家庭医療 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

家庭医療

きのうの在宅医療カレッジ28は
”これからの地域医療のカタチ
医療介護専門職の為の家庭医療入門”


講師は医療福祉生協連家庭医療学
開発センターの藤沼康樹先生でしたひらめき電球


家庭医のパイオニア的存在である
藤沼先生の話は病気だけを診て


治療行為をしている医師や看護師に
聴いてもらいたい内容でしたし


家庭医を目指す医師には絶対に
知っていてもらいたいことばかりひらめき電球


まずは「医師誘発性困難事例」
いくつもの病気を抱えそれぞれに
担当医がいるポリドクター状態や

 
担当医が在宅医療に熱心すぎて
自分がこの患者のことは1番
分かっていると思い込んでいて


コメディカルや介護職が思う通りに
動かないと怒るドクターがいたり


原因が複数ある状況に対応できず
すぐに病院に入院させてしまったり


薬の副作用に気づくことが出来ず
処方薬をどんどん増やす医師や


病院の担当医による通うことが
リハビリだからという謎の論理など
どれもこれも頷ける事例ばかりですが


もし医師や医療サイドに問題があり
在宅医療が適切に行われていないなら


笑って許されることではないので
今すぐ改善して欲しいと思います。


プライマリケアを担おうという
医師はひとつの地域に20年間は
腰を据える必要があると藤沼先生。


それは0歳から20歳になるまで
その人に関わっていくことであり


自分が担当する地域に住んでいる
”かかりつけ患者”全員の健康状態に
責任を持つのが家庭医の役割だから。


病気になってからではなくその前に
地域の中ではどんな医療や予防が


必要とされているのか分析する
能力も家庭医には求められてきます。


0才から90才まで幅広い患者を
診ている藤沼先生が実践するのは


病気の本当の原因を見極める為に
一歩引いて俯瞰で見るということ。


病と家族には密接な関係があるので
例えば乳幼児を診察する時は両親や
祖父母も含めた健康相談をするそう。


子供の発語が遅れている原因が
母親の育児と介護のダブルケア
だったというケースで藤沼先生は


認知症の祖母から罵声を浴びながら
オムツ交換をしていることを知り
祖母を施設に預けることを選択。


結果として発語は戻ったそうです。


見逃してはならない病気を常に
意識することも家庭医の役目です。


また40代の糖尿病の女性の場合
夫は年上でタクシー運転手で
思春期の子供がおり1人が高校中退。


家族には病気のことを知らせずに
同じ高カロリー食を食べていたそう。


女性だけを個別に診るのではなく
藤沼先生は夫に事情を説明して
この家族のライフサイクルを改善。


その他にも思春期の子供とは
”風邪を出会いのきっかけ”にして


本当は病気ではない聴いて欲しい
ことに耳を傾けて何かあった時に
相談できるまさにかかりつけ医に星


超高齢社会において色々な状態が
重なる”多疾患併存”は当たり前に。


個別の症状に薬で対処するなど
足すことではなく引き算も必要で


その人のヒストリーを紐解くことも
薬よりも有効な治療になるとのこと。


治療を拒否する肺炎の患者さんは
実は満州の狙撃兵だった経験があり


辛い症状に耐えられている”強み”に
迫ることでもう少し生きてみようと
促して入院に結びつけた事例も。


様々な困難ケースに対応してきた
藤沼先生は地域の中で医師を超えた
存在になっているのだと感じました。


中には医師の仕事ではないと言う
人もいるとのことですがだからこそ
”チームでないと出来ない”と先生。


家庭医療が機能する為に必要なのは
権限移譲だと藤沼先生は指摘します。


家庭医を簡単に増やすことは
不可能であり看護師や保健師など


ヘルスプロフェッショナルが
活躍できる体制を作っていくこと。


家庭医はよろず相談窓口であり
診察室に持ち込まれない病気以外の
孤独や孤立にも寄り添えるかどうか。


今まで私が考えていた家庭医の
あるべき姿を見せていただきましたクローバー


地域密着のためあまり外に出ない!?
今回お話しを聴かせていただき感謝にひひ