全ての人の夢。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

全ての人の夢。。。

宝塚宙組の「アナスタシア」を観劇にひひ


憂いを帯びた楽曲がとても心に響く

ミュージカルで特に"12月のあの日"



美しくて切ないメロディーは頭の中で

いつまでもリフレインしていました音譜

 


ロシア革命で家族と共に処刑されたはずの

ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世の



末娘が生きていると実際に信じられていた

伝説をもとにしたアニメ映画が原作で



ブロードウェーでも上演され日本でも

去年春に葵わかなさんなどが主演を 

務めコロナ禍の中で初上演されています。



革命から10年を経てレニングラードと

改称されたサンクトペテルブルクの街と



パリを舞台に記憶を失くした少女の

過去を辿る旅をしながら人生を再生し

自らの力で未来を切り開く物語ですひらめき電球



"名前が変わっても腹ペコだ"



戦争と飢餓により疲弊したロシアでは

庶民の苦しい暮らしは革命でも変わらず



真風涼帆さん演じるのは頼る肉親は無く

そんな街の路地裏でたった1人で生きてきた

詐欺師でありながら心優しいディミトリ。



記憶を無くしたアーニャを皇女に仕立て

報奨金を手にしようと目論んでいましたが



アーニャの本当の自分を取り戻したいと

凛と生きる姿や芯の強さに惹かれていき



ディミトリは次第に彼女を真の皇女と信じ

家族に会わせたいと心から願うようにクローバー



ブロードウェイ版はアナスタシアが

主役でしたが真風さんの温かい歌唱力と



真っ直ぐな演技で身分に関係なく人を

思うディミトリの成長譚になっていました。



ただしアーニャが本物だった時は同時に

2人の別れの時だと思うととても切なく。



"アナスタシアは生きている"という噂は

あまりにも凄惨で残忍な最期だったため



1人ぐらい生き延びていて欲しいという

庶民の哀惜の想いが生んだ伝説でした。



パリに1人移住していたマリア皇太后の

元にはなんと200人以上もの女性が私が

アナスタシアだと名乗り出たそうです。



パリで孫の生存を信じていたからこそ

多くの裏切りに心を凍らせてしまった 

皇太后マリアを演じるのは寿つかささん。



実際には生存伝説は否定されているので

せめてこの舞台では夢を叶え愛しい孫と

再会して欲しいと願ってしまいました。



"偽りに満ちた空想の世界"と厳しく

噂を否定してアーニャに夢を見るなと 



忠告する芹香斗亜さん演じる新政府の

副総監グレブもまた過去に縛られた1人。



実は皇帝ファミリーを銃殺した警護隊を

務めていた父親は己を蔑み命を絶っていて



国のために生きた父の選択は果たして

正しかったのか悩み葛藤していたから。



もしアナスタシアが生きているならば

父親が正しかったと証明するためにも

その使命を引き継ぐのは自分しかいない。



そんなグレブが道端でアーニャと初めて

出会った時に"あの瞳"と呟くシーンがあり



誰よりも先に彼女にアナスタシアの面影を

見い出し皮肉な運命を直感しています。



芹香さんと真風さんとの絡みが無いのが

少し残念でしたがそれでもグレブも彼女に

惹かれていくのが分かる繊細な演技でした。 



演出も素晴らしく革命前夜の舞踏会では

純白の衣装を身に纏う皇帝ファミリーが



写真を撮るシーンは大きなストロボの音が

響くと一瞬だけ時が止まったようになり

栄華が過去のものであることを表現。



出国許可証を手にディミトリと相棒の

桜木みなとさん演じる偽貴族ヴラドと



アーニャがパリ行きの列車に乗り込む

シーンでは国を追われ2度と戻れない



故郷への想いをみんなで歌い上げる

コーラスはさすが宙組で聴き応えあり音譜



また映像を上手に使っていてセットでは

表現できないペテルブルクや満点の星空

憧れのパリの景色も奥行きのあるものに。



アナスタシアの名前の意味は"再生"



ロマノフ王朝の過去の栄華と革命により

全てを失った絶望から皇太后は解放され



革命と父の呪縛から解放されたグレブは

自分の意思で国と共に生きる道を歩み



どんなに理不尽で困難な人生でも自分は

自分であり夢と希望を抱き生きる喜びを

忘れないディミトリは自由のままに。。。



全ての人が見た夢と希望"アナスタシア"



それぞれが自分の居るべき場所を見つけ

新たな一歩を踏み出す再生の物語でしたクローバー


宝塚の名作のひとつになりそうな予感の

宙組のミュージカル「アナスタシア」は

東京宝塚劇場にて今月21日まで上演ですニコニコ