9月28日 (木) 15:00 雨ときどき曇り
外題『安宅の関』 山田氏 作
人物「和泉坊 実は 源義経」「富樫左衛門泰家」
諸説
壇ノ浦合戦後、兄 源頼朝から追われる身となった源義経は
東大寺再建のため山伏「和泉坊」という名に変装し身を潜めながら奥州を目指す。その際、今の石川県小松市にある安宅関を通り抜けようとしたが関守の富樫左衛門泰家に見とがめられてしまう。
しかし、武蔵坊弁慶が機転を効かせ白紙の勧進帳を読み上げ危うく通り抜ける。ところが強力姿の和泉坊が富樫の目にとまり、
「源義経に似ているのでは」と呼び止められてしまう。武蔵坊
弁慶はその疑いを晴らすために、金剛杖を持って、「強力のくせに義経に似ているとは何事か」と打ち据えたのである。
この時富樫は、この一行が源義経の一行である事を確信するが、
弁慶の主を思う心に打たれ、関の通過を許したのであった。
外題『初音の鼓』 山田氏 作
人物「佐藤忠信 実は 源九郎狐」「静御前」
諸説
兄 源頼朝に謀反を疑われ吉野山から川連法眼館へ逃亡する
源義経一行。同行を懇願する静御前を引止め、帝より下賜されし
「初音の鼓」を与え義経は旅立つ。静御前は、義経を慕うあまり
館へ向かうも道中襲われ、鼓を打つと義経家臣佐藤忠信が現れ
護衛する不思議な体験をする。
川連法眼館へ到着し夫婦の再会を果たすも、そこに居るはずのない忠信がすでに到着していた。旅路話も違い不信に感じた義経は
静御前に短刀を渡し、再び鼓を打ち怪者で有れば討ち取るよう命じた。
鼓を打つとやはり忠信が姿を現す。己はかつて雨乞い儀式の折
生き皮を鼓にされた狐の子だという。狐忠信は、家臣に化ければ
親の「初音の鼓」の傍に添い遂げられると思ったと話した。
義経は、親想う心と愛妻護衛の褒美に自らの名「源九郎」と
「初音の鼓」を与えた。源九郎狐は、大喜びで初音の鼓と戯れ
共に古巣へ帰っていくのであった。