理屈じゃなく。。。

去年の夏に公演を再開した歌舞伎座は

コロナ対策を徹底するため幕間なしで

総入れ替えの4部制を実施してきましたが

2021年1月からは総入れ替えはそのままで

幕間ありの3部制の形で上演することに

先日観劇した二月大歌舞伎の第二部は

仁左衛門さんと玉三郎さんによる

「於染久松色読販」と「神田祭」

同じ演目が2018年に上演されていて

41年ぶりの2人の夫婦役ということで

観に行きましたが再び観られて感激

"若い時から一緒なので理屈じゃなく

お互いによく分かっている"と前回の

共演でも玉三郎さんは話していましたが

舞台に立った瞬間に長年連れ添った

本物のような夫婦の空気感を出せるのは

今の歌舞伎界では恐らくこの2人だけ

それぞれ理由があり100両を工面したい

腹黒夫婦が思い付いたのはそう"ゆすり"

仁左衛門さんは花道から登場してまず

ひと睨み、そして悪巧みを思い付いて

剃刀を静かにくわえてひと睨みしますが

その姿をしっかり目に焼き付けました

質屋の油屋に乗り込む喜兵衛とお六。

大切な弟が死んだといちゃもんをつけ

金をふんだくろうとする2人の丁々発止

こんな夫婦に脅されたらたまりません

何と運びこんだ遺体は河豚の毒にあたり

仮死状態だったこの家の使用人の男。

そして弟と偽った本人が訪ねてきて

2人の言い分が真っ赤なことが判明するも

いけしゃあしゃあと仕方ねぇなぁと

玉三郎さんと仁左衛門さんがいなせに

籠を担いで去って行く姿の格好良いこと

そして「神田祭」では目と目を合わせ

手に手をとる2人の姿があまりにも美しく

客席から思わずため息がこぼれました。

極め付けは花道でお互いの着物の汚れを

払い帯を整えた後に頬を寄せ合う場面

こんな大人な夫婦になりたいな〜〜

第三部は中村勘九郎さんと勘太郎くんの

「親子連獅子」で9歳の勘太郎くんは

史上最年少での仔獅子挑戦だそうです

二月大歌舞伎は今月27日まで上演中