舞台人にエール

2度目の緊急事態宣言が出されましたが

その中で演劇の灯を絶やさないために

全身全霊で取り組む俳優をはじめとした

舞台人に2021年も変わらぬエールを

終了前後に観劇談義に花を咲かすことは

今はできませんが直行直帰など観る側も

感染対策をしっかりして観劇に臨みます。

新国立劇場にて吉田鋼太郎さん演出出演

柿澤勇人さんとの二人芝居を観劇しました。

新人のような気持ちで臨みたいと語る

鋼太郎さんは舞台に立つのはほぼ1年ぶり。

逃げ場のない二人芝居は実は初めてという

鋼太郎さんは台詞も膨大でびびっていると

言いながら自分の若い頃にそっくりという

"狂犬"柿澤勇人くんとの共演を心の底から

楽しんでいるのが伝わってくる熱演でした

体格は自分と変わらないのにとても大きく

こんな威圧感を感じる人は初めてと語る

柿澤くんですがそんな言葉とは裏腹に

全身から放たれるパワーは引けを取らず

「スルース〜探偵〜」の初演は1970年

ブロードウェイでは最も権威のある

トニー賞を受賞し映画化もされた作品

推理小説家アンドリュー・ワイクと妻の

浮気相手であるマイロ・ティンドルの

2人の語りだけで展開するサスペンス劇。

舞台転換はなしアンドリューの邸宅に

呼び出されたマイロは不倫ヘの追及を

当然、受けるものだと思っていましたが

意外にも妻とマイロが結ばれることを

望んでいるとアンドリューは語り所有する

高価な宝石を盗み出して欲しいと提案。

そうすればマイロは妻と宝石を手に入れ

アンドリューは宝石にかけられた保険金を

手に入れてお互いにハッピーになるという

ストーリーに不審を感じながらも言葉通り

まるでピエロのように操られていく。。。

地位も名誉もお金も全て手にしている

アンドリューを相手に若さを武器にして

成り上がろうとするマイロはどう見ても

勝てるわけなくアンドリューの手の平で

簡単に転がされてしまうのかと思いきや

華麗なる反撃を見せラストに向かうに従い

空気を支配していく様にゾクゾクしました。

1人の女性を巡り腹を探り合う2人ですが

やがて騙し騙されることに魅せられて

恍惚感に満たされていくように熱を帯びる

計算し尽くされたやりとりはお見事でした

タイトルにある探偵は実は観ている私達。

人を騙すことに命をかける2人の勝負の

行方をぜひ劇場で目撃して欲しいです

舞台「スルース〜探偵〜」は24日まで

新国立劇場小劇場にて上演しています

感染対策と観劇事前登録もお忘れなく