【作品情報】
監 督 テッド・コッチェフ
出 演 ジーン・ハックマン、フレッド・ウォード、ランドール・"テックス"・コッブ、レブ・ブラウン、ハロルド・シルヴェスター、ティム・トマーソン、パトリック・スウェイジ、他
上映時間 105分
ジャンル 人間ドラマ>戦争
原 題 「UNCOMMON VALOR」
【あらすじ】
ヴェトナム戦争において、アメリカ軍のMIA(Missing In Action=戦闘中行方不明)は、戦争終結当時、認定されているだけで2500名いたと言われているが、そのほとんどが生死不明のまま、遠くヴェトナムの地に見殺しとなっていた。
アメリカ政府・軍上層部は、MIAの内、存在は公とはなっていないヴェトナムやラオスの収容所に収容されている兵士たちの返還交渉を水面下でしていたものの、解放の条件には賠償金もあり、また政治的な交渉のカードとして使用されることもあり…半ば見て見ぬふりを決め込んでいた。
ローズ大佐(ジーン・ハックマン)は、自らもヴェトナムの最前線で活躍し負傷、その際に部下や息子がMIAとなっていた。
ヴェトナム戦争終結後、公には政府が認めていないMIAの存在を確認とその解放の為に軍を退役し、自らの財産を消耗しながら、情報収集の活動を積極的に行っており、関係者からは「目の上のたん瘤」の存在となっていた。
ヴェトナム戦争終結から10年、いよいよ見て見ぬふりを決め込む政府や軍上層部に我慢ならなくなったローズは、自らが指揮する部隊で息子を含めたMIAを救出に行こうと、同じく息子がMIAとなっているマクレガー石油の会長に出資してもらい、現地への強襲救出計画を練り、目の前で仲間を救えなかった元部下たちをスカウトに回る。
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この映画が作られた80年代前半。70年代末頃からMIAの事があちこちで取り上げられ…映画でもそれを題材とした映画が多数作られることになる。
有名どころで言えば、「ランボー2」や「地獄のヒーロー」があるけど、この「地獄の7人」は、いつものごとく邦題のつけ方が悪い為か、日本での一般認知度はさほど高くない。
しかし戦争映画ファンからは支持されているMIA関連映画では、人気のものである。
仲間を眼の前で救えなかった帰還兵。そんな彼らが10年の時を経て仲間を救出する為に、報酬もなく遠い彼の国まで危険を冒して戦闘覚悟、死を覚悟で向かうのである。
父親と息子の絆、仲間同士の絆…仲間の成長と結束の強化…仲間の殉死。
政府筋やCIAの妨害、それに屈せず救出作戦を強行…
ウケ無い訳がない要素を映画全編で満載にしてる。
状況は違えども、北朝鮮拉致被害の家族が見たら…
自分たちもこういう事が自らの意思で出来たらなと思うに違いない。
外交の駆け引きもいいけれど、早い解決を家族は望むもの。
しかし…いかんせん、この映画の主人公は兵士であり、屈強な仲間や裏のコネクション、大きな資金供給源まである。
一介の国民ではこういう事は出来ないのは当たり前やけど…
出来るからと言って…自らの正義だけを振りかざして、こういう強硬手段をとるのもアカンけどね。
アメリカだからこそ言える、出来る事であって…他国の国民では、夢のまた夢。
逆に強襲攻撃された側の立場で考えると…全くアメリカは何という自分勝手な国やろう…そうとしか思えないもんね。
大国のエゴそのものやな。
娯楽作品として…
正義が主人公側にあるとして…
その前提で観ると、楽しめるし…よく出来た作品やと思うね^^