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半世紀

きょうは東京女子医大名誉教授
小柳仁先生のお話を
伺ってきました。

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小柳先生は医師になって50年。
日本で心臓移植医療を実現するため
そして定着させるために
半世紀、闘い続けてきた先生です。


『世界に遅れること40年。
その間に2万人以上の命を
救うことが出来なかった。
私はその墓標をみている』
この言葉から先生が
背負ってきたものの大きさを感じます。



法律家、社会学者、宗教家などから
様々な意見が出され
長きに渡る『脳死』に関する
議論が重ねられた末に
臓器移植法が成立したのは1997年。


法律成立までのことを
先生はこう振り返ります。


「確かな移植スタートのためには
法律の制定は不可避だった。
しかしその議論では
死が迫っている患者さんが
置き去りにされていなかったか。。。
制度設計する時に必要なのは
最終目標を意識することだ。」


最終目標とは医療の場合は
新しい治療法を一日も早く
必要とする患者さんに
届けることではないでしょうか。


これまで私も厚生労働省の検討会を
長年、取材してきましたが
誰のために議論しているのか
方向性が全く見えない
検討会が沢山あり
傍聴席から意見を言いたい!
と思うことが何度もありました。


新しい医療や科学には
クリアすべき問題があり
必ずルールは必要です。


その大前提を踏まえた上で
『患者さんのため』に
様々な社会的、倫理的な問題を
クリアするためには
どうしたら良いのかという
視点を持つことが大切だと思います。


『国家はその国のレベルの
医療しか持てない』
この小柳先生の言葉は
医療に関わる全ての人間に
向けられた言葉です。


先日も書きましたが
改正臓器移植法が施行され
一年が経ちましたが
小児の脳死を系統立てて診断できる
病院はまだ少ないなど
まだまだ課題は残されています。


医療問題だけではなく
待ったなしで危機に直面している人達を
救うためにはどうしたら良いのか
関わる全ての人間が
一つの方向に向かっていくことが
今求められているのではないでしょうか。



クローバークローバー高田塾クローバークローバー

きょう小柳先生が講演されたのは
二ヶ月に一度、日本テレビの
医療解説員の高田和男さんが開く
医療の勉強会です。
毎回、様々な分野の先生が
登場しますのでまたご報告しますニコニコ