【映画鑑賞】「ヒンデンブルグ」(1975年アメリカ) | しろくま・まちゃるWORLD!

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(鑑賞した当時の古い感想文を、現在のしろくま・まちゃるの映画鑑賞記に合わせた書式に変換して掲載しています)
【作品情報】
監   督 ロバート・ワイズ
出   演 ジョージ・C・スコット、アン・バンクロフト、ウイリアム・アザートン、ロイ・シネス、ギグ・ヤング、バージェス・メレディス、チャールズ・ダーニング、リチャード・ダイサート、ルネ・オーベルジョノワ、ジョアンナ・ムーア、他
上映時間 125分
ジャンル  サスペンス>パニック>実話ベース>仮説
原   題 「The HINDENBURG
 
【あらすじ】
1937年5月6日アメリカのニュージャージー州レイクハースト海軍飛行場において爆発炎上の上、墜落した「LZ129 ヒンデンブルグ旅客飛行船」の実際の事故をヒントに、大胆な仮説の元、再現してみせた映画。
ドイツ空軍のリッター少佐(ジョージ・C・スコット)は、参戦していたスペイン内戦から急遽帰国を命ぜられた。
ベルリン・飛行場に降り立ったリッターには、即時空軍司令部への出頭命令が下され、司令部へと急行する。
司令部では、現在発効している命令をすべてキャンセルして…新たに総統からの直命として、これからニューヨークへの定期フライトを控えたヒンデンブルグ飛行船の特別保安官に任命される。
 
ナチス・ドイツの技術力の結晶と言われた超大型飛行船ヒンデンブルグ号には、その権威を失墜させる為の爆破予告が以前から何度もなされており、ヒトラー総統とナチス政権の威信を守る為には実際に爆破活動があるとすれば早期発見し、事故を未然に防がねばならない。
 
飛行船の警備は元々厳重ではあるが、更にドイツ空軍の有名な士官が保安要員として同乗するとなると、その警備は更に厳重となり得るし…ドイツは飛行船の警備に本腰を入れていると外部への発信にもなる。
ドイツ空軍の英雄たるリッター少佐にその白羽の矢が立ったのである。
 
責任感の強いリッター少佐は、早速飛行船の警備に向けての計画を新たに見直しつつ、爆破行動があるとするならば、それは絶対に阻止するという気概を持ってフライト当日を迎える。
この日のフライトには、リッター少佐とは旧知の中で、ナチス政権に批判的で財産や特権などを政権に少しずつ奪われて行く事でとうとう行き場が無くなりアメリカへの亡命も噂されるプロシア貴族の名家のウルスラ伯爵夫人(アン・バンクロフト)や空軍とは別行動で独自に爆破活動に対する警戒と捜査をしている国家秘密警察(ゲシュタポ)のフォーゲル(ロイ・シネス)も乗り込んでいた。
 
やがてリッターの捜査線上に、乗組員の中に反ナチス思想を持ったベルト(ウィリアム・アザートン)がいる事が浮かんでくるが、リッターは彼を監視しつつも敢えて泳がせる事で、彼に不審なところがあるかどうかを見極めようとする。
 
これから乗り込むという時には、監視が厳しすぎて爆発物を持ち込む事は出来ない。
既に爆発物は船内に持ち込まれている…それがどこにあり、いつ発動するのか、リッターは慎重に監視を続けるが…
 
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ここ最近は、過去の名作・佳作などをどんどん高画質変換してブルーレイ化や更なる高音質・高画質化を施して「HDブルーレイ」発売をしてるんやけど、サスペンス・パニック映画として是非この作品も高画質化の上商品化して欲しい作品のひとつ。(ブルーレイとしては発売済み)
 
1975年当時。
VFX技術は今まで観れなかったような映像を観客の前で披露する為の最新技術であった。
70年代80年代のSF映画やパニック映画などに携わる映画監督には、このVFX技術とセット撮影(アニメ表現やミニチュアも含む)の双方を見事に融合させる力が求められていた。
 
結果として、この映画は名匠・ロバート・ワイズ監督が後年受ける事になる映画「スター・トレック」(宇宙大作戦の記念すべき映画版第1作)に繋がるスケール感のある迫力ある撮影表現が可能である監督としての評価をもたらす事になる。
映像も魅力満点。
出演俳優も個性的で魅力的。
アカデミー賞(受賞拒否)名優ジョージ・C・スコットの厳格で生真面目な職人気質が表情に出てる顔つきもよい^^
 
ストーリーも仮説を元にして大胆な推理を発揮し、サスペンスとしてもパニックものとしても、推理ものとしても面白い仕上がり。
 
悲劇的な結末は、歴史的事実なので変えようがないので…
その過程となる部分を、世の中で噂されている一つの仮説に基づいてまさに映画的に表現した今作。
 
面白い作品と言わずして何とするか?!
「死ぬまでには1度は観たい作品」「これを観ずして死ねるか?!な作品」のひとつに数えられるだけありますぜ^^
 
作品中にスパイが世界各国の紙幣を持ちものに忍ばせているシーンが出てきますけど…

上記写真の拡大図は下のものやけど、明らかに「伊藤博文の千円札」が観てとれる。

日本で千円札が発行されたのは、戦後、1945年。
最初のものは1950年の「聖徳太子の千円札」が最初。
伊藤博文の千円札は、1963年からの流通。
 
この映画の設定は、1937年当時。
そこはきちんとして欲しかったなぁ^^;
 
1930年代の時点で出してくる日本の紙幣なら、1円札やら10円札。
高額紙幣ならば、大黒さんか藤原鎌足が肖像画な100圓札でしょ。
聖徳太子の百圓札でもアリやな。
 
もう一つ。
スター・トレック・ファンとしては、ディープ・スペース・ナインのオドー役、ルネ・オーベルジョノワが出演している映画としても記憶したいところね^^
 
そういえばルネが演じたオドーは、この映画のリッター少佐を彷彿とさせる正義感と使命感を持つ宇宙ステーション警備責任者役でしたな。
 
リッター少佐も、ドイツ空軍やナチス政権の方針に関係なく、自分のプライドと責任感にかけて、爆破を阻止するという使命感に燃えておりましたな。