2024年7月14日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年7月13日

日本時間:2024年7月14日(日曜日)

2時10分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対デトロイト・タイガース

@コメリカ・パーク

 

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【MLB.JP 戦評】

 日本時間7月14日、ドジャースはタイガースとの3連戦の2戦目に9対11でサヨナラ負け。最終回まで9対4と大量リードしていたが、タイガースの7番コルト・キースの同点2ランを含む6安打5得点の猛攻を浴び、土壇場で試合は同点に。タイブレークに突入した10回裏、代打ジオ・アーシェラにサヨナラ2ランを許し、ドジャースは9対11でサヨナラ負け。それぞれ10回に登板したタイガースのウィル・ベストに2勝目(3敗)、ドジャースのヨハン・ラミレスに4敗目が付いた。「1番・DH」でスタメン出場した大谷翔平は、MLB通算200号を含む4打数2安打の活躍を見せた。

 

 ドジャースは初回、1番大谷の三塁打を足がかりに内野ゴロの間に1点を先制。2対2と同点になって迎えた5回には1番大谷がライトスタンドに今季29号、MLB通算200号となるソロ本塁打を放ち、加えて6番ギャビン・ラックスの2点タイムリーで5点目を追加。タイガースは5回、9番ライアン・ビレイドと1番アンディ・イバニェスの連続ソロ本塁打で1点差まで追い上げたが、その後もドジャースの攻勢を止められず。ドジャースは6回に大谷の内野ゴロの間に6点目、7回には7番キケ・ヘルナンデスの5号2ランで8点目、8回にも四球で出塁した大谷が生還して9点目を挙げた。

 

 9対4とリードを広げて迎えた最終回、ドジャースは5番手リッキー・バナスコが一死も取れずに3失点を許してしまう。たまらず守護神エバン・フィリップスを投入したが、なおもタイガース打線の反撃は止まらず。6番カーソン・ケリーのタイムリーで2点差とされると、7番キースに10号同点2ランを浴び、試合は振り出しに戻った。

 タイブレークの10回表一死2塁では大谷に打席が回ったが、タイガースは当然、申告敬遠を選択。その後の死球で一死満塁のピンチを招いたものの、3番フレディ・フリーマンのセンターに抜けるかという当たりを遊撃のザック・マキンストリーが滑り込みながら好捕。タイブレークを無失点で切り抜ける美技ダブルプレーを決めた。勢いに乗ったタイガースは10回裏、代打ジオ・アーシェラがサヨナラ2ラン。9回の劇的な同点劇から逆転勝利を手繰り寄せた。

 

 ドジャースの大谷は「1番・DH」でスタメン出場。1回表先頭の第1打席はチェンジアップを拾ってライト線に落とす技ありの三塁打、3回表無死2塁の第2打席は空振り三振、5回表先頭の第3打席は真ん中付近のチェンジアップをすくい上げてライトスタンドへ。これがシーズン29号・MLB通算200号の本塁打となった。MLB通算200号は日本人選手としては初の快挙。さらにこの一発は、ドジャースの球団新記録となるオールスター前に56本目の長打に。記録づくめの本塁打となった。その後の第4打席は併殺崩れのセカンドゴロ(打点はつかないが、その間に6点目が加わった)に倒れたが、第5打席は四球で出塁し、23個目の盗塁でチャンスメイク。そしてタイブレークの10回表一死2塁で回ってきた第6打席では申告敬遠された。今日の試合を終えて、シーズン成績を打率.314、OPS1.037、29本塁打、23本塁打としている。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

1番DH

 

【出場成績/打者】

4打数 2安打 2打点 3得点 1三振 2四球 1盗塁(23個) 1本塁打(29号)

通算打率・314

OPS1・037

 

◆第1打席:

(結果)ライト線3塁打

(状況)1回無死走者なし

(投手)ケイデル・モンテロ右

※2球目のチェンジアップをうまく右翼線に運び、一気に三塁を陥れた。今季4本目の三塁打でチャンスメークすると、無死一、三塁からフリーマンの一ゴロの間に先制点のホームを踏んだ。

 

 

◆第2打席:

(結果)空振り三振

(状況)3回無死1塁

(投手)ケイデル・モンテロ右

※初球のナックルカーブを強振。だが、打球は大谷の左足の膝を直撃する自打球だった。これに大谷は「あぁ…!」と思わず叫び、顔をしかめて悶絶。何度か左足を気にする仕草を見せたものの、そのまま打席に入った。2ストライクと追い込まれた後、ワイルドピッチにより走者が二塁に進み同点の好機となった。だが、2ボール2ストライクからのナックルカーブに空振り三振に倒れた。

 

◆第3打席:

(結果)ホームラン

(状況)5回無死走者なし

(投手)ケイデル・モンテロ右

※2―2で迎えた5回、先頭打者で打席に立つと、速球派のルーキー、モンテロの2球目のチェンジアップを叩き、低い弾道で右翼ポール際に運んだ。打球速度173・4キロ、飛距離113・7メートル。6試合ぶりの勝ち越し弾は、日本人が初めて到達するメモリアル弾。MLB7年目で200本塁打に到達した。

 

 

 

◆第4打席:

(結果)セカンドゴロ

(状況)6回無死1、3塁

(投手)ジョセフ・ウエンツ左

※二ゴロで打点が記録され、リードを広げる貴重な打点をたたき出した。

 

◆第5打席:

(結果)四球

(状況)8回無死走者なし

(投手)アンドルー・チェフィン左

※四球で出塁。二盗を決めて、フリーマンのやや浅めの中飛でスタートを切って本塁に生還した。

 

◆第6打席:

(結果)申告敬遠

(状況)10回1死2塁

(投手)ウィル・ベスト右

※無死二塁から始まるタイブレークの延長10回は1死二塁で6打席目に立ったが申告敬遠。1死満塁とチャンスを広げたが、フリーマンが遊併打に倒れて勝ち越せなかった。

 

【コメント】

なし

 

【NEWS情報】

◯ 通算200号の今季29号ソロ。記念球をキャッチしたのはミシガン州在住20年で工場勤務のエリク・ワインクープさん(43)。息子に「父の日」にプレゼントされたチケットで、息子夫婦と観戦に訪れ「とてもクールで素晴らしい。こんなに注目されたエナジーを感じたことはない。私が本塁打球をキャッチすると、カメラが来て、セキュリティーが来て、これほど多くの人に注目されたことはないと思う。事の重大さに気付いたが彼の本塁打を捕れたことはとてもラッキーで素晴らしい。彼は偉大な打者。これが彼の200号本塁打とは知らなかった」と興奮気味に振り返った。

 

記念球は売らずに保管する予定としたが「彼がボールを欲しいと言うなら喜んで渡したい。サイン入りのボールをもらえたら最高だけど、私は欲張りな人間ではない。家族と楽しむためにここにいるからね」と笑顔で語った。日本メディアへの取材対応後は地元中継局のインタビューも受けるほど注目を集め、ドジャースのセキュリティー担当とともに関係者口に連れてかれていた。ホームランボールを大谷へ戻し、そのお礼として、大谷のサインボールと新品のドジャース帽子2つ、Tシャツ、ノースリーブパーカーの計5品を贈られた。

 

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◯ 米データサイト「ベースボール・リファレンス」は公式Xで「MLBでの最初の800試合で200本塁打、500打点、100盗塁を記録したすべての選手 大谷翔平」と記し、100年を超すメジャーの歴史で史上初の記録を大谷が成し遂げたと記した。大谷のメジャーでの出場試合数は13日を終えた時点で797試合。また、この日の2本の長打でシーズン56本目とし、球宴前としてはドジャースの球団史上最多長打とした。これまでは1954年デューク・スナイダーの55本だった。さらに、球宴前の本塁打記録は球団ではベリンジャーの30本が最多で、この日の29号であと1本に迫った。得点も現在73点で球団最多75点(ウィリー・キーラー、モーリー・ウィルス)にあと2点まで迫っており、球宴前最後の試合となる14日のタイガース戦に期待がかかる。 

 

◯ 日本ハム・栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO=63)が祝福した。「素晴らしい記録であることはもちろんですが、さらに本塁打を積み上げていくことに意義があると思います。この先に続いていく日本人メジャーリーガーの目標になる数字を刻んでいってほしいですし、楽しみにしています」とコメントした。

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

「盗塁、ホームランの数など彼はMVP級の素晴らしいシーズンを過ごしている。ご存知のように、メジャーリーグでの彼の在籍期間はわずか6年と少しです。負傷者リストに入ってる期間を差し引いても、彼がこんなに早くそれを達成したのは本当に驚くべきことだ。残念ながら、翔平の200本塁打という成果を勝利を祝うことはできなかった」

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ ドジャース・ロバーツ監督 9回5点差リードから大逆転負け「言い訳することはできない」

(スポニチ)

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 ドジャースは13日(日本時間14日)、敵地ミシガン州デトロイトでタイガースと対戦。「1番・DH」で先発出場した大谷翔平投手(30)が日本人選手初のメジャー通算200号を放つなど4打数2安打2打点2四球の活躍を見せたが、9-4の9回に救援陣が打ち込まれて5失点して土壇場で追いつかれた。そして延長10回1死三塁からサヨナラ本塁打を浴びて9-11の大逆転負けを喫した。

 

 試合後、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は9回5点差から試合をひっくり返されたことに「我々は5点リードしていたにも関わらず負けたことに対して言い訳することはできない」と大逆転負けを素直に受け入れた。それでも「(2点リードの)2死一塁の時点で勝たなければならなかった」と振り返った。

 

 サヨナラ負けを喫したものの「今日は攻撃的に良いことがたくさんあった」とし「今日は失点が多くて、負けてしまった。でも、それを洗い流して明日に備えなければならない。明日はどの選手が残っているかを見極め、明日を乗り切って勝ち越せるように努力する」と前を向いた。

 

 3点差に迫られた9-6の9回無死二塁から登板したフィリップスは「最初は勢いをうまくコントロールして、素早く2死を取ることができた」と二ゴロ、見逃し三振の2死まで完璧な投球を振り返った。「自分の強みを出し、うまく実行したいと思っていた」としたが、そこから左前打、2点本塁打で同点とされた。「自分のベストだと思っていた投球で、負けるのはとてもフラストレーションがたまる。(9回の同点弾被弾は)ちょっと詰まったように感じたが、ホームランはホームラン」と悔やんだ。

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◆ 大谷翔平の500号への可能性 50発200戦未満のペースのルース・ロード維持で…ヒルマニア

蛭間豊章氏/スポーツ報知)

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 大谷翔平がメジャー375人目の通算200号を達成した。蛭間豊章記者の「ヒルマニア」で、夢の500号への可能性を検証した。

 

 大谷の通算200号は、日本人では初めてで、アジア人では韓国出身の秋信守外野手(レンジャーズなど)の218本に次いで2人目となった。

 

 秋は1523試合で到達したが、大谷はほぼ半分。デビュー当時投手専念だったB・ルースの817試合よりも8試合早かった。もっとも、上には上がいるもの。スピード記録は2000年代にフィリーズで活躍したR・ハワードで、658試合で到達している。

 

 しかし、ハワードは11年地区シリーズでのアキレス腱(けん)断裂から故障がちとなって一気にペースダウンし、通算382本でユニホームを脱いだ。ルースはその逆だった。投手もこなしていたため、50号までには402試合を要しているが、以降650号までの50号刻みのペースは全て200試合未満を維持して、最終的には714号まで伸ばした。大谷も最初の50号までは274試合かかったが、その後の50試合ごとは200試合未満で推移。151号から200号までの156試合は、自身最速のペースとなった。

 

 そのペースを維持していけば、大谷はまだメジャーでも28人しかいない通算500本塁打到達が期待される。三十路(みそじ)に乗ったばかりの大谷は、30歳未満で198本を積み重ねた。過去28人の「500発アーチスト」のうち、569発のR・パルメイロ(オリオールズなど)は30歳未満で155本、541発のD・オルティス(Rソックス)も177本に過ぎなかった。2人は30歳以降もコンスタントに打ち続けて大台に乗せた。現役では、ジャッジも30歳の誕生日までは161本だったが、現在291本まで伸ばして300号のスピード記録も時間の問題だ。大谷にはルースと同じように太く長くプレーし続けてほしいものである。(ベースボール・アナリスト 蛭間   豊章)

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◆ 【ケンケン】フィリーズ人気者が大谷にめげずに連日の猛アピール。その裏にある真意に勇気もらう

横山健太氏/日刊スポーツ)

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 すっかりドジャースの大黒柱としてチームメートからも、ファンからも愛される大谷翔平。今回、MLB初取材の「ケンケン」こと日刊スポーツ横山健太カメラマンが写真とともにフレッシュな視点でレポートします。

 

 ◇   ◇   ◇

 

 7月9日~11日の対フィリーズ戦がフィラデルフィアのシチズンズ・バンク・パークで行われた。この時点でナショナルリーグ東地区と西地区首位同士の対決で注目度の高い試合に加え、フィリーズにはハーパーやウィーラーなどスター選手ぞろいなので大谷とどんな絡みをするのか注目していた。とりわけ一番楽しみにしていたのは人気マスコットのフィリー・ファナティックとどんな交流をするかだ。ちなみに広島カープのスラィリーがとても似ているのは、球団がファナティックをデザインした米国ハリソンエリクソン社にデザインを依頼したところ、ファナティックの「分身・片割れ」というコンセプトで生まれたからだそうだ。

 

 その本家もやはり、とてもいたずら好きで、試合前の練習の際には野手のグラブをこっそり盗んで観客席に投げ込んだり、試合の合間にランチャーを使って観客席にホットドッグを打ち込むパフォーマンスを見せたりする人気者。対戦チームの主力選手に試合前など絡みに行くこともしばしば、23年エンゼルス時代の大谷にも似顔絵を描くなど積極的だ。

 

 初戦の試合前も1番打者の大谷がグラウンドに出るなり、ここぞとばかりファナティックは目の前で腰を振りながら踊り始め、ちょっかいを出しに向かった。さすがに大谷は集中力を高めてるせいか意に介さず素振りを続行、つれない態度に拗ねたようで早々とバギーで走り去っていった。ドジャースに入り、昨年以上に注目度が増したことで、絡みづらくなったのかと見ていて少し残念に思った。

 

 もう絡まないかなと思いながら迎えた第2戦、前日同様、大谷の前に陣取り、服をめくったり舌を出したり、よりアピールをパワーアップし、立ちはだかった! 最終的には無視しきれなかった大谷も目で追って優しげな表情を浮かべていた。もちろんファナティックは相手チームに迷惑をかけたり嫌な思いにさせたりはしていない。こういった行動はビックスターへの敬意(嫉妬?)、感謝と歓迎を意味する行動だそうだ。

 

 何があってもめげず、諦めない行動やファンを楽しませる姿、プロマスコット根性に勇気をもらった瞬間だった。【横山健太】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ケンケンのWEEKLY SHO!Time!!」)

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 ■ NOTE

 

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