"再び起きる" | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

"再び起きる"

福島の医療現場の中心的な役割を
担っている福島県立医科大学の
菊地臣一理事長の話を聞いてきました。

photo:01


福島第一原発事故が起きたことで
一瞬にして500床分の病院が消失し
初期の被曝医療や拠点になるはずの
オフサイドセンターが機能停止に。


先生の福島県立医科大学でも
薬、水、食材、燃料が不足する中
なんとか持ちこたえましたが


あと一日支援が遅れていたら
撤退しなければならない。。。
そんなぎりぎりの状況だったそう。


原発事故から避難する途中で
50人の患者が死亡しています。


指揮命令系統が混乱していて
誰が責任を持って決断するのか
政治のリーダーが不在だったことが
残念でならないと菊地先生。


有事に対応できるリーダーの
育成も今後必要だと思います。


育成といえば福島は今も
医師や看護師の不足は深刻で
病院も減少しています。


"支援する側の支援"も同時に
考えて欲しいと言っていました。


低線量の放射能の影響を調べる調査は
本来なら内部被曝と外部被曝
土壌、水、食べ物など全てを
調査する必要がありますが


例えばホールボディカウンターが
施設ごとに違うものが使われていたり
それぞれバラバラに行われていて
連携が全く取られていないそうです。


事故を検証する"人類の財産"として
データを残さなければならないのに
連携不足による精度管理が
大きな課題だと菊地先生。


また受診者や相談者も少なくなり
ロングフォローが出来ない状況もあり
調査継続のために必要性の説明や
人的な支援も必要だと思いました。


子供達への放射能の影響についても
医療関係者と当事者の意識には
隔たりがあり配慮が欠かせません。


医師が数ヶ月から1年ぐらい
様子を見てみましょうと言っても
母親や子供は待てるわけがない。。。


安心と安全をどう確保するのか
この点も何度も強調していました。


photo:02


自殺者の増加、風評被害
県外と県内避難者の分断
汚染水、廃炉作業、瓦礫。。。


問題は何も解決していないのに
すでに平常時の予算措置になり


予算がつかなければ対応できず
また予算があったとしても
実行する行政の人材がいない。。。


来年になったら失われてしまう
命がある危険があるのにと
悔しさを滲ませていました。


現場が求めている支援に
真摯に声に耳を傾ける大切さ。


"再び起きる"という前提のもとに
福島の教訓をどう生かしていくか?
改めて考える機会になりました。





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