僕らのサッカーを | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

僕らのサッカーを

〜東京パラリンピック2020レポート21〜



「歴史を変える瞬間」と力強く語っていた

高田敏志監督が率いるブラサカ日本代表が

アジア最強の壁である中国チームと対戦。



2008年の北京パラリンピックに向けて

強化を図った中国の後塵を排してきた日本。



とにかく中国チームは個人技が素晴らしく

雑技団レベルのドリブルをどう阻止するか。



複数で泥臭く守ると言っていましたが

それでもボールが渡ってしまうと巧みに

ゴール前に運ばれてしまうシーンが度々。



1番大きな声を出していたのは背番号7の

佐々木ロベルト泉選手で"まだ時間ある"



"頑張ろう""フェアプレー"など苦しい中

チームの雰囲気を明るくしていました。



母国の家族を支えるために18歳の時に

来日したロベルト選手ですが28歳の時に



交通事故に遭い心臓を損傷する重症を 

負い命は取り留めましたが両目を摘出。



人生が終わったと1度は絶望しますが

ロベルト選手は命があるだけでも僕に



残された何かがあると気持ちを立て直し

交通事故の翌年にブラサカに出逢います。



ブラジルでは新聞紙を丸めたボールを

裸足で蹴っていたそうでスパイクを初めて

履いたのは日本に来てからとロベルト選手。



前半10分すぎまでは堅い守りでゴールを

割らせませんでしたが体格も声も大きな



中国の朱瑞銘選手の右足から放たれた

ボールがゴール右隅に吸い込まれます。




前半の残り6分あたりから日本代表の

ボールキープ率も少しずつアップしますが



試合残り時間2分に再び朱選手がゴールを

決めて前半を0-2で日本は折り返しました。



日本は後半から攻勢を強めていき背番号11

黒田智成選手が右サイドからこの試合

最初のシュートを放ちますがゴール枠左に。



20年来チームを牽引してきた黒田選手は

ブラサカ界の三浦和良選手的な存在です。



黒田選手に影響を受けてサッカーを始めた

若手は沢山いて女子の菊島宙選手もその1人



黒田選手に代わって園部優月選手が入り

積極的に声を上げボールに向かいますが

なかなかチャンスを作れず再び黒田選手に。



直後に黒田選手がノーマークの隙をついて

右足でシュートしますがこれもゴール枠外。



残り時間あと4分で日本代表のキャプテン

ナンバー背番号10を背負う川村怜選手が



フリーキックで豪快な左足シュートを放つも

ゴールネットを揺らすことはできず残念。



世界ランキング5位アジア王者の壁を

打ち破ることが出来ず0-2で中国に敗れ

初出場でベスト4入りは叶いませんでした。



長年日本代表を務めてきた黒田智成選手と

途中交代ながら予選3試合全てに出場した

背番号14未来のエース候補園部優月選手。



"中国には絶対に勝って準決勝に行くと

チーム全員が思っていたし自分が出たら



1点でも決めて流れを変えたかった"

もっと自分に力があればと悔し涙を。



ただ闘えるということも分かったので

課題は全てですが筋力や体力を上げて

もっと勝てるようにしたいとも話し



絶対にレベルアップして次の大会では

中国を倒したいし絶対に負けたくないと

今回の経験を必ず次に繋げると誓います。



臆することなく大舞台に立ったきょう

18歳の誕生日を迎えた園部選手にとって

東京パラは100%彼の力になるはずです。



悔しいけれどこれまで取り組んできた成果を

ピッチの上で表現できたと川村キャプテン。



5歳の時に目の中に炎症が起きる病気と

診断された川村選手は小学生の時は地元の

サッカースクールに通うも視力が落ち断念。



Jリーグやワールド杯の夢は絶たれたけれど

こうして好きな事で世界に挑戦できている。



工夫することで出来ることが増えることに 

気づけて人間の可能性が感じられる競技と

川村選手はブラサカのことをこう表現。



最後の試合に勝利し笑顔で終わって欲しい。



負けてしまいましたが清々しい表情の監督。

後半はシュート打たれていないし全体的に

悪いゲームではなかったと振り返りました。



これまではどうやっても勝てる中国が

やりたい放題でしたが黒田選手と川村選手を



潰しにきていたしゴールキーパー佐藤選手の

スローにも対応してきたのは日本の実力を

中国が認めたということの証だと思います。



試合終了後に相手監督を労うシーンも。



色々な取り組みや準備をして負けたのは

中国が上だったからでアジア代表だと

素直に認めたいし祝福したいと高田監督。



ロベルト選手が立ち上がれないほど

落ち込んでいましたが高田監督はみんなに



この東京パラリンピックがスタートだから

みっともない試合は出来ないし明日は

僕らのサッカーをやろうと声かけしたそう。



高田監督は今大会で指導は後進に譲ると

しきりにインタビュー内で言っていますが



これから本当に強くなる日本にはまだ

高田監督が必要ではと思ってしまいますあせる



ブラサカ日本代表はあすスペインと対決

パラ最終戦を笑顔で終えられるか注目ですビックリマーク