
人間回復を目指すリハビリ
毎週日曜あさ6時25分からオンエアのニッポン放送「ひだまりハウス〜うつ病と認知症について語ろう〜」
あすと来週のゲストは"攻めのリハビリ"の実践で知られる、医療法人社団健育会ねりま健育会病院院長でライフサポートねりま管理者の酒向正春先生です。
脳神経外科医でありながらリハビリテーションのスペシャリストの酒向先生は、先日亡くなった長嶋監督のリハビリを影で支えた医師で、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀」でも特集されました。
酒向先生が実践している"攻めのリハビリ"は脳画像診断により患者さん1人1人がどの程度回復するかを科学的に見極めて、チームでアプローチしていく〈人間回復〉を目指すリハビリです。
全ての手術が上手く行くわけではなく後遺症と向き合わなければらならない人もいます。「手術も大事だけれども、術後の人生の方がもっと大事」だと考え、その後の人生に伴走するためにリハビリ医になった酒向先生。
とにかく大切なのはベッドから離れること。3時間のリハビリ治療、朝ご飯から夕食まで12時間の徹底離床、そして再発予防のための看護師やケアワーカーなどによる24時間の全身管理です。
脳卒中の患者さん含めて約30万人の患者さんの脳の画像と身体の状態を見てきた酒向先生。その患者さんの1年後、5年後、10年後も予測できるとのこと。
酒向先生は「筋肉革命95〜何歳からでも実現できる95歳で当たり前に歩いて楽しむ人生を」(日刊現代)で、人生100年時代を幸福で充実したものにするためには
そもそもリハビリをする必要のない身体を作り維持することが大事だという想いから「SAKOH METHODS」を公開しています。
「SAKOH METHODS」でポイントになるのは〈脳筋連関〉。太腿やお尻などの大きな筋肉を鍛え骨や脳を健康的に保ちます。またトレーニングだけではなくメンタルケアも重要で
楽しむこと、気持ちいいこと、会いたい人がいる生活を大切にすることも提唱しています。ご自身も103歳まで生きて楽しむつもりとのこと。
ニッポン放送「ひだまりハウス」肉体だけでなく立ち振る舞いもスマートな酒向先生のインタビューぜひお聴き下さい。聴き逃したらradikoでもお聴きいただけます☞
https://www.1242.com/hidamari/
大切なのはまなざしを変えること…
NPO法人トラベルヘルパー協会主催・東京都ヤングケアラー相談支援事業フォーラム第2回「ヤングケアラーと家族支援~つなぐ、ささえる、共に考える~」無事に終了しました。
去年に続き杏林大学教授で子ども食堂、小学校での朝食提供、女子のシェルター、そして大人が憩う場所作りなど幅広い活動をしている加藤雅江さんにお話いただきました。
大学病院の救急で医療ソーシャルワーカーをしていた加藤さんは、オーバードーズや摂食障害など名前がつかないと支援が始まらないことにもどかしさを感じていました。
同じようにヤングケアラーもラベルを貼るのではなく、またヤングケアラーだから支援するのではなく、線引きをしないことが大事だと加藤さん。
そして我が家もそうでしたが、子供の「困り事」は解決されない大人の「困り事」が元になっていますので、親や家庭が抱えている問題を出来れば子供のうちに解決する必要があります。
「相談しても何も変わらない」「大人が信用できない」「知られたくない」「同情されたくない」など、子供がSOSを出せない背景には色々な感情や理由が絡み合っています。
誰かに相談するのは勇気が必要ですし、相手を信頼し受け止めて欲しいと期待をします。だからこそ期待が裏切られることはとても怖いことです。
「子供の心のドアは内側からしか開かない」と加藤さん。この大人なら話を聴いてくれると思ってもらえるかどうか。大人の物差しで困り事を決め付けずに、子供が自分で答えを選べるように寄り添う支援が求められています。
もうひとりのゲストは外国ルーツの母親や認知症の相母などのケアを担ってきた元ヤングケアラーで、現在は世田谷区ヤングケアラーコーディネーターを務める星野桃代さんです。
世田谷区ではヤングケアラーコーディネーターではなく「子ども若者スマイルサポーター」という名称を使っています。理由は加藤さんと同じでヤングケアラーであることを押し付けないためであり
また親が「自分のせいで…」と後ろめたく感じたり自責の念から支援に繋がることを躊躇うことを防ぐためでもあります。星野さん達が把握しているケースは約100人。
そのうち8割が関係者や地域の人からの情報提供だったそうです。やはり子供自身が助けを求めることは簡単ではないことが分かります。
支援の際のポイントは本人がどう受け止めているかという主観と、実際に担っているケアの負担や責任の大きさを客観的に見てアセスメントすること。
物理的にケアする時間が少なくても、例えば「死にたい」など精神疾患を持つ親の重い言葉を受け止めていたり、何か起きたらと常に気にしていて緊張状態が続いている場合もあります。
またケアが日常化していて本人は辛いと感じていなくとも、客観的に見たら負担やリスクが明らかに大きい場合も。問題はケアそのものではなく負担が偏り子供が自分らしく生きられていないこと。
私もそうでしたが長女の自分がやるしか選択肢もありませんでしたし、弟妹のために自分が諦めたらダメだという思いで毎日を必死に生きていました。
そんな本人が感じているやり甲斐、自己肯定感、自尊心を守りながら、可能性や機会を失わないように〈子供の権利〉を保障する視点でケアの負担を減らすようにしていると星野さん。
若年性認知症の母親を父親と介護している大学生のケースでは、本人が地域包括支援センターに相談に来た時に、包括の職員が心配してLINE相談窓口を伝えたことで
コーディネーターに繋がることが出来ました。また気にかけていた職員が要介護認定の書類の作成をサポートしたことで、心理的な負担も軽減できたそうです。
このケースで本人を悩ませているのは我が家と同じで酒量が増えた父親のこと。介護に関する手続きも息子さんがしていましたが、私も母の障害年金の申請など18歳の時に全てやりました。
大きく違っているのはヤングケアラーの存在に地域包括の職員が気づいてくれたこと。36年前は残念ながら市役所の人は「貴方は何か困ってないか」とは誰も声をかけてくれませんでした…。
地域包括職員とヤングケアラーコーディネーターが一緒に家庭訪問し、ケアの負担を減らす支援としてはお弁当配食サービス、また父の不安の軽減や介護サービスを受けることを拒否する母親への対応を地域包括が担い
コーディネーターは経済的な問題や家族のケアと自分の希望のバランスで悩むヤングケアラー本人の進路やキャリア選択の相談に乗るという連携をしています。
もうひとつのケースは子育てに関心が薄い母親の代わりに保育園の送迎、寝かしつけなど幼い弟の世話や家事をする20歳の若者。
実は施設に引き取るという話があったそうですが、母親の代わりに愛情を注ぎたいという本人の希望があり弟と一緒に暮らすことを選択。
ただ子育てがこんなに大変だとは…という現実にも直面。今はコーディネーターによる行政手続きや進学に向けたサポートを受けていて自分の将来のことも考えられるように。
いずれも親に頼れないと判断されてしまうケースに見えますが、大切なのは「まなざし」を変えることだと星野さん。妻が認知症と診断された夫の悲しみや絶望
また2つ目のケースのお母さんは真面目な性格で自分で解決しようとしていて難しい状況が続いてしまっていました。親の孤独や孤立に気づくことで必要な支援は変わってきます。
私も資格を持っているトラベルヘルパー協会は、現在世田谷区や調布市のヤングケアラーコーディネーターと連携し、ヤングケアラーの生活支援をスタートしています。
トラベルヘルパー協会だけでは支援に限界がありますが、ヘルパーによる支援のニーズがあることは間違いありません。きちんと制度化してヤングケアラーに支援が届くようにしたいと思っています。
介護現場では事例共有が進んでいますがヤングケアラーの支援はまだ始まったばかり。ひとりひとりが抱えている悩みも家庭環境も様々ですので、ケアや支援の答えもひとつではありません。
3月は卒業の季節。母が倒れ突然弟と妹の母親代わりをすることになった18歳の私は、妹の小学校の卒業式で号泣してしまいました。本当に不安でいっぱいでした。
ヤングケアラーや親を必要なタイミングで適切な支援に繋げるためには、関わる大人や専門職が繋がる必要があります。
〈ヤングケアラーコーディネーター〉もまだ浸透していませんので知ってもらうために、そして繋がる場をこれからも作っていきたいと思います

















