当事者意識 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

当事者意識

”地域包括ケアシステム”とは
医療や介護の充実はもちろん
介護予防から生活支援まで
地域にある資源を活用して


認知症になっても住み慣れた地域で
最期までその人らしい暮らしが
送れるように支援する体制のことひらめき電球


机の上で図を書くのは簡単ですが
組織、職種、制度、意識が壁となり
一筋縄では行かないのが現実。。。

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そこで関東信越厚生局などよる
地域包括マッチング事業に関する
シンポジウムが先日開催されました


元厚生労働事務次官で現在は
東京大学で特任教授を務める
辻哲夫さんが千葉県柏市で進める
柏プロジェクトについて解説メモ

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市役所がマネージメントを行い
地元医師会がかかりつけ医となり
専門職の連携からスタートさせ


さらに市民がサポーターとなり
健康増進のための調査を実施。


この活動では調査を受けた人の
4割が次は支援する側になるという
社会参加のきっかけになったそう。


まさに市民による市民のための
地域包括ケアの形を作っています。


地域包括ケアが上手く行くかは
コーディネートする役割を担う
”市区町村”が鍵を握ると辻さん。


さらに企画調整支援する人も
必要で大学や社会福祉法人などに
その働きを期待しているとのこと。

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そしてシンポジウムの後半では
協働による地域包括ケアについて


自治体、社会福祉法人、企業など
様々な視点でディスカッション。


社会福祉や町づくりの専門家で
日本を含めたアジア事情に精通する
九州大学名誉教授小川全夫さんは


誰かが何とかしてくれるという
考え方や当たり前の発想では
地域の課題は解決できないと指摘。


まずは地域に関わる人全員が
”当事者意識”を持つことが必要だと。

 
地域の課題に気づいている人が
参加できる場所”カフェ”を作り


地域コーディネーターが入りながら
住民が自らやってみたいことを
一つずつ実現していった福岡の
金山の事例を紹介してくれました。


”おひとりさまからおたがいさまへ”


1人では解決できなくても
みんなならできると小川さん星


栃木県茂木町の社会福祉協議会
斉藤和憲さんは東京にある
社会福祉法人善光会による
ボランティア活動について紹介。


都内で介護施設を展開している
善光会では限界集落を対象にした
ボランティア活動を行なっていて


社会福祉協議会が窓口となって
8年前から受け入れをしています。


茂木町が選ばれたのは30%を
超える高い高齢化率が理由でした。


始めは地域の人達は東京から
突然来た若者に何ができるのかと
警戒心を持っていたそうですが


次第に信頼関係が築かれていき
”都会の孫が出来た”と言うほど
今では無くてはならない存在にクローバー


さらにボランティアは住民にも
拡大し住民も成長していったそう。


”栃木と東京””社会福祉法人と社協”
というマッチングの成功例から
学ぶべき点は沢山あると思います。


善光会の宮本隆史さんからは
全国に18000ある社会福祉法人が
ボランティアをすれば900ある
集落で地域活性化ができると指摘。


目の前の仕事で忙しい職員からは 
何でボランティア。。。という声も
あったそうですが継続するうちに


日本全体の現状を知ることができ
自分達の仕事の意義や社会福祉法人の
役割の見直しに繋がったそうです。


そして社会的責任をどう果たすか
CSRが求められている企業からは


私も車椅子の母とよく通った
大型ショッピングモールの
イオンリテールの取り組みが。


”みんなが行きたくなる店づくり”


モノを買うだけの場所ではなく
地域の人の居場所にするべく
各地で工夫をしているそうです。


大阪府茨木市にあるイオンでは
適塩生活をテーマに健康に関する
イベントを毎日開催しています。


また地域により課題は様々で
画一的なやり方ではなくニーズに
合わせたサービスを展開しています。


各店舗の店長はその地域出身で
上からのトップダウンではなく
それぞれの地域から始まったそう。


課題は組織文化が違う自治体との
情報共有だと担当の三木誠さん。


地域ではどんなサービスが
必要とされているのかなどの


情報提供があれば企業の強みを
生かした活動がよりスムーズに
スピーディにできると話します。


また担当が代わったり個々人の
温度差により活動が滞ることも
協働が進まない要因のひとつ。。。


地域包括ケアを構築するための
マッチングでは金銭など目に見える


利益ではない成果を得ていることが
皆さんのお話から分かりましたひらめき電球

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これまで社会福祉は自治体が
担うものと考えられていましたが


地域に住む全ての人が当事者となり
自分達の手で地域活性化つまり


”町づくり”に取り組むことが
地域包括ケア構築に繋がります。


やらない理由を探すのではなく
”協働する為には”どうしたら良いのか
小川さんの言う通り新しい発想をし


協働して”何をするのか”という次の
段階に進んでいく時が来ていますクローバー