チーム医療 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

チーム医療

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先日、がんの薬物療法に伴う
副作用対策に関する
勉強会に参加してきましたかお


講師の先生は
国立がん研究センター東病院
消化管腫瘍科消化管内科の
吉野孝之先生と
東京女子医科大学皮膚科学教室
川島眞主任教授ですメガネ
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従来の抗がん剤とは違い
標的に働きかけがんだけを
狙い打ちする「分子標的薬」が誕生し
薬物療法は進歩しつつありますアップ


2001年から2006年の間に承認された
抗がん剤の約7割近くが
この「分子標的薬」でした。


ブログでも度々紹介してきた
「ドラッグ・ラグ」ですが
吉野孝之先生によると
大腸がんに関しては日米の差は
無くなったということです。


手術が出来なかったり
再発の大腸がんでは薬物療法をした方が
4倍長く生きられるという
データが示されています。


分子標的薬は従来の抗がん剤より
副作用は少ないものの
100%副作用がない
というわけではありませんショック!

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今、課題となっているのは
分子標的薬による治療に伴う
「皮膚障害」への対応です。


10年前に取材を始めた当初から
大腸がんの患者さんは
手足の皮膚が炎症するなどの
症状が出ていたことを思い出します。


当時はまだ吐き気などの
副作用に対しての対応も
全く行われておらず
手足の皮膚症状には
軟膏を塗るぐらいしか
対処法はありませんでした。


抗がん剤治療を始めてから
一週間ぐらいして
皮膚に異常が出てきますが
薬を止めれば症状は収まります。


以前は異常が現れたら
薬の投与を中止するのが
当たり前でしたが
今は皮膚障害を如何にして抑えるかが
治療を継続する鍵を握ります。


副作用が強く治療が
継続できないという事態を防ぐためにも
早い段階からの副作用に対する
ケアが重要だと吉野先生は指摘します。


皮膚障害が出た人ほど治療の有効性が
高いということが分かっていて
吉野先生は皮膚科の先生や
薬剤師と協力して
皮膚障害に対する治療を
抗がん剤治療開始と同時に
取り入れているそうです。


しかしまだきちんと統一された
対応マニュアルもなく
分子標的薬による皮膚障害に対する
認識が低い医師も多いそうです。


また治療と皮膚障害に関する
患者さんへの情報提供も十分ではないと
皮膚科の川島先生は話していました。


適切な副作用対策は治療をする
医師だけで出来るものではなく
他科の医師、薬剤師、看護師などと
連携したチーム医療が必要です星


国立がんセンター東病院近隣の
保険薬局に勤務する薬剤師さん対象の
研修会を開催するなど吉野先生は
地域医療の連携強化に尽力しています。



クローバークローバー参考クローバークローバー
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日本皮膚科学会が作成した
医師向けの対策マニュアルです。
PDF版がダウンロードできますひらめき電球
☞http://derma.medic.mie-u.ac.jp
三重大学医学部附属病院皮膚科薬剤部