義経新伝説☆ | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

義経新伝説☆

劇団☆新感線「偽義経冥界歌」を
赤坂ACTシアターにて観劇しましたひらめき電球


旗揚げ39(サンキュー)周年記念の
この舞台はいのうえ歌舞伎の新作で
中島かずきさんの完全書き下ろしアップ


英雄でありながらも夭折した義経を
哀惜する人々の心情を表す"判官贔屓"


その悲劇性により亡き後も人々を
魅力し続け不死伝説や影武者説など
様々な義経物語が紡がれてきました。


歴史上の登場人物はそのままに
奥州藤原氏の盛衰など史実を交えて


令和の時代に誕生した義経新伝説は
タイトルにもあるようになんと偽物!?
しかも"冥界"から蘇る!?という英雄譚


奥州を治める奥華家の嫡男国衡で
後に偽義経を名乗る生田斗真さんは


正義感が強くピュアで少しお馬鹿で
一点の曇りもない天真爛漫さを備えた
まさに判官贔屓したくなる偽義経を。


謎多き人物とされる義経がこんなに
明るく光に包まれた存在なのは新鮮。


メタルマクベスに続き本公演に久々の
登場となる偽義経の父親秀衡役の
橋本さとしさんに再びロックオンラブラブ


姿形も声も何もかも圧倒的な存在感アップ


妻と息子に裏切られる悲劇の父では
決して終わらない"不屈の漢"秀衡をラブラブ!


冥界から蘇った地獄の軍団を率いて
野望を剥き出しにする橋本さんは
悪の魅力全開で釘付けになりました


偽義経の弟泰衡役は中山優馬くんで
正妻の子でありながら次男という
立場で常に謙虚で兄を慕う良き弟。


嫡男という呪縛はそれ以外の兄弟の
自尊心を必ず傷つけているはずで
従順であればあるほど不憫な存在。


国衡にうっかり斬られて死んでしまう
義経を演じるのは早乙女友貴さんで


こんなに早くに本物が居なくなる!?
思いましたがやはり義経は死んでも
立ち回りはキレキレでしかも性格もショック!


「蒼の乱」に出演した時はなんと
早乙女くんはまだ17歳だったそうあせる


偽義経が光となり本物の義経と
跡を継ぐべき血筋の泰衡が影に。。。


登場する人々はみんな茶目っ気が
たっぷりで粟根まことさん演じる


源頼朝も例外ではなく鬼より怖い
妻北条政子の尻に敷かれるダメ亭主


しかも若い愛人のおかめの方と
イチャつくのはお約束の源氏大将。


普段は早めに死んでしまう役が多い
粟根さんなんとリーダー役は初!?


静御前ならぬ大陸から来た歌うたい
静歌を藤原さくらさんで彼女の歌が
この物語を導く大切な鍵となります。


秀衡の妻で巫女でもあり夫や息子を
陥れる非情さと気丈さを持ち合わせた
黄泉津の方をりょうさんがはまり役。


魂を導く歌を歌う女と国を守る女
いつの時代もやっぱり女性が要に。


とにかく主要人物が次々と冥界に
行ってもなお闘い続ける哀しい男達。


父親から"お前は空っぽだ"と詰られ
生まれて初めて苦悩する偽義経。。。


歴史は勝者によって作られますが
戦に勝ち残った者が勝者でもなく
天下を取った人間が英雄でもない。


"俺は誰でもない"偽物か本物かは
関係なく人の心を動かした者が英雄。


こうあって欲しいという義経像を
人々が勝手に心に想い描き投影する
偽義経はそんな判官贔屓を映す鏡。


全てを吹っ切った偽義経はやっぱり
ただただ真っ直ぐに突き進んでいく。


いのうえ歌舞伎"偽義経冥界歌"は
赤坂ACTシアターにて3月24日まで
上演していますのでぜひ劇場でにひひ音譜