命の限りを知る。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

命の限りを知る。。。

"芸術の灯をともし続けよう~舞台にエール"



宝塚月組トップスター珠城りょうさんの

サヨナラ公演「桜嵐記」を観てきましたニコニコ



本当は2月に退団予定でしたがコロナの

影響で卒業が半年延長されるという事態に。



最近は細身のトップさんが多い中で

"男らしい男役を目指していた珠城さん。



その言葉通り包容力がありキザな仕草を

あえてしなくても佇んでいるだけで

素敵なお姿を目に焼き付けてきました音譜



これまで感染対策のために役者の人数を

制限していましたが今作から全員が出演し



前作からオーケストラによる生演奏も

再開されているので迫力が違い良かったひらめき電球



「桜嵐記」の舞台は南北朝の動乱期で

珠城さんが演じるのは滅びゆく南朝に



最後まで仕え忠義のために武士が生命を

捨てるのが当たり前の時代に忠義でもなく



欲でもなく"何のため"に自分は闘うのかと

問い続けた武将 楠本正行を演じます。



困窮のために戦に加わっていた幕府軍の

農民には罪はないと薬や衣服を与えて



故郷に帰した有名な逸話は日本赤十字の

精神に受け継がれていますがこの敵にも



温厚を持って接する博愛の精神は父親の

正成から息子正行に受け継がれたもので



正成も敵の兵士を「寄手」と呼び手厚く

弔ったそうで敵味方なく民衆に温かい

眼差しを注いでいたことが分かります。



家族を高師直に殺された侍女の弁内侍は

刺し違える覚悟で敵方の元に向かう所を

正行に救われ次第に心惹かれるように。 



弁内侍は珠城さんとトップコンビを組み

この作品で一緒に退団する美園さくらさん。



楠木三兄弟の末弟正儀を次期トップに

就任する月城かなとさんが河内弁丸出しで

血気盛んでありながら憎めない武士を。



自分が河内弁を使うのは郷土を誇りに

思っているからで兄貴は気取ってるだけと

ちゃかし珠城さんも絶対ムリと言いながら



吉野に向かう道中にマメを潰し痛そうに

足を引き摺る弁内侍の手を取った時に



"ほな、行きまひょか"と照れ臭そうに

つぶやく場面にクスリとさせられましたにひひ



また戦より料理が好きという次男正時を

鳳月杏さんが凛々しく艶やかに演じ

3人揃っての戦仕様の和服姿は眼福でした。



命を賭けた戦に臨む前のやりとりが軽妙で

あるほど彼らを待ち受ける運命が哀しく。



天皇から弁内侍を妻にと告げられますが

戦に出れば生きては戻れないと覚悟する



正行は彼女を心から想うからこそ大切な

人を失う経験をもうさせたくないと固辞。



吉野の桜を前に弁内侍はこれほど桜が

美しいと思えたのは命の限りを知り

恋を知ったからと正行に語りかけます。



儚く散ることを知っている桜に重なる

常に死を想い生きてきた正行と弁内侍。



生きている""の尊さをかみしめ心を

通わせた刹那の時間は永遠に等しく。。。



北朝との和睦を願っていた父と同じく

後村上天皇に正行も進言しましたが

今は亡き先人達の遺恨を断ち切れずに



敵方の高師直が率いる4万の軍勢に対し

わずか1千の兵を率いて決死の戦いに

挑み次男の正時と共に命を散らします。



大きな流れの中で自分の命を犠牲にして

平和な世を築くことを末弟に託した正行。



弁内侍に対しても家族は恨みを持って生きて

欲しいとは思っておらず幸せになることを

きっと願っているはずと諭していました。



残された者が生きて幸せになることが

悲しみや憎しみの連鎖を断つことに。。。



凛と生き切った正行の最期が胸にずんと

響くラストに相応しい骨太の作品でしたクローバー



そして後半のショー「Dream Chaser」は

黒燕尾やスーツをビシッと着こなした

珠城さんが華麗なステップを披露したり



BTSばりのキレのあるダンスを月城さんが

魅せたりととてもドラマチックなショーにラブラブ


珠城りょうさんのこれからの活躍にも

期待したいですし新生月組も楽しみですにひひ音譜



宝塚月組「桜嵐記」は来月15日までひらめき電球