破滅の道 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

破滅の道

まだまだ続く芸術の秋シリーズもみじ

東京芸術劇場で佐々木蔵之介さん
主演の「リチャード三世」を観劇音譜

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”歩いていると犬も吠えかかる”ほど
醜悪と言われていたリチャード三世

 
シェイクスピアのリチャード三世の
ストーリーは解説するまでもなく


王座を手にするために王を殺し
その妻を手に入れ兄や友まで
邪魔な人間を亡き者にしていく物語。


リチャードを演じる蔵之介さんは
時に醜く時に美しく時に妖しく。。。


天井から垂れた幕は三方を囲む
高い壁のようで中央には手術室の
ライトのような巨大な照明が。


ステージ上でサックスが奏でる
やたら耳にこびりつくメロディー。


その音楽に乗ってワイン片手に
乱痴気騒ぎしている白塗りの人々。


王座を巡る血塗られたゲームを
前にしたまるで最期の晩餐のよう。


殺された人間は手術台に乗せられ
ビニール袋に無造作に入れられ
次から次からと処分されていきます。


出演している役者は男性ばかりで
スキンヘッドのままドレスを身につけ
紙の王冠を被るエリザベス王妃。。。


にも関わらず蔵之介さんと絡むと
エロティックに見えるから不思議。


身体の線も露わな皮のパンツだけの
蔵之介さんの肉体の美しいこと。


ついに王座を手にするリチャード。


しかし目の前に置かれた王座は
死を象徴するビニールに包まれ
リチャードは自らその中に入る。。。


人を騙し陥れてきた人間が
必ず落ちる疑心暗鬼の底なし沼。


リチャードも逃れられず。。。

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舞台をこれでもかというぐらいに
広く使っているのに何故か息苦しい。


シェイクスピアというとセリフを
畳み掛けるイメージがありますが


常に死や破滅をイメージさせる
ビジュアルと音楽が交じり合う
不思議な世界観が漂う舞台でしたクローバー


「リチャード三世」は今月30日まで
東京芸術劇場にて上演していますニコニコ