
ルアーを使った釣りの描写がたびたびはさまるのは「リバー・ランズ・スルー・イット」で見られるようなアメリカの原風景のようでもある一方で、毛バリというニセ物による世論操作の象徴でもあるのがラストではっきりする。
正体のわからない語り手によってチェイニーのバイオグラフィーが語られていくスタイルをとっているのだが、その語り手の正体がわかった時に誰もがチェイニーのような権力者とは無関係ではいられないのが納得させられる。見事な構成であり、強烈な批判精神の発露。
チェイニーに限らず、実在の存命中の人物を実名で描く、というだけでもいい度胸だが、それらのそっくりぶりがちょっと凄い。カリカチュアというより模写のようであり、その虚実皮膜ぶりに政治の本物のウソが見え隠れする。
政権がメディアを抑える、のを通り越して所有すると、所有しているわけではない他メディアまで大きな影響を受けるのをまざまざと示す。
当然、日本でもこういう操作は「学習」して実践しているわけだ。
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