「下谷万年町物語」 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

「下谷万年町物語」

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渋谷のBunkamuraで上演中の
唐十郎さん作、蜷川幸雄さん演出の
「下谷万年町物語」を観てきました音譜


正直言うと一回観ただけで
よく分かった感動した。。。
と簡単に言える舞台ではありませんショック!


ただ強烈な印象と衝撃が残る
舞台であることは間違いありませんアップ


舞台は唐十郎さんが
生まれ育った下谷万年町。
終戦直後、男娼や流れ者が入り交じり
混沌とした場所となっていました。


花魁が纏う襦袢のように
猥雑な朱色の世界
白すぎる白粉で素顔を隠す男娼達。
(1981年の初演の時は
100人の男娼を登場させたそうです)


そんな男娼達が合唱しながら踊る
ラインダンスは目を背けたいのに
釘付けになってしまう
「生き様を見ろ」と迫ってくるような
底辺で生きる人間の
たくましさを感じました。


舞台前方には浅草に実在した
瓢箪池が再現され前半から出演者達が
次から次へと池に飛び込みますあせる


蜷川さんの舞台初出演の
宮沢りえさんがその池の底から
抱きかかえられ登場するシーン。


純白の衣装を身に纏う宮沢りえさんが
突然、鮮やかに浮かび上がり
薄汚れ猥雑な八軒長屋に
咲いた大輪の睡蓮のようでしたブーケ2


宮沢りえさんが演じるのは
死んだ恋人を探し求め
ヒロポン中毒になった男装の踊り子。


戦後出回ったヒロポンは
多くの中毒者を出し
悲しい末路を辿った女性達が
沢山いたと言います。


痛々しくもありそれでもなお美しい
舞台が進むにつれ
どんどん剥き出しになっていく
演技は圧巻でしたキラキラ


そして蜷川舞台に欠かせない
藤原竜也くんも相変わらずの熱演で
池に容赦なく飛び込みずぶ濡れ。


水飛沫と汗を撒き散らしながら
全身全霊で吐き出す
怒涛のようなセリフは淀みなく
身体から湯気が立つようでしたDASH!


また下谷万年町で起きる悲劇喜劇を
目撃する不思議な少年を演じた
AAAの西島隆弘くんの演技も
宮沢りえさんや藤原くんと比べても
遜色なくとても良かったです星


敗戦直後の混沌とした社会に
生きている人間の逞しさと
悲しみと切なさなどが
どろどろに混じり合う
ノスタルジックな舞台でしたクローバー


唐十郎さんと蜷川幸雄さんの
コンビだから出来た奇跡の舞台
「下谷万年町物語」は
Bunkamuraシアターコクーンで
2月12日までやっています音譜