理由を探る | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

理由を探る

昨日は介護労働安定センター主催の
シンポジウムのお手伝いでしたニコニコ


「理由を探る認知症ケア」の著者で
介護福祉士のぺ・ホスさんと対談星


"その人を知ることから始まる"


介護保険制度がスタートする前に
取材したグループホームの代表が
私に教えてくれたケアの原点です。


"徘徊などにも理由があるのよ"と
当時からこのホームでは"理由"を
探ることを当たり前にしていました。


介護に携わるみなさんもこの事を
頭では理解していながらも実際には


目の前で起きている問題への対処に
追われてしまっているのが現実。


"問題行動"と呼んでしまっていたのも
介護する側からの見方でしかなく


認知症の症状で困っているのは
"本人"だという視点が欠けていて


本人が何に困っているのか理由が
分からないまま対処しようとしても
根本解決にはならないとぺさん。


"本人目線"で分かり易く理由を
探るケアを解説してくれました。


例えば"入浴を嫌がり抵抗する人"
この表現は介護側の体験ですが


本人視点で紐解くと寝ていた所に
職員が来ていきなり布団をはがされ


取り囲まれて腕を掴まれて何処かに
連れて行かれるということに。。。


入浴を嫌がったのは本人の混乱や
困惑が原因なのが分かりますし


いきなりと感じさせないようにする
誰かを分かってもらうなど本人を
不安にさせない工夫ができるはず。


スタッフ間では出来なかった時の
情報をどうしても共有しがちですが


上手く介助できた場面や穏やかに
過ごせている状況の中にヒントがあり


"分かる""分からない""出来る"
"出来ない"を細かく観察することで
本人への理解を深めることに。


大切なのは読み取る力や想像力クローバー


また手がかりは"あと"ではなく
"まえ"にあるというのも肯けます。


約束の何時間も前しかも早朝!?
待ち合わせ場所に着いていると
電話が来て驚いたことがありました。


この方は以前に約束に遅れてしまった
経験があったためきっと不安があり
早く出てしまったのだと思います💦



理由を探ることが難しい原因に
"価値観の枠組み"があるとぺさん。


何に困っているのかを探らずに
問題に対処するのも枠組みのひとつ。


本人の言葉は当てにならないや
分かれば出来るのにという思考も


能力を否定し意思を無視することに
繋がる価値観の枠組みなのです。


認知症だからと結論づけるのは
理由が分からないと諦める時。。。


また新しい情報や知識に触れた時に
"それは知っている"と自分の経験に


照らし合わせ理解しようとするのも
実は価値観の枠組みなんだという
ぺさんの言葉にハッとさせられた私。


新しい発見や気づきをするためには
自分の枠内で考えないのも大事です。


自分がどんな"枠組み"に基づいて
行動しているかを発見することが
理由を探る認知症ケアの第一歩ひらめき電球


身内の介護をきっかけに初めて
認知症と向き合うことになる家族。


介護者の負担を軽減することに
これまで重きが置かれてきましたが
まずは本人の困り事を解決すること。


私も母の介護で経験しましたが
家族は元気な頃を知っていますので
とても複雑な想いを抱えています。


元に戻らないと分かっていながら
期待してしまったり先の見えない
不安による精神的なダメージがあり


デイサービスを利用して本人と
離れている時間を物理的に作れば
家族介護の負担が減るわけではなく


家族も"1人の個人"であると考えて
関わり本音など話したいことを話せる


相手になれるかどうかも本人家族を
支える介護のプロには求めたいです。


ぺさんの本の中で印象的なのは
"自分のことを知ってもらうことに
もっと時間を使おう"という言葉クローバー


"相手を知るためにはまず自分から"
この備えは誰もが出来ることですニコニコ


もっと知りたいという方は
「理由を探る認知症ケア」を
読んでいただけたらと思います本