半世紀ぶり | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

半世紀ぶり

秀山祭九月大歌舞伎の昼の部ニコニコ
歌舞伎座での上演は1965年以来
なんと半世紀ぶりとなる『競伊勢物語』

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文徳帝の後継争いで揺れる朝廷。


吉右衛門さん演じる紀有常は
自分の娘として育てている
先帝の子井筒姫と在原業平を


敵対する惟喬親王の手から
救うため豆四郎と信夫夫婦の元へ。


有常は訳あって老女小由に
実の娘信夫を託していました。


久しぶりの親子の再会でしたが
無情にも有常が我が子に伝えたのは
井筒姫と業平の身代わりになること。


この場面の前に豆四郎のために
信夫はある罪を犯しており


"罪人のこの身役に立つなら"と
父の申し出を受け入れます。


実は実はが重なるのが時代モノあせる


親子の話を聞いていた豆四郎は
実は業平の家臣の息子で
主君の身代わりに切腹する
覚悟を固め白装束姿で現れます。


別れを惜しみながら琴を奏でる信夫。
何も知らない養母小由との
衝立を隔てたやりとりも切ない。


『鄙びた中に雅さを感じさせる物語。
忠義と義理で我が子を殺そうとする
苦しさや悲しさを悲惨な有り様にせず
どう見せていくのかが眼目だ』


こう話していた吉右衛門さんひらめき電球


我が子に死んでくれと告げ
刀を振り下ろす有常の姿は
鬼以外の何者でもないはずなのに
そう見せないのが流石でしたアップ


身代わりになる豆四郎信夫夫婦と
井筒姫と在原業平の二役を演じた
染五郎さんと菊之助さん。


2人の仲睦まじい様子は微笑ましく
高貴な姿は一枚の絵画のようでしたクローバー


初代吉右衛門の功績を継承する
秀山祭も今年で10年目だそうもみじ


当代の吉右衛門さんは初代が残した
上演されることの少ない作品に
意欲的に取り組んでいますニコニコ


義太夫狂言の名作『双蝶々曲輪日記』
染五郎さんが女形を務める
舞踊劇『紅葉狩』など盛り沢山の
秀山祭九月大歌舞伎は今月26日まで音譜



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