伝説が蘇る
井上ひさしさんの伝説的戯曲
"天保十二年のシェークスピア"
侠客講談"天保水滸伝"を父とし
シェークスピア全作品を母として
誕生した絢爛豪華な祝祭音楽劇。
2005年に蜷川幸雄さんが演出した
バージョンでは佐渡の三世次を
唐沢寿明さんで骨肉の争いをする
姉妹を夏木マリさん高橋恵子さん
きじるしの王次を藤原竜也さん
預言者の老婆を白石加代子さんと
役者が凄すぎましたが今回三世次を
演じる高橋一生さんをお目当てに
先日、日生劇場で観劇してきました![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/139.gif)
![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/139.gif)
取り仕切る鰤の十兵衛が三姉妹の
誰かを跡継ぎに決める場面から
この一族と村の惨劇が始まります。
強欲な長女のお文と次女のお里は
血も涙もない悪女ぶりで父を見捨て
全てを手に入れようと亭主を親分に
骨肉の争いを繰り広げていきますが
なんと亭主までも陥れる非道ぶり。
そんな清滝村に現れたのが醜悪な
見た目で心まで歪んでいる無宿者
"佐渡の三世次"で高橋一生さんが![ひらめき電球](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/089.gif)
![ひらめき電球](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/089.gif)
イメージをぶち壊して胡散臭さを
出したいと高橋さんは言ってましたが
見た目はもちろん三世次の語りは
間違ったことは言っていないけれど
腐臭漂う毒のようにじわっと染入り
いとも簡単に相手を陥れてしまう
力を持つまさに悪魔のささやき。。。
前半は出番は少なくて物足りない
感じでしたが後半は策略を巡らして
清滝村を手中に収めていく三世次。
父の死を知り村に戻ってきた長女の
息子きじるしの王次を名実ともに
ミュージカルの貴公子浦井健治さん。
三世次が操る嘘の幽霊に騙される
真っ直ぐさを持つ王次は謎の老婆の
魔術で跡継ぎ争いでお世辞を言えず
追い出された末娘お光と相思相愛に。
実はお光は捨て子で双子の妹が。
この妹が代官の妻として清滝村に
やって来たからあら大変
勘違いが
![!?](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/177.gif)
さらなる悲劇を招いてしまいます。
醜さや愚かさが満ちた世界の中で
真珠のように小さく光る純粋は
哀しいかな無残にも消されていく。
混沌とする物語に時折ユーモアの
エッセンスを振りかけてくれて
テンポよくストーリーを進める
語り部を務めるのは木場勝己さん。
シェークスピアがいなかったら
この世に生まれなかった物語
"天保十二年のシェークスピア"は
今月29日まで日生劇場にて上演中![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/139.gif)
![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/139.gif)