夢のまた夢 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

夢のまた夢

七月大歌舞伎昼の部を観てきましたニコニコ

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五代将軍徳川綱吉の側近柳澤吉保が
浪人から老中にまで出世していく姿を
描いた「柳影澤蛍火〜柳澤騒動」


初演は昭和45年の新歌舞伎で
歌舞伎座での上演は初めてですひらめき電球

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柳澤吉保を演じるのは海老蔵さん星


吉保を名乗る前の弥太郎は
卒塔婆を書いて糊口をしのぎ
くず屋にもスカンピンのやせ浪人と
言われるほど困窮した生活。。。


金にはならなかったけれど
大切にしている本を抱きしめ
”俺のもの”とつぶやく弥太郎。


そのままの真面目で純粋な弥太郎で
いればいいのにと声をかけたい叫び


出世が出来ればが口癖の弥太郎を
このままでいい”心の持ちよう”と
慰める許嫁おさめを尾上右近くん。


”夢のまた夢のまた夢だなぁ〜”
貧しくとも愛する人と手に手を
取って夢見ている時が美しい。。。


と気づかぬのは本人ばかり。


生類憐みの令に背いたとして役人に
父親を殺されてしまう弥太郎は
その容姿を武器に”出世の鬼”と化す。


将軍綱吉の生母桂昌院が好むのは
”賄賂、占い、そして美男子”


出世のためには手段を選ばず
桂昌院の寵愛を得て出世を果たす
弥太郎は綱吉から一字を与えられ
”柳澤吉保”と名を改めるまでに。


ついにはおさめを綱吉に差し出し
さらに上り詰めていきます。


占いで桂昌院に取り入るライバル
護持院隆光を演じるのは猿之助さん。


事あるごとに衝突するこの2人。
実は裏では通じていて全ては猿芝居。


おさめの方そしてもう1人の側室
お伝の方が同時に懐妊しますが
実はおさめのお腹の子の父親は。。。


誰も欲望があるのは当たり前ですが
欲望に塗れ絡めとられて人間の道を
踏み外していくのは吉保だけでなく


農家の娘から将軍の母になり
全てを手に入れた桂昌院も同じ。


桂昌院を演じるのは人間国宝に
認定されることが決まった東蔵さんアップ


お見事としか良いようがない演技星


どう見ても釣り合いが取れない
吉保に必死に迫る姿は”ただの女”
剥き出しの欲望は滑稽で哀しく。。。


そして初々しかった少女から
大人の女へ変貌を遂げるおさめ。  


騙されて側室にされてもなお
最後まで吉保への変わらぬ
想いを貫くおさめを右近くんが


泥沼に健気に咲く花のように
凛と美しく演じていましたクローバー


出世の鬼と化し大切なものを
自ら全て捨ててしまった弥太郎。


唯一手に入れたのは”女の心と女の情”

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七月大歌舞伎は昼も夜の部も
ストーリーが分かりやすくて
歌舞伎初心者にもお勧めですニコニコ

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