2024年8月2日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ ゲームオフ、移動日。明日から敵地オークランド・アスレチックス戦。

 

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 ■ 球界情報

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マイク・トラウト外野手:

◯ エンゼルスのマイク・トラウトが1日、自身のXを更新。左膝の負傷で今季絶望となったことを明かした。トラウトは5月上旬に左膝半月板損傷のため手術を受けた。当初は順調ならば、夏場に復帰できる可能性もあった。懸命なリハビリを続け、7月中旬にマイナーで実戦復帰。ただ、その後に再度、膝を痛めた。自身のXで「昨日、MRIで半月板の損傷が見つかり、再手術が必要となった時、私は打ちのめされた。今シーズン中に復帰するという希望が終わった」と苦しい胸のうちをつづった。今季成績は29試合で打率・220、10本塁打、14打点。11年のメジャーデビュー後、出場29試合は自己ワーストとなる。

 

 

 

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ “外野手・大谷翔平”の高まる実現性 ロッカーに専用グラブ、強打の捕手のDH起用

小谷真弥氏/Full-Count)

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 気になっていることがあった。オールスター戦前、ドジャース・大谷翔平投手の本拠地ロッカーには外野用グラブと一塁ミットが目に見えるところに置かれていた。3月下旬から1日おきに行っているリハビリのキャッチボールでは通常の投手用グラブよりも大きな外野グラブを使うことも。デーブ・ロバーツ監督はシーズン序盤に大谷を左翼手として起用するプランを口にしていたが、ひょっとしたらホントに実現するのかもしれない。

 

 まずは強打の捕手ウィル・スミスの起用法だ。今季のDHスポットは大谷が占有しており、2番手捕手オースティン・バーンズの先発マスク時は代打待機となっている。左腕クレイトン・カーショーが戦列復帰し、専属捕手のバーンズがマスクを被る試合も増えるだろう。大谷を外野手として使い、休養を兼ねてスミスを指名打者に。主に2番で使われるほどのスミスの打力を生かさない手はないだろう。

 

 チーム事情もある。今季は昨季の新人王候補だったジェームズ・アウトマンが不振。テオスカー・ヘルナンデス、新人アンディ・パヘスが奮闘しているが、チーム外野手のWARは「-1.8」。リーグ9位(メジャー20位)とウィークポイントとなっている。今夏のトレード戦線でもレイズのランディ・アロサレーナ(マリナーズへ移籍)、昨季38本塁打を放ったホワイトソックスのルイス・ロバートJr.ら強打の外野手の名前が挙がったが、外野手の補強はゴールドグラブ賞4度の名手ケビン・キアマイアーのみだ。

 

 チームは外野も守れるWBC韓国代表のトミー・エドマン、アーメド・ロサリオ両内野手を獲得した。8月中の復帰が見込まれるムーキー・ベッツ内野手の外野手復帰も検討されるだろう。それでも外野手・大谷、DH・スミスを超えるインパクトはないだろう。

 

 7月に失速したチームは2位のパドレスに4.5ゲーム差に迫られた。もちろん来季の万全の二刀流復帰が最優先事項なのは分かっているが、大谷がリハビリ中に見せる助走つけてのキャッチボール、そして投じられる140キロ近い剛速球。世界一をかけた大一番で、外野手・大谷の一手を期待したくなる。

 

小谷真弥 / Masaya Kotani

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◆ 【MLB】エンゼルス・トラウトが今季絶望に 5月に手術した左ひざ半月板をまたも損傷 今季の出場は29試合

(MLB.JP)

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 マイク・トラウト(エンゼルス)が今季の残り試合を欠場することが確定した。日本時間8月2日、エンゼルスのペリー・ミナシアンGMはトラウトがMRI検査を受けた結果、今年5月に手術を受けた左ひざ半月板を再び損傷していることが判明したと発表。トラウトは4月下旬に故障者リスト入りし、7月下旬にマイナーでのリハビリ出場をスタートしたが、左ひざの違和感を訴えてわずか1試合、2イニングだけで交代していた。当初は異常なしの診断だったが、改めてMRI検査を受けたところ、左ひざ半月板の損傷が見つかったという。

 

 現在32歳のトラウトは今季29試合に出場して打率.220、10本塁打、14打点、6盗塁、OPS.866を記録。出場試合数はメジャー14年間で最も少ない。エンゼルスとの契約は2030年まで残っているが、直近4シーズンで100試合以上に出場できたのは1度だけ(2022年に119試合)であり、4年連続で規定打席に届かないなど、稼働率が大きく低下している。

 

 マイナーのリハビリ出場を早々に退いたあと、最初のMRI検査では異常なしと診断されていたトラウト。どのタイミングで左ひざ半月板を損傷したのかは現時点では不明だという。トラウトは自身のSNSを更新し、「手術後のリハビリには予想していたよりも長い時間を要した。数ヶ月に及ぶハードワークのあと、MRI検査で半月板の損傷が判明し、再び手術が必要になってしまった。今季中に復帰するという私の望みは打ち砕かれた」と記した。

 

 トラウトはさらに「プレーし、競争することは私の人生の大きな部分を占めている。今回のケガは私自身とファンのみんなにとって本当に辛いことだ。多くの人々を落胆させてしまったことは理解している。でも、私を信じてほしい。より強くなって復帰できるように全力を尽くすつもりだ」とファンへのメッセージを記した。そして「後半戦はダグアウトからチームとチームメイトの手助けを続ける予定だ」とチームに帯同していく予定であることを明かした。

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◆ 満身創痍のロサンゼルス・ドジャース、ポストシーズンに向けたトレードは「詰まった当たりのシングルヒット」? 同地区ライバルは強力補強

奥田秀樹氏/webSportiva)

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メジャーリーグの今季のトレード期限7月30日が経過した。主力に故障者が続くロサンゼルス・ドジャースも先発投手を獲得したが、それが長期的な補強と言える成果ではなかった。

 

 しかし、それはチーム編成の責任者であるフリードマン編成本部長は、織り込み済み。先を見越したうえで実行したトレードの背景について、読み解いてみる。

 

【冷静に市場を見極めたドジャースの判断】

 

 7月30日、アメリカ西海岸時間午後3時のトレードデッドライン。ロサンゼルス・ドジャースが、デトロイト・タイガースの右腕ジャック・フラーティをトレードで獲得したことが明らかになった。その瞬間、ドジャースの担当記者たちはサンディエゴ・パドレスの本拠地ペトコパークの記者席にいた。彼らの反応は淡々としたものだった。

 

 噂になっていたタイガースのタリク・スクバル(今季12勝3敗)やシカゴ・ホワイトソックスのギャレット・クロシェット(リーグトップの160奪三振)のような目玉商品ではなかったからだ。『オレンジカウンティ・レジスター』紙のビル・プランケット記者は「移籍した先発投手のなかでは一番良い投手」と評価、『ロサンゼルス・タイムズ』紙のディラン・ヘルナンデス記者は「詰まった当たりのシングルヒットのよう。三振は免れた」と描写した。

 

 大物を簡単に獲れないのはわかっていた。MLBが2022年にポストシーズンのワイルドカード枠をふたつ増やしたことにより、トレードデッドラインになっても多くのチームにポストシーズン進出の可能性が残っており、売り手が減ったからだ。

 

 ゆえに明らかな買い手市場となっており、菊池雄星のヒューストン・アストロズへの移籍が、1対3のトレードだったことが関係者に衝撃を与えた。菊池は今季ここまで4勝9敗、防御率4.75の実質2カ月の"レンタル投手"に対し、アストロズは3人も若手有望株を差し出したからだ。おかげで水面下ではスクバルとクロシェットの値段はさらに高騰し、ドジャースもふたりの獲得合戦から手を引くしかなかった。

 

 ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長は以前、「FA選手に対して完全に合理的なアプローチを取ると、結局その選手を獲得する戦いにおいては三番手になる」と指摘したことがある。冷静で理性的に評価すると、リスクを避けようとするあまり、ほかのチームがもっと積極的に(表現を変えれば無謀に)金額を上げると、競争には負けるということ。今回はFAではなくトレードだが、フリードマン編成本部長はやはり冷静で、本人が法外と感じる取引には踏み込まなかった。

 

 午後4時40分、ダグアウトでの会見でデーブ・ロバーツ監督は、フラーティはインパクトをもたらせるかと聞かれると、「このデッドラインで移籍した選手たちの顔ぶれを見てみると、彼はターゲットとしてはほぼトップの位置にいた。今ある選択肢のなかで、フロントはよい仕事をしたと思う」と頷いている。

 

 確かに今季の成績はいい。18試合に先発し、7勝5敗、防御率2.95。ただし2022年、23年は防御率4点台で、特に去年は4.99だった。1年前、トレードデッドラインで優勝争いをしていたボルティモア・オリオールズにトレードされたが、1勝3敗、防御率6.75。先発のチャンスを7試合もらったが、最後はローテーションから外された。さらに一部報道で、今回ニューヨーク・ヤンキースも獲得に興味を示し合意に近づいていたが、医療記録をチェックしたあとに白紙に戻したという情報も流れている。

 

【大物獲得のため有望株を放出するパドレス】

 

 同じ日、対戦相手のパドレスは大変な盛り上がりだった。ドジャースも欲しがっていたフロリダ・マーリンズの左腕クローザー、タナー・スコットを獲得できたからだ。今季はオールスター選出、防御率1.18、18セーブ(6勝5敗)と圧倒的。加えてタンパベイ・レイズで防御率2.49の右腕リリーバー、ジェイソン・アダムも補強した。パドレスのAJ・プレラー編成本部長はアグレッシブな補強を実行することで有名だが、今季もそう。開幕直前にホワイトソックスのエース、ディラン・シースを獲得し、5月は2年連続首位打者のルイス・アラエスを戦列に加えた。こんなことが可能なのは、マイナーリーグの若手有望株を惜しげもなく次々に差し出してしまうからだ。

 

 これでチームも勝っていればすばらしい編成本部長なのだが、彼が就任した2014年以降、パドレスがポストシーズンに進出できたのは2度だけ。ナ・リーグ優勝決定シリーズまで勝ち進めたのは2022年の1度だけだ。

 

 一方で彼が差し出した有望株たちは、2014年の1巡指名トレー・ターナー(フィラデルフィア・フィリーズ/通算163本塁打、272盗塁の遊撃手)、2012年の1巡指名マックス・フリード(アトランタ・ブレーブス/通算69勝31敗、防御率3.04)、エマニュエル・クラセ(クリーブランド・ガーディアンズ/3年連続オールスター、2年連続セーブ王)、ジョシュア・ネーラー(クリーブランド・ガーディアンズ/今季22本塁打、70打点でオールスター選出)など、結構な人数がメジャーで一流選手に成長している。もう少し辛抱強く成長を待てれば、パドレスも違ったチームになったのにと、プレラーのやり方を批判する関係者も少なくない。

 

 パドレス担当のデニス・リン記者は7月30日、今年もポストシーズンを逃せば、プレラー編成本部長は解雇かもしれないと言う。「積極的な補強でヘッドラインを飾り、ここ数年は観客動員もとてもいい。そこはすばらしいと思う。しかしながら就任から10年が経つし、勝てていないことに疑問符が付いている」と指摘する。

 

 もっとも30日の試合はブルペンの差でパドレスが制した。ドジャースは初回に5点を先制したのに、松井裕樹をはじめとする6人のリリーフ陣に抑えられ、追加点を挙げられなかった。一方でパドレスは少しずつ点を奪い返し、9回にドジャースのリリーバー、ブレーク・トライネンから2発で同点、10回は左腕アレックス・ベシアを攻略してサヨナラ勝ち。

 

 ロバーツ監督は悔しそうに「最初の数イニングはよかったが、その後はパドレスが6人の投手をうまく使って、マッチアップで有利になるように起用してきた。(大谷)翔平の時に2度左投手を当てるとかね。私たちは同じような対応ができなかった」とコマ不足を嘆いている。

 

【選択肢を増やしながら主力の復帰を待つ】

 

 筆者は7月19日の後半戦開始からドジャースに日々帯同しているが、明らかにドジャースはコマ不足に陥っている。野手ではMVPトリオのうち、ムーキー・ベッツは6月から骨折で離脱しているが、フレディ・フリーマンも三男のマキシマス君が感染症で入院したため、26日の試合前にチームを離れ、「家族緊急リスト」に入った。いつチームに戻れるかは不明だ。

 

 野手ではほかにマックス・マンシー、ミゲル・ロハス、クリス・テーラーらが負傷者リストに入っている。投手陣でも先発で山本由伸、ウォーカー・ビューラー、ボビー・ミラーが離脱している。そんななか、ランドン・ナック、ジャスティン・ロブレスキ、リバー・ライアンら若手を抜擢し、彼らは好投した。しかしながら経験の少ない彼らに、ポストシーズンを任せるわけにはいかない。

 

 ブルペンでもクローザーのエバン・フィリップスが不調で、勝利の方程式が崩壊。30日の試合を含め過去13試合で3度も5点以上のリードを守り切れなかった。30日に打たれたトライネンは「私がいたこの5年間、ドジャースのブルペンはトップクラスだった。しかし現状は厳しいし、最近の2度の失敗のように私がかかわっている部分も大きい。イライラする」と唇を噛んでいる。

 

 コマ不足のなか、ドジャースは29日に野手ではユーティリティ選手のトミー・エドマン、アメド・ロサリオを補強した。

 

 エドマンはスイッチヒッターで、内外野すべてのポジションを守れる。2021年には二塁でゴールドグラブ賞を受賞した。ただし今季は オフの手首の手術から開幕に間に合わず、6月末には足首を捻挫し、まだメジャーで1試合もプレーしていない。

 

 ロサリオは同じく内外野の複数のポジションを守れ、1年前もトレードデッドラインでドジャースに移籍していた。30日にはゴールドグラブ賞4度の名外野手ケビン・キーアマイヤーも加わった。リリーフ投手ではマイケル・コペックを獲得。コペックはもともとドラフト1巡指名選手で、98~99マイル(156~158キロ)の速球を投げ、30.9%の三振率はメジャーのリリーフ投手のなかでも15位だ。しかしながら今季の防御率は4.74で四球が多いのが課題。つまりドジャースはトレードデッドラインで、超大物は獲得できなかったが、コマ不足のチームに新たなコマを余分に追加している。

 

 気がつくのは、負傷者リストに入っているメンバーも含めると、ポジションが重なる選手がとても多くなったということ。計算すると二塁を守れる選手が8人、三塁が6人、遊撃経験者が7人、センターは3人である。

 

 30日、ドジャースのブランドン・ゴームスGMは「これからたくさんの異なる選択肢を試したい。そのうえで、監督やコーチたちと(誰を残すか)話し合っていきたい」と明かしている。

 

 大物を補強できなかった分、選択肢を増やし、競わせ、誰がベストか見極めていく。一方で山本、ベッツ、フリーマンといった主力の復帰は辛抱強く待つ。山本は8月2日に故障後初めてブルペンで投げる予定。ベッツもすでにバットを振り始めている。ブルペンについてもブルスダー・グラテルオール、ライアン・ブレイザー、マイケル・グローブらがそのうち戻ってくる。

 

 今のドジャースはチーム状態がよくない。しかしながらフリードマン編成本部長ならではの、冷静で、理性的な手法で乗りきろうとしている。

 

奥田秀樹●取材・文 text by Okuda Hideki

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 ■ NOTE