パラ二刀流☆
〜東京パラリンピック2020レポート13〜
パラトライアスロン車いすのクラスを取材
パラリンピックのレジェンド夏冬合わせて
なんと8回目出場の土田和歌子選手が
東京パラでマラソンとの二刀流に挑戦です。
土田選手がパラに初めて出場したのは
1994年冬季のリレハンメル大会でした。
母が車椅子の生活になったのは1990年で
家族の人生も180度変わりましたし障害と
共に生きる中で大きな不安もありました。
生きる希望を見つけたいという想いを
本人と同じように家族も持っています。
そんな中で私の励みになったのは障害を
持ちながら挑戦をしている人の新聞記事。
当時は扱いは社会面でしたが土田選手や
成田選手の活躍するパラリンピックの記事を
当時、切り抜いてスクラップしていた私。
以前、イベントでご一緒させていただき
絶対に取材したいと思っていたひとり
土田選手が陸上からパラトライアスロンに
本格的に転向したのは2018年のことです。
リオが終わった後に運動誘発性喘息と
診断されてしまい治療のために水泳を
始めたことやハンドサイクルにも興味が
ありトライアスロンに行き着いたそう。
私とほぼ同世代ですが本当に土田選手は
鉄人で20年以上前と比べると確実に今が
1番身体が大きくなっていると思います
(小さいですがバイクスタート時の土田選手)
パラトライアスロンはスイム750m
バイク20キロ、ラン5キロの3種目を
連続で行い合計タイムで順位を競います。
車いすのクラスはバイクはハンドサイクル
ランは競技用車いすのレーサーを使います。
実は2019年に土田選手もクラス変更があり
障害が軽いクラスになり時間差であとから
スタートの上に最初のスイムは苦手な種目。
スイムが終わった時点でトップと7分差で
かなり厳しい闘いを強いられていました。
得意のラン(レーサー)でも巻き返せず
1時間22分32秒で9位という結果でした。
土田選手が出場した車いすのクラスは
アメリカのグレッジ選手がゴール直前で
ラストスパートをかけオーストラリアの
パーカー選手を抜き去って見事金メダル
1位と2位のタイム差はなんとわずか1秒
グレッジ選手はゴール後にブレーキが
間に合うか心配だったと話していましたが
ゴールギリギリまで本当に全速力でした
トライアスロンは乗り換えや着替えなど
アシストが必要でチーム力も試されるので
パラ人生で培ってきたもの全ての集大成。
母国開催だった長野パラリンピックに
出場した時は土田選手はまだ19歳で
金メダル獲得はとても嬉しかったそう。
ただ北京、ロンドン、リオのパラでは
クラッシュに巻き込まれリタイアしたり
転倒もあったり実は失敗も沢山あって
"楽なものはひとつもない"と語っていた
土田選手はそれでもチャレンジし続けます。
レース後のインタビューで生半可な
レベルではないので諦めずにしっかり
前の選手を追う気持ちで走ったと土田選手。
またご主人がコーチとして参加していて
二人三脚で取り組んできたので自分の力に
なっているし息子さんも会えてませんが
電話で頑張ってと声を掛けてくれたそう
そんな息子さんにまだ格好良い母の姿を
見せられていないという土田選手ですが
マラソンで悲願の金メダル獲得なるか
注目の車いすマラソンはパラリンピック
最終日の来月5日朝6時半にスタートです