2024年10月7日
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■ 試合データ
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米国時間:2024年10月6日
日本時間:2024年10月7日(月曜日)
9時03分開始
地区シリーズ
ロサンゼルス・ドジャース
対サンディエゴ・パドレス
@ドジャースタジアム
【MLB.JP 戦評】
日本時間10月7日、ナ・リーグのディビジョンシリーズ第2戦が行われ、第1シードのドジャースが本拠地ドジャー・スタジアムで第4シード・パドレスと対戦。ポストシーズンの1試合最多タイ記録となる6本の本塁打を放ったパドレスが10対2で快勝し、1勝1敗のタイに戻した。パドレス先発のダルビッシュ有は7回1失点の好投で白星をマーク。ドジャース先発のジャック・フラハティは6回途中4失点と安定感を欠き、黒星を喫している。
ドジャースが勝てばディビジョンシリーズ突破に王手となる試合でパドレスが意地を見せた。1回表にフェルナンド・タティスJr.の今プレーオフ第2号となるソロホームランで先制すると、その裏の守備ではレフトのジュリクソン・プロファーがムーキー・ベッツのホームランかと思われた打球を好捕。これで流れを掴んだパドレスは直後の2回表にデービッド・ペラルタの2ランで3対0とリードを広げた。
援護をもらったパドレス先発のダルビッシュは2回裏こそ無死満塁のピンチを迎え、ギャビン・ラックスの犠牲フライで1点を返されたものの、続くトミー・エドマンをファーストライナー併殺に打ち取ると、ここから勢いに乗る。打たせて取る投球を披露し6回までわずか69球の省エネでドジャース打線を手玉に取ると、7回裏に迎えた一死2塁のピンチもサードゴロとセンターフライで難なく切り抜け、7回82球、被安打3、与四球2、奪三振3、失点1の内容でマウンドを降りた。
パドレスは打線も徐々にギアを上げたダルビッシュの好投にさらに応え、6回表にジャクソン・メリルのタイムリーで追加点を挙げると、さらに8回表にはメリルの2ランホームランとザンダー・ボガーツのソロホームランも生まれて7対1とリード。9回表にはカイル・ヒガシオカの今プレーオフ第3号ソロ、タティスJr.のこの試合2発目となる2ランが飛び出すなど勢いは最後まで止まらなかった。
前日の試合ではプレーオフ初本塁打を放つなど大活躍を見せたドジャースの大谷翔平は、この日も変わらず「1番・DH」でスタメン出場。空振り三振、ファーストゴロ、ファーストゴロ、空振り三振で4打数ノーヒットと、前日に続く活躍とはならなかった。プレーオフ成績は打率.222、1本塁打、3打点、OPS.778となっている。
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■ 今日の大谷翔平
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【スタメン】
1番DH
【出場成績/打者】
4打数 0安打 2三振
通算打率・222
OPS・778
◆第1打席:
(結果)空振り三振
(状況)1回無死走者なし
(投手)ダルビッシュ有 右
※先頭はカット、カーブ、スイーパー、フォーシームで全て違う球種でカウント2―2からの5球目、外角低めの87・2マイル(約140キロ)のスライダーにバットは空を切った。
◆第2打席:
(結果)ファーストゴロ
(状況)3回1死走者なし
(投手)ダルビッシュ有 右
※カウント2―1からの4球目、外角低めの88・1マイル(約142キロ)のスプリットを注文通り引っ掛けて一ゴロ。
◆第3打席:
(結果)ピッチャーゴロ
(状況)6回無死走者なし
(投手)ダルビッシュ有 右
※フルカウントからの6球目、真ん中高めの73マイル(約117キロ)のカーブにタイミングを外されて投ゴロに倒れた。第1戦では徹底的に高めのフォーシームで攻められたが、この日は15球中、フォーシームは初回の内角低めの1球だけ。高めを意識させられて3打席とも勝負球は異なる変化球で大谷らしいスイングを封じられた。これでレギュラーシーズンを含めて8打数1安打だ。
◆第4打席:
(結果)空振り三振
(状況)8回1死1塁
(投手)タナー・スコット左
※2番手の左腕スコットと対戦。高めのフォーシーム2球で追い込まれた3球目、真ん中高めの97マイル(約156キロ)のフォーシームにバットは空を切った。
【コメント】
◯ なし
【NEWS】
◯ 試合前には球団公式Xがデコピンを歩かせて大谷が球場入りする様子を公開。デコピンにはドジャースのユニホームが着せられている。大谷は黒いキャップを逆向きに被り、首にはヘッドホン。上下ネイビーの球団のウエアを着用。ブラウンカラーのリードを持ちながら、デコピンを見つめている。
◯ パドレスとの地区シリーズ第2戦前にキャッチボールを行った。中堅後方から左翼線まで、術後最長となる70メートルの距離で遠投を行った。試合開始2時間半前にグラウンドに姿を見せた大谷はキャッチボールを開始。徐々に距離を伸ばしていった。右中間付近では松井裕樹投手と談笑する場面もあった。
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■ 試合情報
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【コメント】
デーブ・ロバーツ監督:
(試合前)
「間違いなく勝つことは(感情を出す)助けになっているだろう。彼は惑星で一番の選手だと自覚していると思う」
「シーズンが進むにつれてそういう姿をより見るようになった。(自分に)正直な証だから、彼にとっていいことだと思う。周りの選手も、『この男はロボットじゃなくて、感情がある人間』と思うから、全員にとっていいことだと思う」
「シーズンが進むにつれて、本来の姿を見せるようになったと思う。彼は1人を好み、静かで、物事を自分のなかで留めておくけど、本質的に彼は面白い男だと思う。楽しむことが好きで、とても闘争心がある」
(試合後)
「(フリーマンの途中交代について)試合中に足首を非常に痛めていることを聞かされた。彼はダウンしてしまった。試合に出場し続けることはできなかった。(交代以外に)選択肢はなかった」と説明。さらに「次の試合に出場させるかはわからない。理想的な状況ではない。懸念している」
「向こうが我々よりもいい野球をしていた。(勝ちパターンの)救援投手を温存できて、3戦目はウォーカー(ビューラー)が先発する。水に流して、次に向かいたい」
「(好守を連発したパドレス外野陣に向けて、ドジャースファンからボールや空き缶が投げられる異常事態も発生したが)私は1000試合以上、このスタジアムで見ているが、あんなことは初めてだった。感情的になることが多いのは分かっていたが、起こるべきではないこと。ボールを投げつけるなんて、見たくはない」
マイク・シルト監督:
(試合前)
「彼は国際的に試された男であり、また、明らかにここでは、彼は非常によく、大きな瞬間の独自の投球術を持っている。我々は今、彼が戦うことに興奮している」
「彼(大谷)の前で彼ら(下位打線)を抑えることができなかった。それが大きなカギなんだ。あとは状況次第だね。すべての状況を説明することはできない。」
「大谷は世代を超えた才能の持ち主だから、そのことを念頭に置いて、状況に応じたプレーを続ける必要がある。我々はそれについて話し合った」
「彼ら(パドレス投手陣)もいい選手だし、それに対して実行する方法を見つけるんだ。彼はまだ人間なんだ。昨夜は複数の打席で実行し、彼をアウトにした。4回の(中前打も)彼はバットを折った。それがゲームの一部であることは知っているが、彼は相手打線の中でも危険な存在だと認識している」
(試合後)
「彼(ダルビッシュ)はファンタスティックだった。オオタニも含め相手打線を相手に素晴らしい投球だった。7回に試合が中断したときも集中を切らさなかったことは立派だった」
「(7回にスタンドからボールが投げ入れられ中断したとき、投手交代を考えたか)ユウは非常にいい球を投げていたのでイニング最後まで投げてもらいたかった。中断が長くなったら誰を継投させるかという話はベンチでしていた。試合が再開して最初の打者を歩かせたが、立て直してくれた。彼はベテラン。どう準備するべきかを知っている」
「(大谷との対戦では変化球を交え巧みな投球で攻略したが)打者のバランスとタイミングを外した素晴らしい投球だ。優れた能力を持った投手だから安心していた。相手打線すべてに対し支配的だった」
ダルビッシュ有投手:
――大谷を含むドジャース打線について。
「1人1人ちゃんと集中して投げたことで2回以外はそこまで動じることなく投げられたことは良かったと思います」
――7回にファンから物が投げ入れられたことについて。
「あんなことは経験したことがなかった。とにかくこのイニング点を与えないように。点を与えてしまうと流れが変わってしまう試合だと思ったので、それは意識しました」
――初回のプロファーの左翼フェンス際の好捕について。
「同点だから大丈夫と切り替えた」
――ダグアウトで円陣を組んだことについて。
「汚い言葉をしゃべっていました」
――1勝1敗に戻したことは。
「凄く大きいと思います。パドレスのファンの前でサンディエゴで野球ができるのは。0勝2敗でやるのとまた違うと思うので凄く大きいと思います」
――大谷をカーブなど変化球を駆使して抑えた。
「とにかく球種だけじゃなく、反応を見ながら、セット(ポジション)に入ってから長く持ったりとか、足の上げている時間を変えたりとかそういう工夫をしていました」
――昨日から普段以上に落ち着いていたように見えたが、実際どうったのか?
「今日起きてから全く緊張がなかった。本当に落ち着いていました。それがなぜなのかわからないですけど、さすがにもう38歳なので、ガチガチに緊張していられない(笑い)」
――今日の仕事は自分でどう評価するか?
「7回投げられましたし、球数も少なかった。チームも打線が打って、守備も凄く良かった。チーム全体として凄く良かったので自分としても凄く良かったと思います」
――今日は大谷選手だけじゃなく、1~3番が無安打だった。勢いに乗せないためにその3人は意識したか?
「昨日も言ったんですけど、1番から9番まで1球、1球集中するということを考えていた」
――2022年もダルビッシュ投手が勝ち投手になってパドレスが勢いにのった。
「それは次の2試合、3試合を見てみないとわからない。チームのクラブハウスの雰囲気は良かったのでいい方向にいけばいいなと思います」
――大谷選手に対し、パドレス投手陣は高めの速い球を使う印象があるが、ダルビッシュ投手はどういう意図で攻めた?
「いろいろありますけど、まずは本人の反応であったり、自分の球に対するスイングであったりとか、そういうのを見ながらセットに入ってから長く持ったりとか、足を上げてからゆっくり出ていったりとかそういう工夫をするようにしていました」
――Tシャツについて。
(自ら英語で)「He is my brother-in-law.He passed away six years ago.(彼は義理の兄です。6年前に亡くなりました)」
フェルナンド・タティス外野手:
「彼ら(ドジャースファン)がフィールドに物を投げ始めたとき、メジャーリーグの試合でそんなことが起きるべきではないと感じた。ファンは野球場に野球を楽しみに来ます。彼らは何を言ってもいいけどね」
「私たちがチームとして団結しなければならない。私たちはプロファーに向かってボールが投げられているのを見た。彼には怒る権利があった」
「エネルギーを感じている。我々がどんなタイプの試合をしているかはここに来ている誰もが知っている。相手チームの選手も知っている。それぞれ才能も抜群だ。そして我々自身も同じように知っている。だからベストを尽くすときはいつでも、当然トップに立ちたいと思っている」
マニー・マチャド外野手:
「彼らには、オオタニという球界の中のベストプレーヤーがいるじゃないか。俺たちは彼にぶつけようとはしていない。俺たちは彼からアウトを奪おうとするだけ。そうだろ? だから俺の仲間にぶつけようとするなよ」
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■ 注目記事&コラム
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◆ 物投げ込みの暴挙はなぜ起きた?大リーグ公式サイト「ライバル関係がファンの参加で激化」と経緯を報道
(スポニチ)
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ドジャースとパドレスのナ・リーグ地区シリーズは6日(日本時間7日)、ドジャースタジアムで第2戦が行われ、パドレスが6本塁打で圧倒し大勝。対戦成績を1勝1敗に戻した。試合中には観客がグラウンドに物を投げ込み、試合が中断する異例の事態が起きた。
7回裏、ドジャースの攻撃が始まる前に、スタンドからパドレスの左翼手・プロファーにボールが投げ込まれ、プロファーが激怒。審判にクレームを入れた。
シルト監督も慌ててベンチから飛び出し、審判団や警備員と一緒にプロファーから事情を聞き、なだめたものの球場は異様な雰囲気となった。
「物を投げ入れないで」といったアナウンスや「フィールドに物を投げ入れると退場」という掲示が行われたが、その後も物が投げ込まれ、試合が8分中断した。
この事態について、大リーグ公式サイト「MLB.com」が経緯を報じた。
事の始まりは初回だった。プロファーがドジャース・ベッツの大飛球を左翼フェンスに身を乗り出してスーパーキャッチ。本塁打性の打球だっただけにプロファーが周囲の観客をからかうようなポーズを見せ、ドジャースファンの反感を買った。
その後、6回にドジャース先発・フラーティが初回に先制ソロを浴びていたパドレス・タティスに死球を与えたことで事態が悪化。ド軍捕手・スミスと次打者・プロファーが口論に発展。さらに次の打者・マチャドがフラーティに三振に打ち取られベンチに下がったが、ここでフラーティも降板。するとマチャド、フラーティの2人もこの回が終わるまで言い争いを続けた。
試合後、フラーティはタティスへの死球について「6回の先頭打者に与える理由がない。相手は避けようとしなかった」と故意ではないと否定した。そして、その後にマチャドがドジャースベンチにボールを投げ込んだと非難した。
この行為についてマチャドは「私はいつもダグアウトにボールを投げている。両方のダグアウトだ。バットボーイがいるから、そこにボールを投げ返すんだ」とボールを投げたことは認めたものの悪意を持ってでなく、いつも行っているとした。
そして、フラーティの死球を「うちの一番良い打者(タティス)に当てようとした。うちは打席に出た大谷に当てない。アウトにしようとする」とわざとではないかと疑問を呈した。
こういった言い争いが選手間同士で起こり、今季最多5万4119人が詰めかけたドジャースタジアムのファンもフラストレーションをためる中、7回裏に観客からプロファーにボールが投げ込まれるという暴挙が発生した。プロファーは「悲しかった。誰かを傷つけてはならない。サンディエゴのファンには同じようなことをしてほしくない。それを願っている。(物投げ込みは)やり方が違う」と語った。
第3戦はパドレスの本拠ペトコ・パークで行われる。熱い戦いは見たいが、これ以上の遺恨が残らないことを願うばかりだ。
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■ NOTE