抱きしめたい。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

抱きしめたい。。。

帝国劇場で上演していた「モーツァルト」

観に行く予定だった山崎育三郎さんの回は

緊急事態宣言で中止になってしまいましたあせる



Wキャスト両方を観てから感想を

書こうと思っていたので本当に残念。。。



救いは古川雄大さんのモーツァルトを

宣言が出る前に観劇しておいたことひらめき電球



2018年に「黒執事」の古川さんの歌が

素晴らしく絶対に観たいと思っていて

初演を見逃がしていたので満を持してクローバー



「僕こそミュージック」の言葉通り

5歳ですでに作曲を始め1度聴いただけの

曲を記憶し譜面に書き起こすことができたり



人と会話しながらの作曲は当たり前で

頭の中ですでに曲が完成していたという

"神童"ヴォルフガング・モーツァルト。



"才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?"



肉体は成長しても人間的には子供のままで

とてもピュアなヴォルフガングの傍らには



"奇跡の子"と呼ばれた頃のままの才能の 

化身アマデが寄り添い作曲を続けている。



モーツァルトが生きた時代は音楽は

権力者や宮廷のものであり思うがままに

自由に作曲することは出来ませんでした。



そんな中でヴォルフガングは権力者の

意のままになることを良しとはせず



息子の才能を愛し全てを捧げてきた父

レオポルトにも逆らい家を飛び出します。



古川さんが演じるヴォルフガングは

才能を自覚しながらも自分が何者なのか



必死に模索しているようで父親でなくとも

心配になる人間らしい弱さと危うさが。


家族を捨てるのかと訴える父親が実は

愛しているのは幼い頃のアマデであり



今の自分ではないという葛藤や自由を

求める心が愛する家族と彼を引き裂きます。



ただ自由に音楽を作り奏でたいと願う

ヴォルフガングですが与えられた才能の 

アマデにより全てを奪われてしまう皮肉。



本人だけでなく妻のコンスタンツェも

ヴォルフガングのアマデに悩まされる1人。



母親から虐げられ自信が持てずにいた

コンスタンツェはやっと自分を受け入れ



愛してくれるヴォルフガングに出会いますが

幸せだったのは束の間でほとんどすれ違い。



芸術家の妻なのにインスピレーションを

与える存在になれない歯痒さとそして

自分より大切にする音楽があるという絶望。



また姉のナンネールも子供の頃は弟同様

奇跡の少女と呼ばれていましたが弟には

敵わず父親も情熱を注ぐのは自分ではなく。



家を飛び出した弟に同行した母親は亡くなり

弟のために家計は火の車で結婚のための



支度金も使われてしまいお金ではなく私の

人生を返してと恨み言を言うのも分かる。



弟は愛しているけれどやはりアマデにより

深い溝が生まれてしまうのは本当に切ない。



ヴォルフガングの前に立ちはだかり

ことごとく邪魔をする憎たらしい権力者

コロレド大司教役を山口祐一郎さん。



山口さんは大好きな役者さんのひとりラブラブ

低音ボイスでありながら歌い上げる時の

高音がたまらなく素敵でしたし堂々とした



立ち姿で高みから見下す山口さんが

傲慢であればあるほどヴォルフガングが

もがき苦しむ姿が引き立ちさすがです



そして父レオポルト役は市村正親さんで

Wキャストの若きヴォルフガング2人を



相手にミュージカルのレジェンド達が

まさに君臨という感じで天晴れでしたアップ



本来は人を幸せにするはずの"音楽"

愛されながらも生まれながらに授かった

才能に翻弄されてしまったモーツァルト。



もしヴォルフガングが才能を操れたら?

ですが操れるようなアマデならば

天才たりえなかったかもしれません。



35歳という短い生命を激しく燃やすように

音楽を紡ぎ出し果てた天才モーツァルト。



純粋に音楽を愛して向き合い信念を貫いた

ヴォルフガングは孤独だったけれども



1番近くにはアマデがいた彼の人生は

決して不幸ではなかったのだと思います。



思わず抱きしめてあげたくなるような

古川さんのヴォルフガングでした。。。



カーテンコールで古川さんとアマデ役の

子が手を繋いで出てきたのも可愛かった音譜



感想を書いていたらやっぱり山崎さん

バージョンも観たくなってしまいました叫び



歴代のヴォルフガングの中で観てないのは

山崎さんだけなので梅田に行こうかなあせる