平和のタクトを。。。
あさ6時30分から8時50分まで生放送
ラジオ日本「スマートNEWS」金曜日
きょうは「気になる話題」のコーナーで
バルカン室内管弦楽団の指揮者を務める
柳澤寿男さんに話を伺うことが出来ました
新日本フィルや東京フィルなど国内外の
オーケストラで指揮者を務めた柳澤さん。
"ヨーロッパの火薬庫"と言われきた
バルカン半島の地では今もなお民族の
対立は続いていますがなぜ柳澤さんは
日本から離れた海外のオケで指揮者を務め
楽団を設立することになったのでしょうか。
きっかけは知人に声をかけられたこと
だったそうですが柳澤さんを動かしたのは
今では大親友でもある旧ユーゴスラビアの
コソボフィルハーモニー交響楽団の
音楽監督を務めるバキ氏の言葉でした。
家族を紛争で亡くしていたバキ氏は再び
戦争になったら銃を持って戦争に行くと
言っていましたが柳澤さんが指揮を務めた
演奏会の後に音楽家は戦争に行くなんて
言ってはいけないし音楽に国境があっては
いけない。そして人に優しく生きたいと。
憎しみを優しさに変えられる音楽の力を
再確認した柳澤さんはコソボフィルの
首席指揮者に就任しバルカン半島の
多民族の音楽家を集め一緒に演奏する
「バルカン室内管弦楽団」を設立します。
1つの川を隔てて南にアルバニア系住民が
北にセルビア系住民が睨み合うように
住む街がありそこには「対立の橋」とも
呼ばれる橋が架かり常に軍隊が警備し
自由に往来できない場所があることを
知った柳澤さんは何とかしてこの橋で
コンサートを開催したいと考えました。
コソボ紛争からまだ10年。困難を乗り越え
国連や軍隊が治安維持をする中で実現した
演奏会は両民族の心を繋ぐ役割を果たし
歴史的な偉業と評価されることになります。
ニューズウィーク日本版の世界が尊敬する
日本人100人にも選ばれたり高校の世界史の
教科書に掲載されましたが柳澤さんは何かを
成し遂げたという感覚ではないとサラリと。
コンサートホールの環境などは日本とは
全く違うバルカン半島では民族の対立が
続き疲弊している人々にとって音楽が心の
支えとなり今日を生きる力になっている
ことが柳澤さんの原動力になっています。
中立の立場にある日本人はバルカン半島の
各地でとても信頼されていると柳澤さん。
バルカン室内管弦楽団にはこれまで
クロアチア人、ボスニア人、セルビア人
モンテネグロ人、アルバニア人など
国も民族も宗教も越えた音楽家が参加し
音楽は国境も人の心の壁も超えられる
"世界市民"であることをメッセージに
世界各地で演奏を続けている柳澤さんが
率いるバルカン室内管弦楽団の演奏を
聴くことができるコンサートが日本で
開催されますのでぜひ足をお運び下さい
12月14日紀尾井ホールのチケットは☞
12月15日第一生命ホールのチケットは☞
柳澤寿男さんをさらに詳しく知りたい方は☞
楽譜は共通の設計図と話していた柳澤さん
武力では憎しみの連鎖を止められないのは
明らかであり人と人の心を繋ぐ共通の言語
音楽を武器に平和のタクトを振り続けます