不服従の魂。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

不服従の魂。。。

先日、渋谷シアターコクーンで
蜷川幸雄さん演出、唐十郎さん作の
舞台『盲導犬』を観てきました音譜


正直とても難解でしたショック!あせる


出演している宮沢りえさんでさえ
台本を最初に読んだ時は
はてなマークマークが100個くらい浮かんだそう。


だからこそ何も考えずに
ジェットコースターのように
飛躍していく唐さんの言葉の世界に
身を委ねただただ圧倒されてきました星


分からないままにしておくのは
勿体無いので色々調べてみましたアップ


以下長いのでお時間ある時にラブラブ

photo:02


この作品の初演は1973年
唐十郎さんが書き下ろした戯曲を
蜷川さんが演出し初タッグ作品として
話題を呼んだそうです星


初演のメンバーがもの凄い!!
石橋蓮司さん蟹江敬三さん
桃井かおりさんに緑魔子さん。


今回は桃井さん演じた婦人警官役を
元バレーボール選手の大林素子さんが
やっているのも注目ですひらめき電球


40年を経ての再演にあたり
蜷川さんはこう話しています。


「40年前は新宿地下街の
コインロッカーの前を
うろついている怪しい人たちがいて
町は自警団を作って彼らを追い出した。


今はどこも清潔で明るいけど
社会から疎外された人たちは
形を変えて存在している。


だからこそ"不服従"の魂を
今、若い人達にも見せたい」


また70年代に『アングラ出身の
演出家がなぜ商業演劇に』と言われ
演劇界で孤立した蜷川さんに声を
かけてくれたのが唐さんだったそう。


「彼がなかなか作品を作れない今こそ
あの頃の空気を俺が伝えなくては」


去年、体調を崩した唐さんですが
舞台の制作発表に蜷川さんと共に登場。


このお二人が揃った中で
伝説と言われる舞台を観られる
機会はそう多くないはず星


本当に観られて良かったですニコニコ


舞台セットは何の変哲もない
薄汚れた新宿駅のコインロッカーのみ。


「盲導犬とはどんな犬ですか?」
という無邪気な天からの声に


「盲人(セリフまま)の第二の目となって
主人の安全な歩行を助けるそいつは


みずからの意志は持たぬまま
ひたすら主人に服従する
胴輪をはめられた犬だ」と


大きなシェパードを連れた5人の
盲導犬学校の訓練生が答えます。


次第に剣を帯び大きくなる訓練生の声。
私達に"服従しろ"と迫るような
問いかけで舞台は始まりました。


伝説の“不服従"の盲導犬ファキイルを
追い求める盲目の主人公・影破里夫
(エイ ハリオ)を演じるのは
劇団☆新感線の古田新太さん。


「初演で影を演じた石橋蓮司を除けば
今この役ができるのは古田さんだけ。


彼は怖いものなしのアナーキーな役者。
“壊れている”魅力がある」と蜷川さん。


怖いものなしと言われた古田さんビックリマーク


「蓮司さんはどうしたってカッコいい。
だったら自分はカッコ悪く
やればいいだけのことひらめき電球


詩的で美しいと言われるセリフ
そして笑えない場面なのに。。。


"悲しみの中の可笑しさ"を飄々と
演じながら圧倒的な存在感をみせる
古田さんはさすがでしたキラキラ


そしてコインロッカーの中に
過去の恋人の思い出を夫に封印された
謎の女・奥尻銀杏を宮沢りえさん


古田さん演じる影に妙に懐いていく
シンナーを片手に夢現に生きる
フーテン少年を小出恵介くん。


宮沢りえさんは『下谷万年町物語』に
続いて2回目の蜷川&唐舞台。


吐き出されるセリフは淀みなく
出ずっぱりの宮沢りえさん。
途中から雨を頭から
浴びたかのように汗まみれに。


まさに全身全霊の演技でした。
(私もあれだけ汗を流してみたいあせる)


国家や組織に服従する"良い人"が
服従を拒む異端者を排除する
矛盾に満ちた混沌とした社会。


70年代と今を比べても
何ら変わらない人間社会を
不服従のファキイルは何処かで
嘲笑っているに違いありません。


"自分の意思を持て"


舞台『盲導犬』で
不服従の魂に触れて下さい。


渋谷シアターコクーンで
28日まで上演しています。


1時間半ぐらいなので立見でも
充分耐えられる長さですよクローバー


やっぱり舞台は面白い恋の矢



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