想いをひとつに。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

想いをひとつに。。。

ノンフィクション作家石井光太さんの
『遺体 津波、震災の果てに』を
映画化した『遺体 明日への十日間』

photo:01


改めて"伝え残す"ことの重みを
実感させられた映画でした。


津波の映像を一切使わず
「遺体安置所」の中で起きた
10日間のありのままの記録です。


"ノンフィクションは
上辺の信頼ではなく


どれだけ一緒に涙を流したのか
一緒に辛い思いをしたのか
歯を食いしばったか


どれだけそれを一緒に
積み上げられたかしかない"


石井さんはインタビューで
こう話していました。


監督の君塚良一さんも
もし一人でも反対する人がいたら
映画化はしないと思っていたそうです。


私も報道にいた10年の間に
医療事故の被害者、がん患者
代理出産を希望するご夫婦
難病患者やその家族など
沢山の人を取材してきました。


映画と違うのは当事者に
話してもらわなければなりません。


しかも治療中にインタビューしたり
亡くなった家族の話を伺ったり


最も辛い時にカメラやマイクを
向けなければならないのは
決して簡単なことではありません。


一番大切にしていたのは
取材を引き受けてくれた方々と
想いをひとつにすること。


"この理不尽な事実を伝えたい"
"二度と同じ悲劇を繰り返さない"


ドラッグラグの問題で取材した
20代で卵巣がんを患った
あやちゃんとお母さん。


それまで病気について家族の間で
話をすることを避けていたそうですが


取材を受けたことでがんと
正面から向き合うことが出来たと
言っていただけました。


そして。。。


"何のために生まれてきたのかと
思っていた私に役割を与えてくれた"


あやちゃんは私に
こんなメールをくれました。
今もこのメールは宝物です。


オンエアした後に
"取材してもらって良かった"と
言ってもらえた時の安堵感は
今でも忘れられません。


報道にいた時と同じようには
取材することが出来ないのが
今はとても悔しいです。


ただやり方は違っても
「伝え残す」ことは出来るはず。
私なりの方法で続けていきたい
この映画を観てそう思いました。


遺体安置所を取りまとめる
民生委員を演じた西田敏行さん。
演技を超えていました。


遺体が次から次へと運びこまれる
泥だらけの体育館の入口で
1人靴を脱ぎ裸足になっていました。
自然とそうしていたそうです。


大震災から2年以上が経った今
是非、観ていただきたい映画です。


が。。。公式サイトでは上映劇場が
表示されなくなっていますので
劇場公開は終了しているようです。


DVDを見かけましたら
またお知らせしますねクローバー




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