2024年8月12日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年8月11日

日本時間:2024年8月12日(月曜日)

5時10分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対ピッツバーグ・パイレーツ

@ドジャースタジアム

 

 

【MLB.JP 戦評】

 日本時間8月12日、ドジャースは本拠地ドジャー・スタジアムでのパイレーツ3連戦の最終戦を迎え、10回表に1点を勝ち越されたものの、10回裏に2点を奪って逆転サヨナラ勝ち。3連戦をスイープし、貯金を再び20に乗せた。ドジャース5番手のエバン・フィリップスは10回表に1点を失ったものの、逆転サヨナラ勝ちとなったため、3勝目(0敗)をマーク。パイレーツ6番手のデービッド・ベッドナーは9回裏から登板したが、イニングを跨いだ10回裏に2点を失って逆転サヨナラを許し、5敗目(3勝)を喫した。

 ドジャースは初回二死からフレディ・フリーマン、ウィル・スミス、アメッド・ロサリオと3連打が飛び出して2点を先制。2回裏二死2・3塁のチャンスではテオスカー・ヘルナンデスが2点タイムリー二塁打を放ち、4対0とリードを広げた。しかし、3回表にアンドリュー・マカッチェンの15号2ランで2点差に詰め寄られると、8回表にもマカッチェンに16号2ランを浴び、4対4の同点に。試合はそのまま延長戦に突入し、10回表にブライアン・レイノルズのタイムリーで1点を勝ち越されたが、10回裏先頭のキケ・ヘルナンデスのタイムリー二塁打で同点とし、最後は二死1・2塁からテオスカー・ヘルナンデスのタイムリーでサヨナラ勝ちとなった。

 ドジャースの大谷翔平は「1番・DH」でスタメン出場。初回の第1打席はレフトフライ、2回裏一死2・3塁の第2打席はセンターフライ、4回裏一死2・3塁の第3打席はファーストゴロに倒れたが、6回裏二死走者なしの第4打席で2試合ぶりのヒットとなるライトへの三塁打を放った。8回裏一死2塁の第5打席はショートフライ、10回裏一死1・2塁の第6打席はサードへのファウルフライに倒れ、6打数1安打。今季5本目の三塁打を放ったが、4度の得点圏ではいずれも凡退し、今季の打撃成績は打率.298、35本塁打、83打点、OPS1.001となっている。

 

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 ■ 今日の大谷翔平

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【スタメン】

1番DH

 

【出場成績/打者】

6打数 1安打 

通算打率・298

OPS1・001

 

◆第1打席:

(結果)レフトフライ

(状況)1回無死走者なし

(投手)ベイリー・ファルター左

※初球の91.5マイル(約147.3キロ)直球を打って左飛に倒れた。

 

◆第2打席:

(結果)センターフライ

(状況)2回1死2、3塁

(投手)ベイリー・ファルター左

※内角のボール球のツーシームに詰まり、浅い中飛に倒れ、打点をマークすることができなかった。

 

◆第3打席:

(結果)ファーストゴロ

(状況)4回1死2、3塁

(投手)ベイリー・ファルター左

※1ボール2ストライクからの7球目、93.9マイル(約151.1キロ)シンカーで一ゴロだった。3球連続ファウルなどで粘ったが、2打席連続チャンスで凡退となった。

 

◆第4打席:

(結果)ライト線3塁打

(状況)6回2死走者なし

(投手)ジャレン・ビークス左

※3番手左腕ビークスに対してフルカウントと追い込まれたが、外角カットボールを引っ張り込んで右翼線へ。外野を転々とする間に三塁へ到達し、今季5本目の三塁打とした。

 

 

◆第5打席:

(結果)ショートフライ

(状況)8回1死2塁

(投手)アロルディス・チャプマン左

※100マイル(約161キロ)シンカーで1ストライクを奪われ、2球目の90.7マイル(約146キロ)スライダーを打たされた。2人の対戦成績は通算8打数2安打、今季3打数1安打となった。

 

◆第6打席:

(結果)サードファールフライ

(状況)10回1死1、2塁

(投手)デービッド・ベッドナー右

※1死一、二塁で打席に入ると、2球で追い込まれてしまった。それでもインハイの直球を見送り、最後は高めの直球を打ち損じての三邪飛に倒れた。

 

 

【コメント】

なし

 

【NEWS】

◯ 試合前にドジャースのレジェンド、マット・ケンプ氏の引退セレモニーが行われた。会見で大谷に言及。「40―40」について、11年に39本塁打、40盗塁だったケンプ氏が言及し「40―40はとても難しいけど、彼ならやれると思うよ。彼は俺を超えるだろうね。だって今ホームラン35本だし、まだ9月にもなっていないんだ」と。11年はケンプ氏も達成できるかに見えたが「残念だった。俺もシーズン終盤は好調だったけど、結局できなかった。大谷のやっていることは特別だよね。あんな選手は見たことがない。ピッチャーでケガをしてトミー・ジョン手術を受けても、野手でチームに貢献することができる。彼は特別だよ。すぐにでも彼のユニフォームを買わなきゃ」と話した。

 

 

◯ 地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」のドジャース番ジャック・ハリス記者氏は自身のXで思わず“苦言”を呈した。「オオタニは先ほど三塁打を放った。しかし、得点圏では何度も凡退してチャンスを潰した。彼は直近12試合で打率.143(49打数7安打)だ」

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

「得点圏に走者を置いて、打ち損じているように思う。動画を見て確認する必要があるが、得点するために少しスイングが大きくなっているように見える。特定の状況ではフライボールを打つだけで十分で、ホームランを狙う必要はない。だが今のところ、打てる球が来てもファウルになったり、打ち損じているのは、スイングに力が入りすぎているように思う。それについてはこれから見ていくが、彼には打点を挙げてほしい。そこは修正していく。必要な時にはスイングを少しコンパクトにしてほしい」

 

【NEWS】

アロルディス・チャップマン投手:

◯ チャップマン投手が投じた“剛球”に衝撃が。8回から5番手で救援登板。任された1イニングを1安打無失点に抑えた。8回2死二塁のピンチで投じた1球にスタジアムは騒然となる。テオスカー・ヘルナンデスへ投じた4球目が103.9マイル(約167.2キロ)を計測。それも球種はシンカー。米投球分析家ロブ・フリードマン氏は自身のXで「チャップマン、104マイル(約167キロ)の速球に続いて、94マイル(約151キロ)のスプリット」として映像を公開した。

 

チャップマンは、8月7日に、今シーズンの全投手の最速となる105.1マイル(約169.1キロ)を記録している。今シーズン、2番目に速い球は、ベン・ジョイス(ロサンゼルス・エンジェルス)とチャップマンが投げた104.7マイル(約168.5キロ)。チャップマンの105.1マイルと104.7マイルは、どちらもシンカーだった。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ ジャッジ、ハーパーらも参加を希望するロス五輪 メジャーリーガー派遣の障壁は?

丹羽政義氏/スポナビコラム)

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 パリ五輪もいよいよ終盤戦。今回、野球/ソフトボールは開催されないが、2028年のロサンゼルス五輪では、競技として復活することが決まっている。

 しかし、それは開催国で野球が盛んだから、という日本のときのような特別枠。通常競技として復活するわけではなく、その先は未定。

 大リーグ機構(MLB)側は、「通常競技として復活させるなら、メジャーリーガーの派遣を考えてもいい」としているが、IOC(国際オリンピック委員会)側は、「メジャーリーガーの派遣を確約してくれるなら、通常競技としての復帰を検討する」とし、譲らない。

 それでも28年に関しては、自国開催であり、国境をまたぐような移動も伴わないことから、IOCではなく、MLBのスター選手らがむしろ積極的にMLBに参加検討を促す。

 日程、補償、保険ーー障害は少なくない。ブライス・ハーパー(フィリーズ)などは、野球のさらなる普及は、MLBにとっても選手にとっても共通のゴールであり、「そのためなら、折り合えることもある」と話しているが、どうにもMLB側は、腰が重い。

 はたしてどうなるのかーー。

アーロン・ジャッジ「五輪での野球復活はMLBにとってもいいこと」
 ハーパーが声を上げ始めたのは昨年10月。野球/ソフトボールの競技復活が決まると、プレーオフの会見の場で出場の意思を示した。今年6月、ロンドンで試合が開催された際にも、「五輪ほど世界的なスポーツ大会はない。ぜひとも参加したい」と思いを口にした。「もちろん、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)があるけれど、やはり、五輪ではない」

 ただこれまで、その言葉に賛同し、「俺も、俺も」とうねりが起きたわけではない。しかし今回、オールスターゲーム前日に行われた会見で、28年のロス五輪で主力になるであろう選手らに出場の意思を聞くと、誰もが参加に積極的だった。

 今年、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)とア・リーグのMVP争いをしているボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)は「100%プレーしたいね」と即答。「どんなときでも国を代表できるのは誇りだ」

 彼は昨年行われたWBCに出場したが、どうメジャーリーガーの派遣に消極的なMLBを説得するかと問うと、こう答えている。

「WBCのテレビ視聴率は良かったと聞いている。オールスターが国の代表として戦うのをみんな見てみたいはずなんだ」

 WBCの人気を考えれば、五輪の野球はさらに盛り上がり、注目を浴びる。ひいては、MLBのさらなる人気獲得につながるーーそう訴えていきたいということか。

 インパクトを与えそうなのは、ジャッジの発言。彼に参加したいか? と聞くと、顔をほころばせた。

「五輪で国の代表としてプレーすることは夢だよ。夏も冬もずっと見てきたからね。夏の五輪に野球が復帰するなら僕たちが出て盛り上げたい」

 彼は、MLB側が得る利点も強調する。

「それはMLBにとってもいいことだと思うんだ。世界に野球を広めるいい機会だからね」

 これまでハーパーが先頭となって声を上げてきたが、「自分としては彼をサポートするつもりだ」とジャッジは話し、その意義を改めて訴えた。

「最高の経験になるし、いちばん大事なのは野球がさらに発展すること。特に若い世代が興味持ってくれるかもしれないからね」

 野球が盛んとはいえないヨーロッパやアフリカの子どもたちにも、五輪を通してならその目に野球が触れるかもしれない。結果として裾野が広がれば、グローバル化が進む。

 大谷翔平(ドジャース)も「出たい気持ちはもちろんあります」と話し、こう理由を説明した。

「国際大会は特別ですし、五輪も特別だと思う。特に五輪は普段野球を見ない人たちも見る人が増えていく、そういう意味では野球界にとっても大事なことだと思うので、個人的にも出てみたいという気持ちはもちろんあります」

 その大谷の言葉をハーパーに伝えると、「それは大きい」と頬を緩めた。

「聞いてくれる人が多くなるから」

 いまやその発言は、リーグ屈指の影響力を持つ大谷。その主張は、おのずと拡散力を持つ。ハーパーは続けた。

「MLBにとっての大きなゴールは、このスポーツをもっと発展させることだと思うんだ。五輪はそのための最適なプラットフォームだ。野球をいま以上に盛り上げるには、五輪のような国際ステージが必要なんだ」

 

 その翌日のことーーつまり、オールスターゲーム当日の午前、全米野球記者協会の会合に参加したロブ・マンフレッドコミッショナーは、野球が五輪の通常競技として復活することには興味がなさそうだったが、ロサンゼルス五輪にメジャーリーガーを派遣することには、「話し合う余地がある」と含みをもたせた。

「パリでは、新たな球場が作られることはないと分かっていた。でも、ロサンゼルスならば、その問題はない。考えなければいけない」

 実際、内部で話し合いが行われているよう。しかしながら、ロサンゼルス五輪の日程は7月14日から30日まで。オールスターゲームともかぶることから、「日程がきつい」とコミッショナーは、渋い顔だ。

 対してハーパーらは、オールスターゲームを中止し、さらに10日ほどシーズンを中断して、時間を作ればいい、と主張する。だが、一番集客が見込める7月に10試合も中断する場合、その分の損失を誰が補填するのか。1日に15試合行われるとして150試合。1試合の収益は、球団によって異なるが、300万ドルと見積もると、総額で4億5000万ドル。

 もちろん、シーズンの開幕を早め、さらにシーズン終了を少し送らせれば、162試合は確保できる。しかし、春先の寒い時期と7月では、集客数が比較にならない。また、シーズン終盤は、消化試合になっている可能性があり、その場合、やはり収益では7月に劣る。その差額分とオールスターで得られるはずだった経済効果は、五輪参加による将来的な市場拡大によって、穴埋めできるのか。

 また、MLBには、選手を利用してIOCが利益を得ることに抵抗もある。だからこそ、WBCという国際大会を作り、さらなる普及を目指してきた。

 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のR・フラッカリ会長は昨年10月、MLB側からトップ選手の参加を確約する文書を受け取ったと明かしたものの、MLB側は認めていない。WBSCの米国支部のある役員でさえ、コメントを求めると「それは努力目標ということ」と曖昧に答えた。

 かなり難しいーーというのが肌感覚だが、28年に限っては、野球のグローバル化という共通のゴールに向けて、MLBと選手がまとまれるのか。焦点は、次の労使協定。現行の協定は2026年までなので、27年以降の協定にどう五輪の参加規定が盛り込まれるか、ということになりそうだ。

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◆ 大谷よりもオズーナのほうが三冠王に近い!? 現時点では二冠王&打率2位。ホームランは大谷とタイ

宇根夏樹氏/スポナビ)

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 数日前まで、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、打率とホームランのナ・リーグ1位に位置していた。打点は2位だ。

 だが、8月11日が終わった時点では、大谷よりもマーセル・オズーナ(アトランタ・ブレーブス)のほうが、三冠王に近くなっている。大谷は、打率.298が4位、35本塁打が1位タイ、83打点は2位。一方、オズーナは、打率.301が2位、35本塁打が1位タイ、90打点は1位だ。オズーナの上には、打率.306のルイス・アライズ(サンディエゴ・パドレス)しかいない。

 ちなみに、ケテル・マーテイ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は、打率.299、30本塁打、81打点のいずれも3位だ。8月10日に左足首を痛め、11日は欠場したものの、アリゾナ・リパブリックのニック・ピエコロらによると、12日には出場できる見込みだという。レフトからの送球を二塁で受けた際、ヘッド・スライディングをした走者の身体が、マーテイの左足に乗っかるような格好となった。

 ア・リーグでは、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が打率.328、42本塁打、106打点を記録し、2位、1位、1位に位置している。もっとも、打率1位との差は、オズーナが5ポイントであるのに対し、ジャッジは19ポイントだ(.001=1ポイントとして表記)。こちらは、打率.347のボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)がトップに立っている。

 ホームランと打点のア・リーグ2位は、35本塁打のアンソニー・サンタンダー(ボルティモア・オリオールズ)と97打点のホゼ・ラミレス(クリーブランド・ガーディアンズ)だ。現時点のオズーナとジャッジを比べると、ホームランと打点の二冠王はジャッジのほうが近く、打率も含めた三冠王はオズーナのほうが近い。

 2012年のミゲル・カブレラを最後に、三冠王は出ていない。その後の11シーズン(2013年~23年)に、打率、ホームラン、打点の3部門ともリーグ3位以内は5人。そこには、オズーナとジャッジも含まれている。彼らについては、今月初旬にこちらで書いた。

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 ■ NOTE

 

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