実践医とは。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

実践医とは。。。

"在宅医療カレッジ10"きのうは
名古屋フォレストクリニックの
河野和彦先生が講師でしたメガネ

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先生が認知症治療で実践している
「コウノメソッド」は患者さんの
“今ある症状”を改善するために
その人にあった薬の量を調整し
サプリメントも併用する対症療法。


「診断が確立しないと治療できない」
現代医学の弱点をついた鋭い指摘です。


認知症にもアルツハイマー型
ピック病、レビー小体型、脳血管型
などがあり正確な診断は大切です。


しかし認知症治療の現場では
診断にばかり囚われているために
目の前の患者さんの 1 人 1 人の症状に
応じた治療が行われていないと先生。


“医学に絶対はない”


このことは医療に携わる人間なら
みんな知っていることだと思います。


認知症の薬は4つありますが
薬なので当たり前のことですが
それぞれ効果や副作用があります。


当然、個人差があるはずですが
副作用が出ていても決められた
量や回数を変えられない現状が。。。


同じ構図を2000年代にがん医療の
ドラッグ・ラグ問題を取材していた
時にも目の当たりにしました。


当時は患者1人1人に合わせて
薬を投与する治療は実験でしかないと
権威のある先生は言い切りました。


しかし遺伝子レベルで抗がん剤が
効くかどうかも予測が可能になり
オーダーメイド治療が行われるように。


100%確実に効果がある薬が無い以上
全ての患者に対して“標準的な効果”を
目指すことが医療の目標とされるのは
仕方がないことなのかもしれません。


ただ医療は常に変化していきます。


常識だと思われていたことが
一年後に180度変わることもある。


そのことを素直に医師が認めて
柔軟に対応してくれればいいのですが
なかなか簡単にはいきませんねショック!


ですがもし自分や自分の家族だったら
先生はどんな治療をするのでしょう。


当たり前のことを当たり前にして
欲しいと願うことは家族としては
当然のことではないでしょうか。。。


私が取材していたがん医療の先生は
1人1人に合った治療をするために
365日休むことなく自分の時間を削り
患者家族に向き合っていました。


オーダーメイドの治療には手間と
お金もかかるということも私達が
知っておかなければならないこと。


そして本人や家族が病気を良く
理解することも求められています。


オーダーメイドの治療を受ける場合は
“おまかせ”は通用しないのです。


認知症の症状が良くならない場合は
多くの医師は薬を増やしますが
河野先生は出来るだけ少量で最適な
効果が出るように調整を行います。


“症状を改善するための方法を
自分で考えることは家族でも出来る“
と河野先生は話していました。


「コウノメソッド」の確立のために
河野先生が積み重ねてきた努力は
並大抵のものではないと思います。


「実践医」という言葉を
先生は繰り返し使っていました。


認知症に向き合う医師達は
介護している家族を守るための
社会医学を実践しているのだと。


"私は異端児です"と河野先生。
100年後も異端児かもしれないと。


根治療法がまだない認知症。
たとえ完治出来なくても
外来に来る患者さんの改善を目指し


“たった1人の奇跡を起こす”ために
可能性を信じて治そうという
努力をこれからもしていくとのこと。


コウノメソッドは魔法ではないのです。


「患者さんが先生であり
患者さんを診ることが財産」

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認知症という病気ではなく
1人1人の人間に向き合うことが
求められるということを
再確認した河野先生のお話でした星



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