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新たなバリュー

医療✖️デザイン」の発想で課題解決や行動変容を目指す"Street Medical Talks"報告パート②


横浜市立大学先端医科学研究センター コミュニケーションデザインセンターと社会人向けのデザイナー育成機関の



東京デザインプレックス研究所が共催する「Street Medical Talks」は今年はオンラインの形で開催されました



今回は医療以外の社会課題をテーマにしたチームも多く私も注目したのは車椅子ユーザーがバスを利用する時の路線検索に関するアイディア。



『「路線検索+1」で誰もが暮らしやすい社会へ』は既存の路線検索ツールを使って事前に車椅子ユーザーがバスの利用時間を連絡できるようにするというもの。



私も車椅子の母と路線バスを1度だけ利用したことがありますが当時はノンステップバスはなくハード面のバリアから断念してしまいました。



今もノンステップバスが来るまで何台も見送ったり混んでいる時間帯に乗ると他の乗客の目が気になったり



固定に手間取ってしまうなど多くの車椅子ユーザーにとってバスは気兼ねなく利用できる交通手段にはなってないのが現実。

 


多くのバス会社は電話で事前に受け付けているそうですがネットで簡単に連絡が出来れば人手不足や満員などの理由による乗車拒否も減らすことが出来るはず。



飛行機はすでにネット予約できますし新幹線もまだ当日予約はできないなど完璧ではありませんがネット予約がようやく去年導入されました。



障害を持つ人の外出の心理的なハードルになっている障害者手帳を見せるという手間を省くために手帳をスマフォに取り込める



"ミライロID"を以前ラジオで紹介しましたがデジタル技術を活用することで様々なバリアをクリアすることが出来るのです。



また車椅子ユーザーがバスを利用する時は実は他の乗客のサポートも前提にあることもみなさんに知って欲しいことのひとつ。



このアイディアに付加価値をつけるとしたら乗る予定のバス会社や乗務員さん(本人でなくても)から絵文字やスタンプでも良いので



メッセージがくるとさらに安心して利用できますしまたあの乗務員さんが運転するバスに乗りたいと思えるのではないでしょうか。



利用する側の気持ちになると必要なことが見えてきますし共生社会は障害のあるなしに関係なくお互いにご機嫌で心地良い状況でいられる社会のこと。



その他にも作業療法士と看護学生のチームはがん治療の術後の後遺症のリンパ浮腫をセルフケアするための計測リングや日めくりカレンダーなどのツールを発案。



一度、発症すると完治が難しく悪化すると日常生活にも影響が出てしまうリンパ浮腫のケアは患者さんにとって非常に重要なのにもかかわらず医療現場での認知度が高くないという声を受けたもの。



本来は主治医から適切なアドバイスがあるべきですが。。。この課題に取り組んでいるのも作業療法士と看護学生であることがポイントで領域の拡張のチャンスです。



医師の診断や指示に基づき治療ができる医療リンパドレナージセラピストという資格もあり看護師、理学療法士、作業療法士などによるケアが実際に始まっています。



「がんその後」を考えた治療ケアは今は当たり前の時代です。がんはチーム医療であり医師がひとりで抱える必要はなく



それぞれの職種が専門性を活かし主体性を持って患者さんが自分らしく生活できるサポート体制を充実させて欲しいです。



またこのツールは患者自身がリンパ浮腫について学ぶものであり知るプロセスを通じて前向きにがんと共に生きられるようになることを目指しています。



職種も世代も様々な人が集って課題に向き合うことで"新たなバリュー""行動変容"を生み出す「Street Medical Talks



今回はコロナ禍でリアルな人との触れ合いを長く奪われているからかアイディアの多くがコミュニケーションツールとなるものでした。



Respect(尊敬) Trust(信頼) Listen(人と向き合う力) Changing(変化への渇望)武部先生はこんなキーワードを挙げていましたが



デザインを考えるプロセス自体がコミュニケーションであり1番行動変容しているのは生徒のみなさんです。



欲を言えば"こんなものがあったら良いな"という妄想をたくましく膨らませたもっと奇抜なアイディアが欲しかった。



ヒントは"当事者の声"にありますので困り事に耳を傾けて課題をどんどん可視化しチームで取り組むことで不可能を可能にすることができるはず。



そして社会を変えていくのは"誰かのために"という想いだと改めて実感した「Street Medical Talks」でした🍀



こちらから今回のアイディアの一部や過去のものも見られますのでぜひチェックを☞


poster.streetmedicalschool.com