創造の源 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

創造の源

きのうオンラインの形で開催された
「病のない未来」アイデアコンテストに
9組の学生が登場しプレゼンテーションひらめき電球


最近は在宅医療など"支え見守る"医療を

中心にたとえ病気になっても大丈夫と

安心できる社会作りに取り組んでいますが



やはり早期診断や予防に繋がる基礎研究や

技術開発も医療にとって重要で大学生の

アイデアは新しい学びになりましたニコニコ



"ぼけない"未来」をテーマに発表した

学生は体内の"炎症"に注目して微小炎症を

早期発見し早期治療に導く方法を研究。



これまで脳内に異常タンパク質が

蓄積することが認知症の発症に深く

関わっていることは知られていましたが



実は脳に生じた炎症が複数の認知症に

関連することが海外の研究で明らかに。



異常タンパク質の蓄積は原因ではなく

脳の炎症を抑えるためにできたもので

つまり"脳を守るため"と考えられます。



局所の炎症をどうやって検出するかが

課題ですがいずれは認知症だけではなく

幅広い病気に応用していきたいとのこと。



「老いなき世界」を目指したいという

学生は"老化細胞"に注目し病の原因になる

老化細胞の除去方法を研究しているそう。



人の細胞の分裂には限界があることは

1960年代にすでに発見されていますが



老化細胞を除去することが健康寿命の 

延長の鍵になると世界中で様々な研究が

進められていますので実用化に期待ですひらめき電球



そして記憶と強い繋がりがある嗅覚の

異変は認知症の初期症状のひとつですが



「味覚障害のない未来を目指して」を

テーマにした学生は味覚を数値化して



VRによるトレーニングで向上させる

方法を提案しましたが舌の味蕾細胞も



脳とも繋がりがありますのでひとつの

感覚ではなく複数を組み合わせた訓練が

認知機能の向上にも繋がる可能性ありビックリマーク



"医食同源"という言葉もあるように

食事は健康に直結しますし子供の頃から



味覚を育てる"味覚教育"もありますので

人生を豊かにするためにはまず味覚からにひひ



コロナ禍の中で日常生活が制限され

認知機能が低下することが明らかに。



"社会的繋がり""共体験"ができる

VRやスマフォなどのデジタルデバイスを

活用するというアイデアもありましたが



これらの開発はぜひ当事者と一緒に

創造するプロセスも大事にして欲しいと

私からはアドバイスさせてもらいました。



優秀賞に選ばれたのは2組でまずは

「未来を診るhoneYcome(はにかむ)」


「未来を診るhoneYcome」とは

匂いにより病気を診断する技術ですコスモス



多孔質の受容体を用いて抗体を

トラッキングするシステムとのこと。

(詳しい説明はご容赦下さい叫びあせるあせる)



人の尿、涙、匂いによる診断の歴史は

とても長く古代ギリシャの哲学者で

医師のヒポクラテスも実は提唱してますビックリマーク



匂いでがんを見つけるがん探知犬の

マリーンが注目されたのは2006わんわん



パーキンソン病に着目した"はにかむ"

デバイスは簡単に室内に設置できるそう。



様々な病気への応用も可能とのことで

精度を高めることで診断の補助ではなく

決め手になる日も近いかもしれません



ただし治療法が確立されていない病気と

診断された人のメンタルケアも同時に

考えることも大事だと私からアドバイス。



そして優秀賞に選ばれたもう1組は

「肌のマイクロバイオームデザイン」



マイクロバイオームとは消化管や肌にいる

バクテリア、菌、ウイルス、原虫のこと。



これらのマイクロバイオームは私達の 

健康、寿命、体重などを決定づける上で

非常に大きな役割を果たしているそう。



100兆以上の微生物から構成されている

マイクロバイオームにはヒトゲノムの

なんと200倍の遺伝物質が含まれます。



このマイクロバイオームの研究は

メタゲノム解析が開発されてから

この10年で飛躍的に進んでいる分野。



この学生は弟のアトピーがきっかけで

皮膚のマイクロバイオームに注目して



1人ひとりの悩みを解決するための

パーソナルケア確立に取り組んでいます。



どちらも着目した課題や実現性の高さ

そして情熱などが評価され選ばれました音譜



審査員を務めた宇宙飛行士の向井さんも

医師になるきっかけは弟さんだったそう。



身近な人の困り事の解決のために医療や

テクノロジーを活かしたいという情熱は

創造の大きな源になるものだと思います。



進歩し深化する医療が抱える課題は

医師だけの力で解決できるものではなく 



"病のない未来"を創造するためには

様々な分野の専門家がチームとなり

叡智を尽くして取り組む必要があります。



"人と違うことを恐れずに自分らしく"

オートファジーの研究でノーベル賞を

受賞した大隈良典先生からのメッセージ。



審査員からはもっと奇抜な!?アイデアが

あっても良かったという声もありましたが



創造するプロセスや失敗から新しい発見が

生まれることがありますので常識に拘らず

チャレンジし続けて欲しいと思いますにひひ



大隈先生と向井さんの講演を同時に

聴けるという贅沢な体験の感想は別で音譜