
母親と息子が肉体関係を持つというスキャンダラスになりそうなモチーフが良くも悪くもなんともあっけらかんと明るく軽快に描かれている。
母親役のレア・マッサリがすこぶる色っぽく水気たっぷりなせいが大きいだろう。
ルイ・マルは少女娼婦という今だったら製作自体が危ぶまれそうな題材の「プリティ・ベイビー」でもおよそあっけらかんとした調子でジャズの発祥の地ニューオーリンズという背景と併せて描いていたが、今回のチャーリー・パーカーの音楽起用も明るさに拍車をかけた。
フランス有数の財閥の出身という大ブルジョワの出であるところのマルがまことに自然な調子でブルジョワの生活を実感をこめて描いている。
物質的な贅沢さ、仮に問題が起っても問題など存在しないようにやり過ごしてしまう、偽善と事なかれにすらならない無風体質など、なかなかこうぬけぬけとは描けないのではないか。