中小企業は行うが、たいてい大企業は行わない処理。相殺処理はそんな処理だと思います。
相殺処理は債務金額と債権金額を帳消しにする処理ですが、手作業で処理する場合はわりと簡単なのですが、コンピュータで処理しようとすると結構面倒です。

入金と支払だけ伝票処理するだけならそうでもないのですが、入金予定表や支払予定表に相殺金額を表示させるだけでも結構大変な処理になります。相殺金額そのものを手入力するのでは意味ありません。相殺すべき金額は通常の処理の中で計算できなければなりません。
相殺が難しいのは次のような事情によります。

1.売上と仕入を締めてみて、金額が少ない方で相殺する。締めてみて初めて、売掛金と買掛金とどちらの金額で相殺するか決まる。そのため貰方相殺の場合と払方相殺の場合がある。
2.債務金額について、買掛金(仕入)だけでなく未払費用も併せて相殺することがある。これが非常に処理を複雑にしています。結局、経費購入分も処理しなければ、相殺処理をすることができません。
私の場合、債権金額については、売掛金(売上)の場合しかありませんが、債権額としてが売掛金以外の金額も合算しなければならないようだとさらに複雑になります。

相殺処理と言ってもせいぜい入金予定表、支払予定表に表示させる程度のことですが、相殺処理を行うために、未払費用の処理も併せて行うことで、ERPに一歩近づきます。中小企業ならこれに仕訳処理と給与計算周りの処理ができればほぼERPでしょう。(他にやらなければならない処理はあまりないですよ。)

具体的にどうやっているかというと、まず、仕入先マスタに経費フラグを追加して買掛金用のCDと未払費用分のCDを区別します。また、読みの頭に「ンケイヒ」を付けて、買掛金用の仕入先CDと分類して検索できるようにします。買掛残高一覧では経費フラグが立っていない残高だけ集計します。経費フラグが立った残高は未払費用残高です。
また、相殺の相手先を指定するために、相殺テーブルを用意します。相殺CDを主キーにして得意先CDと仕入先CDを登録します。相殺表では相殺CDごとに得意先CDの売掛残高、仕入先CDごとの買掛残高(未払費用残高)の小計をとります。この金額を入金予定表、支払予定表の表示に加えるだけです。これで終わりです。

よく、「相殺処理なら入金処理をするだけで、支払処理が同時にできるようにならないか!」と言われるのですが、私の場合は、これは無理です。なぜかと言うと、一つの相殺CDについてみると、債権金額は複数の得意先請求金額の合計(複数の請求書の合計)になるし、債務金額についても同様で複数の相手先請求金額の合計になります。この合算金額を比較して少ない方の金額で相殺するのですが、相殺金額を分割して入金処理、支払処理をしていくことになります。しかも、支払処理の一部は未払費用の場合もあり、その場合、相殺する入金処理区分は「相殺」ではなく、「その他の入金」区分として区別しています。「相殺」はあくまでも売掛金と買掛金の相殺として行っています。未払費用と相殺するのは「相殺」ではなく「その他の入金」です。(自分流)
そのため処理があまりにも複雑になるので、入金処理を行い同時に支払処理を行うという相殺処理は行っていません。
こういった同時処理はよほど簡単な場合でも、予想外の色々な例外パターンがでてくるので、相殺のような複雑な場合は入金処理、支払処理はあっさり、手入力した方が良いと思います。実際、相殺入金処理を訂正する場合に相手先の全ての支払先の締め処理がはずしてなければならなかったり、またその逆のパターンもあり、よほど面倒な処理になりそうです。