新作歌舞伎☆
2020観劇シリーズ第2弾も歌舞伎
昼の部は「金閣寺」「存知鈴ヶ森」
十三代市川團十郎白猿を襲名を控え
市川海老蔵の名前では“最後”となる
恒例のお正月公演''初春歌舞伎公演"
勸玄くんとぼたんちゃんと親子出演
そして新作歌舞伎「雪蛍恋乃滝」
"鈴ヶ森"では莟玉くんが前髪の美少年
白井権八役をまさにそのままに演じ
次から次へと襲ってくる盗賊と化した
雲助を巧みな刀捌きでバッサバッサと
斬りまくる場面は歌舞伎ならではの
コントみたいなユーモアを交えて
その様子をジッと見つめているのは
海老蔵さん演じる侠客幡随院長兵衛。
姿を現しただけで空気を凛とさせ
只者ではない貫禄を醸すのはお見事
"蛍火恋乃滝"は秋元康さんが初めて
歌舞伎の作・演出を手掛けた新作
闇に生きる忍びの者とお姫様の
結ばれることのない悲恋の物語。。。
研ぎ澄まされた切れ味と憂いを
身に纏った海老蔵さん演じる稲妻。
視線が絡まった瞬間に恋に落ちる
美しい月姫を演じるのは児太郎さん。
決して華奢ではないのに舞台に立つ
児太郎さんの佇まいはとても儚く。
敵味方に分かれている稲妻と月姫。
月姫の父政虎が手にする最終兵器
"炎の大玉"を製造することができる
図面を奪い取ることが稲妻の使命。
政虎は和平のための切り札と言い
武力で制圧するために炎の大玉を
手に入れようとする敵方の大将清宗。
政虎を右團次さん清宗を獅童さんが。
"主君の間違いを正すのが本当の忠義"
こう語りかける政虎に忍びの者の
忠義は命令に従うことと返す稲妻。
一度、手にしたら放棄することが
難しい核兵器を風刺していることは
炎の大玉で想像がつきましたので
あえてこの最終兵器を現代語に
言い換えなくても良かったかなと
稲妻と月姫がとても耽美的なだけに
獅童さんを目を背けたくなるぐらい
悪く描いた方が戦さの無情さや
人間の醜悪さとのコントラストが
出せた気がして少しだけ物足りなく
政虎と清宗の絡みも欲しかった
とは言え海老蔵さんの立ち回りや
稲妻の幼少期を演じる勸玄くんや
最終兵器の図面の行方など見所満載
初春歌舞伎公演は24日まででしたが
25日に追加公演があるとのこと
新橋演舞場にて上演しています
