圧倒的な存在 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

圧倒的な存在

三月大歌舞伎は三大名作のひとつ
通し狂言『菅原伝授手習鑑』
仁左衛門さんが道真役を務めますクローバー

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通しで上演されるのは13年ぶりひらめき電球


そして愛之助さん染五郎さん
菊之助さんが三つ子を演じます星
なんて贅沢なんでしょうニコニコアップ

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菅原道真が大宰府に流罪になる
きっかけとなった「加茂堤」は
皇太子斎世親王と道真の養女
苅屋姫が密会する場面。


若い2人に逢瀬の場を設けたのは
三つ子の舎人の1人桜丸夫婦。


桜丸は菊之助さん妻を梅枝さん。
菊之助さんは舞台に登場しただけで
客席から"綺麗ね"と溜息がラブラブ


苅屋姫の壱太郎さんが
あまりにも初々しかったので
梅枝さんがとても落ち着いて見え
安心して観ることが出来ましたアップ


続いての「筆法伝授」は
菅原伝授の名のとおり菅丞相が
筆法の奥義を与えるという場面。


伝授されるのは武部源蔵は
菅丞相の奥方園生の前につかえる
腰元戸浪との情事を咎められ
勘当されていますが筆法の
後継者には認めてもらえます。


ただし「勘当と伝授は別」と
勘当を免じてはもらえず。。。


源蔵を染五郎さん戸波を梅枝さん。
またまた梅枝さん大活躍合格


流罪となる菅丞相の息子菅秀才の
命を守るため源蔵は戸浪と共に
菅秀才を連れて落ち延びていきます。


菅秀才を戸波に背負わせる源蔵。


"菅原伝授"の四文字には単純に
筆法を伝授するという意味だけでなく


たとえ勘当されていても
元主人の若君を命をかけてでも
守り抜くという源蔵夫婦の覚悟が
ひしひしと伝わってきました。


染五郎さんとても良かったですアップ


そして神聖な役とされる菅丞相は
仁左衛門さんのお父様の当り役。


先代と同じように楽屋には
天神様の軸をかけて塩を盛り
舞台に立つ前にも身を清めるそう。


『この役は演技力ではなく
内面から醸し出されるもので
勝負しなければいけない』


太宰府へ向かう途中に立ち寄った
伯母の館で命を狙われる「道明寺」


自分が彫った木像が身代わりとなり
暗殺を免れるなど菅丞相の
神がかり的な姿が描かれています。


無念さや孤独、娘への愛情などが
押し殺した静かな演技に込められ
多くを語らないからこその
圧倒的な存在の大きさを感じました。


昨春に上演予定だったそうですが
右肩を痛めて休養していた
仁左衛門さんの復帰を待っていました。


『セリフに心を映していく
義太夫狂言の演じ方を伝えられれば』
と話していた仁左衛門さん。

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勘三郎さん 團十郎さん
そして三津五郎さんと
名優を次々と失う歌舞伎界を
支える仁左衛門さんの気迫を
十二分に感じる通し狂言でしたクローバー


また夜の部も観に行ってきますニコニコ



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