お食い締め | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

お食い締め

きのうは埼玉で開催された
愛知学院大学心身科学部
牧野日和先生の講演に参加メモ

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歯学博士で言語聴覚士の日和先生が
「嚥下機能を見極める支援と
ライフバトン」と題して
重いテーマですがユーモアを
交えながら話してくれましたひらめき電球


みとり期にある患者にとって
食べることが苦痛になることも。


私も経験があるから分かりますが
苦しめようと思っているわけではなく


”食べることを諦めることは
生きることを諦めてしまうこと”


諦めずに一口でも食べて欲しいと
家族は心から願っているのです。

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”多少無理しても生きて欲しい”
”苦しまず楽にして欲しい”


この決断は簡単ではなく家族が
右往左往するのは仕方がないことと
日和先生は言ってくれました。


食べられない時が来ることに
家族も向き合う必要があり


みとり期は本人だけでなく
家族を含めた支援が大切とも。

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食思不振の人に寄り添うためには
何故その人が食べないのかを
適切に理解することが重要であり


専門職は手立てがなくなるまで諦めず
それを誇りにするプロ集団であれ。


難しい道のりですが根気強く
原因を探って欲しいと日和先生。

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みとり期の食支援を日和先生は
「お食い締め」と呼んでいますひらめき電球


人生最初の食事が”お食い初め”
人生最期の食事は”お食い締め”


逝く人と見送る人が食を通じて
心のけじめをつけること。。。


本当の目的は食べることではなく
お互いに死に触れ生きることを
学ぶ場が「お食い締め」なのです。


「自分の人生に意味があったのか」


病気により役割を奪われ
耐えがたい孤独や不安の中で
多くの人が抱く問いかけです。


患者が想いを”語る”ことで
次世代に伝えることが出来ると
日和先生は言っていました。


いつか自分達も当事者になる
家族や周囲の人間は語りから学び


その語りこそが生まれ死んでいく
人生の意味の答えだと思います。


この語りは言葉だけでなく
言語障害があった私の母のように
そこに在るだけでもいいと思います。


語れなかった患者の代わりに
物語を伝え続けている日和先生。


みとり期と宣告され病院では 
何ヶ月も口から食べていなかった
男性が自宅に戻り最期は妻の
手料理が食べたいと希望します。


久しぶりに口にした食事は
妻の手作りのみかんゼリー。


みとり期を脱し1年あまり過ごした
男性は最期まで妻に食のリクエストを
そして最期まで夫を支えられた妻。


脳梗塞で口から食べることを
禁じられていた90歳の女性。


ある時”私の命じゃ 食べさせろ”と
先生のシャツを引きちぎります。


誤嚥リスクから食事を拒否していた
家族も本人の気持ちを知り
口からの食事をスタートさせます。


ですがやはり誤嚥を繰り返し本人も
”体力がなくなるからもうええ”と。


実は先生にもらした本音は。。。
”熱が出ると孫が悲しむから”


みんなを悲しませないように
諦めたことを知った家族は女性の
優しさと愛情に触れることに。


日和先生達が黒子となり支えた
数々のお食い締めのエピソード。


本人と家族の思いに違いがあっても
お互いを想い合っていることは
揺るぎない事実だと思います星


人のためは自分のためであり
自分のためが人のためになる。。。


まさに「ライフバトン」ですクローバー


私達ひとりひとりの手の中にも
ライフバトンは握られています。


受け取ったバトンを次の世代に。。。

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普段は6時間ビックリマークかけているお話を
ギュッと短縮して講義してくれた
日和先生ありがとうございましたニコニコ

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