
87分という最近では最も短い上映時間、セリフがあるのがキアヌ・リーヴスとウィノナ・ライダーの二人だけ、というミニマムな作り。ただし、そのセリフの量が膨大で、訳すの大変だったろうなと思わせる。
これだけのセリフを当たり前に自然にこなすのだから役者というのは大したものだないと変な具合に感心。特に前半は口喧嘩続きなのだけれどとげとげしくはならずコミカルに見せるが、英語ではもっと面白いことを言っているのではないかという余計なことも考えるのが困る。
びっちり二人の芝居で埋め尽くしていても重ったるい熱演にならないのが持ち味。ロードムービーといえばいえるのだけれど、あまりそういう型にこだわった感じも薄い。
エンドタイトルを見ると、役名があるのも二人だけで、二人が出席する結婚披露宴(元カレ、元カノ同士!)も人は来ているのだけれどまったく話しもしていない。二人ともよせばいいのにケンカを続けていること自体がつまりこじらせ具合の表現ということ。普通だったら元カレ、元カノを巻き込んでドタバタにもっていきたくなるところをぐっとこらえて二人だけに絞っているのが逆に特別なパートナー感を出す。
各章に皮肉なタイトルが出るのだけけど、一部
えっちする時でも喋りっぱなしで、はっきり描いている割に露骨でもなしかといって無理に隠している感じでもないさじ加減。ふつうだったらもっとロマンチックなおぜん立てを整えそうなのを相当トンデモな設定にしている。
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