こうして生演奏が聴けて幸せです。やっぱり心を豊かにしてくれる芸術は不要不急ではありません