リーダーの覚悟 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

リーダーの覚悟

1年に1回の〈在宅医療カレッジ札幌2022〉今回のテーマは"人口減少社会と医療介護そして地域社会のありかた"ですひらめき電球



超高齢社会の日本はこれから本格的な人口減少とも向き合っていかなければなりません。長年言われ続けている介護人材の不足、離島を含めた僻地では医師が不在の地域もあります。



人口減少が来ることはすでに分かっていた現実であり手をこまねいている時間はありません。そんな中でカレッジでは先駆的な取り組みをしている3人にお話を伺いました。



まず登壇してくれたのは人口約3000人の北海道更別村で地域医療と家庭医療教育を実践している山田康介先生です。若者も地元ではなく札幌の学校に進学するなど一極集中する北海道。



そんな状況の中で合併ではなく自立を選んだ更別村は教育、医療、福祉に投資をすることで"住みたい、住み続けたい町"を目指しているとのこと。



北海道家庭医療学センターの副理事長を務めながら有床の更別国民健康保険診療所の所長として山田先生は365日24時間診療にあたっています。



国民健康保険診療所と言えば今年4月から北海道むかわ町穂別地区にある唯一の穂別診療所で副所長を務めている精神科医の香山リカさんにラジオでお話を伺いましたが



所長から燃え尽きないように自分の時間も作って下さいと言われたと話していました。また一緒に診療にあたる所長も住民と信頼関係を築き理解を得た上できちんと休んでいるとのことでした。



ただどんな病気でも診なければならない村の診療所は院長が踏ん張っている所が多いのが現実。山田先生の診療所は家庭医療と



総合診療の教育プログラムを提供する教育診療所の役目も兼ねていますので臨床で学ぶ若手の医師(現在は4人)を受け入れチームで地域医療を支えています。



住民が中心となり健康になる町作りや地域医療を守る取り組みをしている福井県高浜町の研修医を積極的に受け入れることで医師不足を解消した〈たかはまモデル〉を2019年の在宅医療カレッジ札幌でも紹介しましたが



最近の医師は訪問診療も最初から当たり前で僻地であっても魅力ある医療や研修をやっていたら若手の医師も来てくれると山田先生。



センターの経営者と臨床医としても忙しい山田先生が口にしたのは〈覚悟〉という言葉。制約はあっても諦めずリーダーとしてビジョンを掲げようと決めたそう。



人口が少ない更別村では顔の見える関係がすでに構築されているということを強みにし村長をはじめ役場の職員や福祉介護関係の人達も巻き込んで山田先生は取り組みを進めています。



在宅医療と介護の連携の充実は当たり前ですが山田先生が次に目指すのは〈ごちゃまぜの町作り〉でモデルは私もお邪魔したことのある石川県にある高齢者も障害者も一緒に暮らすShear金沢を運営する社会福祉法人佛子園。



温泉施設のロビーでカフェを2週間に1回開催しているそうですが今年の秋から常設に。障害者の就労支援サービスを提供し障害のある人が親亡き後も安心して暮らし続けられる環境の充実にも繋げたいとのこと。



これらの試みはドクターひとりでは出来ません。活動は始まったばかりですが大学を卒業したコミュニティナースが3人村に移住し地域を村のあちこちを回って活躍中だそう。



リーダーになるという覚悟をした山田先生は〈強みを知る〉ことが大切だと指摘していましたが〈自分の立場を知る〉とも。



町作り一辺倒にはならないということも心掛けていて医師として臨床家として信頼を得てやっていきたいと話していたのも印象的でしたクローバー



そして2人目は看護師の役割や可能性を広げるための発信や実践を積み重ねている慶應義塾大学医学部衛生学教室講師の山岸暁美さん。



キャンディキャンディに感化されアフリカ親善大使としての黒柳徹子氏の活動に感動し幼い頃から看護職を目指していたそう。



地域医療のリーダーは別に医師でなくても良いということ、もっともっと看護師の力を活かす環境整備が必要だと感じた山岸さんのお話の詳細報告はpart②へキラキラ