互いに育ち合うこと。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

互いに育ち合うこと。。。

「必要とする若者に必要なタイミングで情報が届くように」



児童養護施設や里親家庭などから自立する若者に向けた「ゆでたまご」ガイドブック改訂版お披露目会企画はオミクロンの影響で急遽オンライン開催に切り替えることになりましたが無事に終了しました


ガイドブックを制作した阿部華奈絵さんは自身も児童養護施設出身で現在は三鷹を拠点に子供から高齢者まで人と人を繋げ居場所を創る活動をしています。



「知らないって怖い」と自分の経験を語ってくれた華奈絵さん。本当は進学したいと考えていましたが経済的に難しく断念。さらに就職先の選択肢も限られていました。



当時、文句を言うことは贅沢だと思っていたと華奈絵さんは話していました。必要な情報を手に入れたいと思っても施設以外の大人との繋がりもなく自力では限界があるのは明らか。



そんな自分の経験を生かしたいと自立に向けて知っておいて欲しい情報をまとめたのがゆでたまごのガイドブックです。このガイドブックも必要な支援だけでなく人や社会と繋がる入口のひとつになればと華奈絵さん。



そして児童養護施設"子供の家"施設長の早川悟司さんは保護者を頼れない子供を社会で支える仕組みである「社会的養護」を必要とする子供にはそもそも自分が暮らす施設を選ぶ選択肢さえないと指摘。



さらに自立を迫られる18歳以降も施設と繋がり続けられるかは人生を大きく左右するのにも関わらず施設間に格差があるのが現実でそんな児童養護施設の標準化を早川さんは目指しています。



2012年に自立支援コーディネーターが誕生し2021年からは全国に配置されるようになり国もこの問題に力を入れてきてはいますが



児童養護施設の労働環境はいまだに厳しく疲弊したスタッフは辞めてしまい短期間で入れ替わってしまうため施設を出た子供との繋がりを保てる状況ではないそう。



余裕がないスタッフがアフターケアを出来るわけがなくアフターケア自体が機能していない現状を変えるために必要なのは批判ではなく職員の支援なことが分かります。



社会的養護の対象となる子供は4万人前後。そのうちの4分の3の子供が児童養護施設で暮らしています。



社会的養護が必要となるケースは貧困に苦しんでいる母子家庭が多く児童手当てもわずかで養育費も当てにならない中でたった1人で子育てしていると早川さん。



虐待の相談が増え介入は進んでいますが全てを虐待とひとくくりには出来ず社会的に孤立したひとり親が必要な支援を受けられずにネグレクトの状態になっているとも。



自己責任と親を批判したり親から子供を引き離せば問題が解決するわけではなく虐待に至る前に社会的ネグレクトから親を救う支援がとても重要だと感じました。



2人の話を聴いた後にグループで必要な人に情報を届けるためにはどうしたら良いか話し合ってもらいました。



華奈絵さんが活動している地元三鷹の市民の方が多く参加してくれていましたがまずは三鷹に施設があることを知らなかったという正直な声も。



なかなか児童養護施設の子供に出会う機会が少ないのが現状でもあるので大人が情報を共有できる場を作りたいや



地域の中で子供食堂やフードバンクなど子供を支援する色々な活動は行われているのでもっと連携を強めて



相談に来るのを待つのではなく情報を受け取りやすい場所にガイドブックを置いたりアクションできない人にアウトリーチしていきたいという意見が。



追い詰められてしまう前に気軽に相談ができる関係を築くためには本人が語れるような環境作りも大切です。そのためには信頼できる大人が地域にいることを子供達に知ってもらわなければなりません。



華奈絵さんも繋がりがなかったと言っていましたが課題はあるかもしれませんが児童養護施設が普段から地域と繋がり開かれていく必要もあると思います。



早川さんは社会的養護が必要な子供達の選択肢が施設か里親かという二者択一ではなく本当の意味で地域や社会で育める環境を作っていきたいと語ってくれました。



保護の対象となった子供は家庭だけでなく療育に必要な学校や地域との繋がりまで奪われてしまうという社会的養護の在り方を変えなければと早川さんは訴えます。 



親として職員として長く子供に関わってきた早川さんは子育て支援という言葉を使うのをやめたそう。何故なら大切なのは「互いに成長し育ち合っていくこと」だから。。。



主体性を持って必要な人と繋がりながら子供達が納得して選択して地域で暮らせる社会にするためにやらなければならないことが沢山あると感じた貴重な時間でした。



ゆでたまごのガイドブックはみなさんの意見も取り入れながらブラッシュアップしていきますビックリマーク



また第2弾も開催しますので必要な人に必要な情報を届けるためのアイディアをいただけたら嬉しいです🍀