Access2007のランタイムが無償で提供されるようです。また、Accessで作成したプログラムをランタイムを含めてパッケージ化できるAccess2007 Developer Extensionsも無償で配布されます。

http://msdn2.microsoft.com/en-us/office/bb229700.aspx

データベースクライアントを一人で開発するなら、Accessは相当生産性の高い環境だと思います。
データベースサーバーがあっても帳票作成時にはテンポラリーテーブルをローカルに作成しなければならないケースは多いですが、Accessなら最初からデータベースがビルトインされています。このデータベースは共有こそできませんが、テンポラリーテーブルを作成するには十分です。VBの場合、Accessなしのmdbファイルで済ませてしまう場合もあるでしょうが、DelphiならInterBase、JavaならHSQLDBなりをインストールすることになります。その点、Accessなら手間いらずです。

Accessの印刷については定評のあるところで、A4、B4用紙といったところは当然として、専用伝票でも簡易に印刷することができます。これがVBとなるとクリスタルレポートなり別のコントロールを用意しなければなりません。

この整った環境もこれまではAccessを購入、インストールした上でMDEファイルで配布するか、Accessランタイムをパッケージ化して配布しようとすると、また別にVisual Studio Tools for the Microsoft Office System(Amazonで調べると12万円くらいします)を購入しなければりませんでした。
そういう意味では全く再配布性の無い環境でした。VBで作成したプログラムがVisualStudioをインストールした環境でしか動作しなかったら、VBの価値はほどんどないでしょう。AccessはOfficeメンバーの一員であり、VBのような再配布性は提供されていませんでした。

それがAccess2007では無償でランタイムをパッケージ化して配布できるようなのです。

専用伝票を印刷するのに別途コントロールを購入する必要はありません。
テンポラリーテーブルを作成するのに別途、データベースをローカルにインストールする必要もありません。

ランタイムを含めてパッケージ化してしまえば動作します。これはプログラム言語レベルの再配布性をAccessが持ってしまうということだと思います。すごいです!
特に印刷について別途パッケージを購入しなくても済んでしまうのは費用的に見ても相当魅力的です。

もともとAccessはOfficeメンバーの中でも特異な存在だったのではないかと思います。Word、Excelのように画面上でデータを入力しさえすれば使えるわけではなく、ある程度コードを書かなければたいしたことはできません。そのくせ再配布性がなく、自分だけで綿々と使うしかありません(自作して使用するってそういうことだよな)。生産性が高いけれど、「コードを書いても再配布性がない」そんな不思議な環境でした。
今回、ランタイムが無償で提供されることで、Accessはいきなりプログラム言語環境となりました。

昔、外注で販売管理ソフトを作成してもらった時、業者はdbMagicというソフトを使っていました。1クライアントごとにハスプという部品を5万円だったかで購入して、それを取り付けてからでないと動作しませんでした。開発用のdbMagicだとハスプは20万円するいうことでした。全くプロ仕様の環境だったと言えます。
dbMagicそのものはコードなしでプログラムを作成し、しかも高速という各種賞を受賞した優れた環境でした。しかし一般にプログラム言語として普及するものを目的としたものではなかったので、当然マイナーなプログミング環境でした。Accessはそこまで費用や制約の多い環境というわけではないですが、書いたコードの再配布性がないということはそれに近い環境ではなかったかと思います。

今回のランタイム無償配布がAccess2007だけの特殊なケースにならないように切に切に希望する次第であります。かしこ。