ライフプランを考える
最近は打ち合わせがほぼオンラインになりつつあり便利ではあるのですがなかなか有意義な雑談に発展せず物足りなさも感じていました
そんな中で先日「ヤングケアラー支援ガイドブック〜子どもの想いを地域で支える」の出版をクラウドファンディングにより実現した社会福祉法人奉優会さんを訪問。
このガイドブックを作成したのは認知症の利用者さんのお宅を訪問した際に"ヤングケアラー"の存在に気づき何か出来ないかと行動を起こしたケアマネージャーさん達です。
このブログでも何度も書いていますがヤングケアラーがケアしているのは高齢者や認知症の家族だけではなく精神疾患を持つ親や障害を持つきょうだいなど介護保険の対象ではないケースも沢山あります。
介護保険の枠に当てはまらないから何も出来ないのか。。。私はそんなことはないと考えています。"介護の社会化"を目指して2000年にスタートした介護保険制度。
20年以上かけて医療と介護など多職種が連携して住み慣れた地域で最期まで暮らせるように支援する地域包括ケアシステム構築も進められてきました。
そして介護保険制度と一緒に誕生したケアマネージャーは介護を必要とする本人を介護サービスに繋げるだけでなく
家族が抱える様々な課題を解決するために行政や住民など地域の社会資源や多職種を繋ぐソーシャルワークの要になってきました。
国のモデル事業ではヤングケアラーの負担を軽くするための家事支援が想定されていますが理由に関わらず家庭に介入するならば
親の了解が必要であり、また親自身が病気などの問題を抱えている場合は最初に親へのケアや支援を考えなければなりません。
さらに経済的に苦しいために進学を諦めざるを得ないヤングケアラーに対しては奨学金などの支援制度の情報が不可欠です。
まずはヤングケアラーひとりひとりが何に困り悩んでいるのかを可視化する必要があり、その際に力を発揮できるのがケアマネージャーではないかと思います。
"第三者には頼りたくない"という精神的な壁が介護現場でも長く立ちはだかってきました。そこから得られた教訓は本人家族との信頼関係の構築から始めるということです。
ヤングケアラーだった私も酒飲みの父が暴れることや母の代わりに家事をしていて大変なことは学校の先生に相談しても仕方がないと諦めてしまっていました。
ヤングケアラーの支援ではケアプランだけではなく若者が未来に希望を持てる「ライフプラン」の作成が絶対に必要で
ひとりひとりのニーズに合わせたライフプランを完成させるための鍵はケアマネージャーなどケアの専門職と教育関係の専門職が連携すること。
教育現場のマンパワー不足も長年の課題であり学校だけでヤングケアラーの問題を解決することははっきり言って不可能です。
スクールソーシャルワーカーの配置を文部科学省は進めていますが地域と繋がっていなければ適切な支援に結びつけられません。。。
ヤングケアラー支援はそれぞれの得意分野を活かす多職種連携を実践してきたケアの力を発揮するチャンスであり扉が重く閉ざされた教育現場を地域に開くきっかけになると思います
子供の想いを地域で支えるために学校と一緒にヤングケアラー支援を考える機会を作りたいですねと奉優会のケアマネージャーさんと意気投合新しいことが始まる予感にワクワクです
社会福祉法人奉優会さんが作成した「ヤングケアラー支援ガイドブック」はメディア・ケアプラスから出版されています