【映画鑑賞】「武士の献立」(2013年日本松竹) | しろくま・まちゃるWORLD!

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【作品情報】

監  督 朝原雄三

出  演 上戸彩、高良健吾、柄本佑、成海璃子、ふせえり、宮川一朗太、笹野高史、緒方直人、鹿賀丈史、夏川結衣、余貴美子、西田敏行、他

上映時間 123分

ジャンル 人間ドラマ>時代劇>時代風俗>実話ベース>江戸時代

 

【あらすじ】

江戸時代、将軍家や大名家には台所御用を務める武士の料理人たちがいた…主君の為、刀を包丁に持ちかえて日々の食事を賄う侍たちを人々は揶揄と親しみを込めて「包丁侍」と呼んだ…。

 

 

加賀藩江戸屋敷に奥詰女中として奉公する春(上戸彩)は、幼い頃から優れた味覚と料理の才能があり、藩主側室のお貞の方(夏川結衣)に気に入られ、娘のように大層可愛がられ大切に育てられる。

15年の時が経ち…

春は一度は嫁に出たが、生来の気の強さから1年で離縁され…再びお貞の方の元で奉公していた。

 

ある日、江戸屋敷において6代藩主・前田吉徳を迎え、先代藩主を偲ぶ能の宴と饗応が催される。

 

饗応料理は、加賀藩内では随一の台所方と評判される舟木伝内(西田敏行)が腕を振るい、藩主をはじめ一同は感嘆しながら料理に舌鼓を打つ。

 

宴の最中、吉徳の右腕として藩の財政改革に腕を振るっている大槻伝蔵(緒方直人)が座の余興と称して、伝内が考案したという不可思議な具材「鶴もどき」の入った椀物を供する。

 

味や食感、見映えが「鶴」を思わせるその不可思議な具材「鶴もどき」を吉徳がひどく喜び、居並ぶ一同に「見事、もどきの正体を当てたものには褒美を使わす」と食材・調理法当てをさせる。

 

一同が思いつく限りの答えをそれぞれ口にするが、誰一人言い当てる事が出来ない。

 

お貞の方は、食通である春を促して回答させる。

春は藩主に対して迷いもなく「鶴もどき」の材料や調理法をズバリと言い当てる。

そんな春の舌の確かさ、食材や調味料に関しての精通ぶりをつぶさに見てとった伝内は、春の才能を高く評価し、国元で台所方を務める息子の嫁に味が解り料理の上手い者が欲しいとお貞の方に願い出る。

 

だが、お貞の方からこの縁談話を聞いた春は「自分が出戻りである事や相手が自分より年下である事、お貞の方のお側にずっと居たい」という理由であっさり断ってしまう。

 

諦めきれない伝内は、再度江戸屋敷に出向き、土間に額を擦り付けるほどの土下座をしてまで詰め寄り、春に嫁入りを承知させる。

 

春は越前へ赴き…伝内の次男、舟木安信(高良健吾)と祝言を挙げる。

安信は、台所役という主家代々のお役目を軽んじ、武士は武道に生きるものと剣の道に日々明け暮れ、包丁侍としての技術に関しては努力を怠っていた為、上役の景山(宮川一朗太)に毎日毎回のように叱られ、更にやる気の無い…お役目も適当にこなす毎日を送っていた。

 

ある日、親戚一同を集めての恒例の試食会の席において、いつもの如く安信の料理の未熟さが失笑を買う中、春は見かねて重信の作った出来の悪い吸い物を独断で作り直して周囲には内緒で安信作として提供し、「殿様に出せる料理」という最高の評価を得る。

 

今まで褒められた事のない親戚一同に最高評価で褒められた安信がいぶかしがりつつ吸い物に口をつけると、明らかに自分で作ったものとは味が違っており…全てを悟る。

 

そして安信は会の終了後、台所で後片付けをする春を責める。

 

「勝手な事をするな!嫁ごときが出しゃばるな!」の言葉には納得して耐えた春だったが、安信が自分の台所方のお役目を蔑んだ発言をしたところで、激しく反論し…安信に料理の腕比べを申し入れる。

 

安信が勝てば、春とは離縁。

春が勝てば、春の料理指南を安信が甘んじて受ける。

安信は自信満々でこの勝負を受けるのだが…

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本作で描くのは、前作「武士の家計簿」同様、裏方的な存在の武士とその家族で、もちろん基本実話ベース。

でも前作に比べると、心に響く部分が少なくて…少し凡庸な作品に感じたなぁ。

感動作品になりそうな話ではあるけど、何か物足りない。

何が足りないんやろう?

そこがよく解らない。

 

グルメ部分も意外と細かい表現はされていない。

武士の生活部分にしても、そう。

その辺が中途半端に感じるせいやろうかね?

しかしながら、いつの時代も裏方的な職務は軽んじられますな。

こういう考え方は江戸に打いうだけでは無くて…現代においても普通にまかり通ってましたな^^;

 

有名な事例では…

旧日本軍では、それが顕著で…戦闘部隊ばかりを考えて、後方任務・補給を軽んじていた為に、前線まで物資が届かないまま戦線を拡大し、最前線の兵士を武器・弾薬や食料が無いまま長期間戦わせてしまうという失態を犯して負けましたがな。

 

こういう考え方は実は未だに根強くて…

しろくま・まちゃるのサラリーマン時代は、男性の総合職にとって、営業職は花形、事務職は裏方…地味な仕事はしたくない、出世するなら花形の部署で活躍する事みたいに思う人はおそらく今でも数多く居てるはず。

仕事は仕事。

存在する限りはどれも大事。

裏方がいるから花形も活躍できるところがある。

お互いが持ちつ持たれつ…どっちが大事とかどっちが上とかばかり考えているようじゃ、仕事にならない^^;