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責任ある消費者に
今月から新たにスタートしたnote &音声配信番組「翔べ!ほっとエイジ〜人生100年時代の歩き方トーク」1回目のテーマは「18歳成人」です。
コロナ禍にウクライナ侵略と世界的なニュースの影響であまり取り上げられないまま今月から改正民法が施行され成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
この「18歳成人」は非常に大きな変化を18歳と19歳に及ぼすことになり消費者問題に携わってきた専門家はずっと警鐘を鳴らしていました。
そこで「翔べ!ほっとエイジ」では18歳成人により何が変わるのかを様々な専門家に伺いながら紐解いています。今回のゲストは長年、消費者教育に携わってきた横浜国立大学名誉教授の西村隆男先生です。
2022年4月から成人年齢が引き下げられることになった背景にはとにかく憲法改正を成し遂げたいと考えていた安倍政権の思惑があったと西村先生。
まず2007年に国民投票法を成立させ18歳に投票権を与えたことに合わせる形で選挙権を引き下げ最終的に民法も改正することになりました。
ただし被選挙権(衆議院は25歳・参議院は30歳)は変わらず18歳から大人扱いになるのに飲酒や喫煙は現状の20歳のまま。。。
国際的にも18歳成人が主流であり若者の自立や社会参加を促したり意見を政治に反映させようという考えを西村先生も否定しているわけではありません。
問題視しているのは成人年齢が引き下げられることにより18歳19歳への消費者被害拡大が懸念されているのに10年以上も有効な手立てが打たれないまま放置されてきたこと。
これまで未成年者を見えない形で守ってきた「未成年者取消権」が適用されなくなる18歳19歳。残念ながらマルチ商法などの悪徳商法は無くなることはありません。
手を変え品を変えてお金を騙し取ろうと常に考えている悪い大人にとって社会に出たばかりの若者はかっこうのターゲットなのです。
消費者トラブルに巻き込まれないための知識を学ぶ消費者教育はすでに学校で行われていますが30年以上にわたり消費者教育に携わってきた
西村先生は消費者教育は悪徳商法の被害防止を教えることではなく、消費者や生活者の視点から社会の一員として何が必要かを本来は学ぶためにあると訴えます。
大切なのは商品を買う時に社会に対してどのような影響があるのかを考えること。例えば環境負荷、フェアトレード、食品ロス、人権問題などの
バックグラウンドを意識しながらどの企業のどの製品を買うのかを考えながら消費行動することは経済的な投票をしているようなものという西村先生の言葉にハッとさせられました。
選挙の投票の機会は多くありませんが経済的な投票は毎日あり日々スキルアップすることができるのです。
西村先生は"健全な猜疑心"や"クリティカルシンキング"が重要だと指摘しますが疑問を持って考える批判的思考は消費者被害に遭わないためだけでなく
多様化する社会そして変化の激しい社会に対応するためにも必要な力であり子供の頃から学校、家庭、地域の中でコツコツ学んでいかなければなりません。
2012年には持続可能な社会の創り手を育てることを目標にした消費者教育推進法も成立しましたが西村先生も尽力したとのこと。
消費行動を通じてより良い社会を作るために責任ある消費者になること。そして自分の行動が将来の世代に影響を及ぼすことを自覚できる人を育てることが消費者教育なのです。
18歳成人はそんな「消費者市民社会」を目指すために社会や世界で起きていることに関心を持ち大人としての一歩を踏み出す機会と捉えたいと西村先生。
「18歳成人」の問題は実は先に大人になった私達ひとりひとりが社会のためになる選択が果たして出来ているかどうかが問われている問題だと改めて痛感させられました。
消費者教育の第一人者である横浜国立大学名誉教授西村隆男先生のインタビュー前編・後編はこちらからお聴きください☞
●「note」
https://note.com/100years_hiker/m/mcbabb59799b6
●「stand.fm」
https://stand.fm/episodes/62638f5fda25230007ed4281
●「spotify」
https://open.spotify.com/episode/4U4UG7bn4yBlJQ9iMmPqwy
☆媒体がたくさんあって分かりづらくてすみませんいずれも中身は同じですので普段お使いのサービスでお聴き下さい