仇に思うな。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

仇に思うな。。。

六月大歌舞伎座は今月は3部制。
第1部「碇知盛」を観劇してきましたひらめき電球

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壇ノ浦の合戦で滅亡したはずの
新中納言平知盛が実は生きていた!?


兄頼朝に追われ都落ちした
義経(松也さん)一行は大物浦の
船問屋渡海屋で船出を待っています。


その渡海屋の主人銀平は知盛が
世を忍ぶ仮の姿で平家の恨みを
晴らすべく機会を窺っていたのです。


同じく娘のお安は安徳帝で
妻のお柳は乳母の典侍の局。


典侍の局を演じる猿之助さん
初お目見得は安徳帝だったそうニコニコ


銀平を演じるのは染五郎さん。
長い羽織を翻して登場する
花道の出は男っぷりも良くラブラブ


「刀は人を切るものではなく
粗忽、狼藉を防ぐもの」


義経の行方を探す北条家の
家臣を追い払う姿もお見事アップ


義経一行を送り出した知盛は
白い狩衣に白糸威の鎧に
銀の烏帽子姿で登場します。


白装束なのは平家の亡霊が
襲ってきたと思わせるためドクロ


知盛達の沖での闘いを正装で
見守る安徳帝と典侍の局。


安徳帝は初お目見得となる
市川右近さんの長男タケルくん音譜


平家方の戦況はかなり厳しく
死を覚悟した和歌を詠む安徳帝。


顔立ちも凛々しく長いセリフも
しっかり堂々と演じていました。


決定的となる平家滅亡。。。


安徳帝を抱きかかえ
入水しようとする典侍の局。


義経に止められますが
悲壮な覚悟をしながらも


帝の乳母という風格と威厳を
失わない鬼気迫る演技に
グッと惹き込まれましたひらめき電球


そして何と言っても
大きな見せ場は全身血まみれ
満身創痍の知盛の執念の立ち回り。


「義経の情けを仇に思うな」
幼いながらも賢い安徳帝に
こう言葉をかけられ諭される知盛。


必ず帝を守護するという義経に
安徳帝を任せ知盛は大碇の綱を身体に
巻きつけ海へと身を投げるのでした。


嵐が吹き荒れた後の静寂に響く
天晴れな生き様を見せた知盛の
死を悼み弁慶が吹く法螺貝の音色。


平家滅亡の悲劇の余韻を
ずっしりと感じさせました。。。


そして敵味方ではなく
1人の男の死を惜しむ気持ちが
込められた哀しい響きでした。

photo:02


六月大歌舞伎見応えありますので
どれか1部だけでもお勧めですニコニコ