懐深く。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

懐深く。。。

六月大歌舞伎は13年ぶりとなる
三谷幸喜さんと松本幸四郎さんが
タッグを組んだ"三谷かぶき"にひひ音譜


18世紀後半に起きた実話を元にした
みなもと太郎さんの"風雲児たち"が
原作の新作歌舞伎「月光露針日本」


回船の船頭大黒屋光太夫ら17人が
乗った船が嵐に遭いロシアに漂着。


どんな困難な状況でも仲間を想い
みんなと一緒に故郷に帰るために


ロシア人とも交流を深め粘り強く 
交渉をしていくタフで優しい光太夫。


光太夫記念館にも幸四郎さんは足を
運んだそうで初演とは思えないほど
光太夫役はとてもはまっていましたアップ


滑稽さやおかしみは悲しみと裏腹で
歌舞伎に通じると三谷幸喜さん。


過酷な漂流生活の中で体調を崩し
17人いた仲間が次々と欠けていく中


"笑うことが生きること"だと気づく
光太夫達に人間の強さを見ました。


凍てつく極寒のロシアが舞台なので
セットも決して派手ではないからこそ
繰り広げられる人間模様に光が当たる。


"カムチャッカ"から"オホーツク"
そして"ヤクーツク"から"イルクーツク"


ツクツク言っているのにどんどん
日本から遠くなっているような。。。


犬橇でシベリアを駆け抜ける場面では
10匹のシベリアンハスキーが登場ひらめき電球


歌舞伎的な滑稽さが溢れながらも
生きて帰るんだと必死の形相の


光太夫達の姿に思わず頑張れと
涙ながらにエールを送っていました。


思ったことは口に出し文句も言うが
心は熱い正蔵を猿之助さんが演じ


正蔵と喧嘩ばかりしながらも最後は
仲間を見捨てない新蔵を愛之助さん。


2人のラストシーンは泣けましたあせる


そしてもうダメだを繰り返しながら
何だかんだ言って元気な九右衛門を
彌十郎さんがユーモアたっぷりに。


白鴎さんは経験豊富な船親父役と
ロシア人ポチョムキンの二役を。


始めはとても頼りない青年でしたが
異国の風土にいち早く馴染み光太夫を
最後まで支える磯吉を染五郎くん。


口上の松也さんも客席を上手く掴み
猿之助さんの女帝エカテリーナは
正蔵とは打って変わって圧巻なお姿。


彼らを照らす"月光"は故郷を想う心クローバー


日本に帰るのを諦めずに強い意志で
闘い続け不可能を可能にした物語は


新しいものを取り入れる歌舞伎の
懐の深さを感じさせてくれましたひらめき電球


六月大歌舞伎は今月25日までニコニコ