【作品情報】
監 督 ルイス・ロッサ
出 演 トム・ベレンジャー、ビリー・ゼイン、
上映時間 99分
原 題 「SNIPER」
【あらすじ】
かつてオリッピックにも出場した事のあるの射撃の名手で、元特殊攻撃隊の狙撃手・ミラー(ビリー・ゼイン)は、パナマにおける反米政権樹立阻止の為に、政権樹立のある可能性のある将軍と彼に協力する麻薬王の暗殺作戦をCIAから命じられる。
作戦遂行の可能性を高める狙撃手として、海兵隊のトーマス・ベケット上級特務曹長(トム・ベレンジャー)が最高の狙撃手であると言う理由から既に選任されており、ミラーはベケットの狙撃助手として現地へ向かう事となる。
ミラーがパナマ基地へ移動途中、ヘリが反乱軍の狙撃手に撃たれて…死傷者を出す中、ミラーは狙撃銃を取り出して、不安定なヘリの中から敵狙撃兵に狙いを定める。
狙いは常に正確で、敵の背中を常に的の中心として捉えており…いつでも敵を仕留められたにも関わらず、彼は撃てず…結局、敵狙撃兵はヘリの銃手と相撃ちになって死亡する。
しかしヘリのパイロットは、ミラーが狙撃銃で敵を仕留めたと思い込み、彼もそれを否定しなかった。
ミラーは、確かに凄腕ではあったが、実戦経験は全く無く、人を撃った事すらなかったのである。
ベケットは狙撃に関しては、超一流の凄腕ではあるが、相棒は必ず戦死するという縁起の悪いジンクスを持っていて…パナマの米軍基地内の海兵隊員は、「奴は死んだ相棒の認識票をコレクションしている」とミラーに告げ、「(どうせ死ぬのだから)現金はジャングルへは持参するな。反乱軍の軍資金となっては困るからな」と言い放つ。
様々な思惑を抱えつつ、ミラーとベケットの過酷な任務が始まった。
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狙撃兵・狙撃手を意味する英語は、「SHOOTER」や「SNIPER」が一般的であるが…この映画の邦題は、どこか叙情的な「山猫は眠らない」を付けている。
全く関連性が見当たらず、どこがどうなって…と文句をつけるより…
言葉の意味するニュアンスや言葉が醸し出す雰囲気を味わってみたら…
しろくま・まちゃる的には、意外とお似合いの邦題やと思えるんよね。
こういうセンスのいい邦題が、映画を賑わせて欲しいわw
とにかく、この映画製作の92年当時の映像技術は、それ以降の革新的な変化へ向けて助走状態だった。
80年代初頭から「VFX」といわれた特撮技術が発達し、多くのSF映画を造り出す。
一般の映画にももちろん少なからずVFXは使用され、それ以降の映画には欠かせない存在となり、コンピューターの発達と共にCGへと変化していく。
この映画の特殊技術は、VFX末期で、初期のCGと言っても過言ではない技術が取り入れられ、当時としては革新的な映像効果を見せてくれる事になる。
それは「弾道」を見せる事だった。
通常、ライフルや拳銃から発射された弾丸は、高速回転をしながら、高速で突進していく。
もちろん人間の眼には見えないところ。
それをスローモーション的に映し出す事で、ハンターが獲物を捉え、体に弾を貫通させるところまで、じっくりと見せる事が出来るのだ。
スローモーに見える弾は、空気を切り裂いて飛んでいくけれど…
この映画では、空気の歪みまで映し出すようにしているので、弾が何かの膜に包まれたような…柔らかな透明の空気の歪みが見える。
この映画の大きな特殊効果はそれだけやけど…
見るものに新鮮なイメージを与え、予告編を観ただけで…観に行ってみよう、そう思わせたはず。
そういえば…敵を狙撃する時に、英語の台詞では「Happy Hunting!(成功を祈る)」と表現されているね。
人間を狩る…なんて、英語の表現に驚かされるけれど…
そういえば、80年代頃までは、男が初対面の女性に声をかけデートに誘うのを「ガール・ハント」と言うてる時期があったのを思い出した^^;
直訳したら「少女狩り」^^;
漫画でも…「巨乳ハンター」ってのもあったなw
懐かしく色々と思い出しましたなw